ごく普通のサラリーマンの昴君。宝くじ買いました。
「ふう、疲れた。今日までに終わらせないといけない仕事がたくさん。。まだ終わってないけど少し早めの夕飯とするか。」
「あーもーラブコメ小説みたいに女の子とのいちゃらぶイベントとかくればいいのに。」
そんな独り言を言いながら椅子に座りながら思いっきり背伸びをするのは山金 昴23歳。
大学を卒業し、新入社員として今年入社したばかりのごくごく普通のサラ リーマンだ。
まあ大学はそこそこいいところに行ったのだが特にこれといったやりたいことがなかったので一般的な企業で平社員をしている。
顔もそんなに良いとは言えず彼女いない歴=年齢を貫き通している。
上京して半年、クリスマスでさえも一人暮らしになってから毎年一人で過ごしている。
「あーほんとヤダ、仕事の量に比べこの給料、ほんと金ねぇ。。。」
財布を開くとそこには3000円。これが昴の持っている財産のすべて だ。
「昴君、私は早いけど先に帰るが君はしっかりと残った仕事終わらせるんだぞ。」
このうざったらしい声のトーンで言ってくる上司は私の部署の部長をやっている秀さんだ。
外見はよくいるおじさん、息が臭く近くにいないでほしいくらい害悪な存在だ。
「はーい、わかりましたァ。しっかりとおわらせますねッ」
「今日は機嫌悪いが何かあったのかね?私は今からレストランで新しくできた彼女とデートの待ち合わせをしているのだよ。君には彼女いないんだったっけ?」
自慢げに腕を組み言ってくる。
秀さんはこう見えて結構金持ちなのだ。
どうせ金目当てに飛び込んできた女だろう。。
「しn。。ああ~まだできないですねぇ最近仕事で忙しくてろくに女友達を誘ったりだとかァ?そういうことないですからねェ!」
・・・危ない危ない上司に向かって死ねとか言ってしまうところだった。。
そんなことを言ったら新入社員の昴は即クビだ。女友達を誘ったり。。こう言ったが昴には女友達どころか男友達すらも指で数えるほどしかいない。
「そうかそうか、仕事に邁進するのはとてもえらいことだぞハハハハ。では私は行ってくる。ルッルッルッルルーンルッルッルッルルーン」
うざい上司は鼻歌を歌い足でリズムを刻みながら出て行った。
「ふう、俺はコンビニでも行くか。3000円持ってるし少しくらい豪華な飯も買ってくるかな。」
上着を着て、PCを閉じ、昴は日が落ちようとしている商店街に足を運んだ。
「・・確か新しくこのあたりにコンビニができたんだったっけ。」
商店街の端っこに目新しいコンビニができていた。
「キャリーオーバー発生中買うなら今!」
コンビニの目の前に来たところで耳にそんな音が入ってきた。
「宝くじ店かぁ。。」
コンビニのすぐ隣に新しく宝くじ店ができていた。
仕事帰りなのだろうかスーツをきたサラリーマンが結構並んでいる。
昴は生まれて一度も宝くじというものを買ったことがない。
「んー今所持金3000円だ。宝くじに金かけたってどうせ外れるだけだし。。」
そう独り言を口にしていた時だった・・
「うわっまじかっえっうそっえっえっ」
中年男性が大声で叫んでいる。
よく見ると男性の前にある宝くじ店の当選してるかを見るための機械に大きな文字で
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「【高額当選】」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
と書かれていた。
「お、おめでとうございます!○○月○○日に××銀行で当選金を受け取って
ください。」
これまた店員さんも急な当選に驚いているのかすんごい高い声を出している。
「うっ最近なんか楽しみという楽しみが何もないしたまには宝くじとかかってみるのもいいかもな。。」
「いらっしゃいませ~」
ついに宝くじ店の前に立ってしまった。
「これを5枚お願いします。」
「一枚300円か、地味に高いな・・」
300円、それは昴の一食分の額だった。
キャリーオーバー発生中と言っていた宝くじを5枚買ってみた。
「ええっと当選日は一週間後か、人生初体験の宝くじ、なかなかわくわくするもんだな!」
早速宝くじで1500円を使い所持金は残り1500円となってしまった。
ーー昴はまだ知らなかった、この行動により人生に何もイベントが訪れず普通に 暮らしてきた昴にたくさんのイベントが訪れるなんて。。。ーー
「やっべぇ金使いすぎたわ。おにぎりでも買っていくか。」
コンビニに入店してしゃけおにぎりと水を買いまた会社に戻ったのであった。
「ああああああ仕事ぉ終わらねええええええええええええ!」