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「ケンジ。」  作者: 猫SR
1/4

[Night on Saturday]


前書きは、特に無し。









「猫さん?」


「お??久し振りじゃん。笑」





仕事帰り、コンビニ寄ったら

昔の友達の妹さんに会った。


ケンジの妹さんだ。



…びっくりした。


昨日の夜、、なんか寝れんくて

夜中にビールを飲みながら、

ふと思い出した

昔の仲間だったから。






真夜中に独りでビールしてると

どうも思考が

寂しい方に傾く様だ。




母を思い、くそ親父を思い、

妹は元気なのかと思う。



そして仕事の忙しさに

ついつい互いに放置している

友人達を思う。





ケンジってのは仲間内では

一番早く結婚した、

彼女のお腹に赤ちゃんが

出来たから。



奴は気の弱い男で

あんな奴が女を孕ませるなんて!

とか、仲間内で笑ったもんだ。




イタズラ盛りのあの頃、俺、、、

チームで頭を張ってた。


誤解しないで欲しい、

ケンカが強かった

訳じゃ無いんだ。

う、残念。笑


自分でゆっちゃうけど

俺は単車の運転に

ちょっち自信が有ってね。


土曜の夜、

みんなで走ってる時に

パトカーに追われた時が

俺の出番だ。



大体パトカーが張ってる場所とか

検問なんてーのは、

いつもおんなじ場所だから


(そろそろ、パットー出て来る?)


なんて考えながら走ってると、

どこからともなく

いつの間にか

後ろに張り付かれてて。


パトカーは点トラ回して

サイレン鳴らして

マイクで止まれ止まれって。


…あれ、笑えるー。

止まる訳、無いじゃんねー? 笑


で、俺はパトカーの前で

散々、低速蛇行運転を繰り返して

仲間を全員逃がした後で

最後に、自分が逃げる。


あのドキドキ感は

ちょっと病み付き。笑


湖畔の高速コーナーを

心臓が口から

飛び出るんじゃないかってぐらい

ぶっ飛ばす。

ノーヘルだから涙ちょちょぎれ。

ミラーで何度も後ろを見る、、、


耳をつんざく自分の単車の

マフラー音…、、、


メーターの針は右下に張り付く。



転けたら死ぬ。




でも、パトカー振り切った後の

爽快感って云ったらっ!!!笑



写真とか

撮られるリスクは有るけど

ナンバー付けてないし

現行犯じゃ無いし、←?

なんたって、

戦国時代の合戦の殿軍みたいで

自己満足ってゆーか、

後からみんなにお礼言われて、

褒められて、

悪い気はしなかった、、、


…まるでヒーローさ。笑



それで、先輩達が引退した時、

頭に推されたんだ。

自分でゆーけど。笑






ケンジは同い年だけど

俺を、なんとゆーか慕ってた。

何かっちゅーと

猫、猫ってね。


俺の一番、仲のいい

あいつが逝っちまった時も

随分と慰めてくれたし。





ケンジの結婚式でのスピーチは

もう、しどろもどろで、、



「新郎、ケンジ君の友人の

猫宮ですっ。

以後、お尻見て下さいっ!」


って、やっちまった。笑


ケンジの会社のおじさんが


「以後、お知りみおき下さい。」


ってゆってたから

そーゆわなきゃいかんのか?

…みたいな?


仲間達と

おじさんおばさんが大爆笑で

狙った訳じゃ無くて

マジだたから

汗がー、だくだくだたしー。笑







でもケンジのお袋さんは

ケンジの結婚式の後、

直ぐに死んじゃった。



…ガンだったんだ。









話はここから始まる。












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