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ReLife of Prodigy

とうとうやってきてしまいました・・・

グスッ・・・グスッ・・・

最終回、グスッどうぞ!

「うおおおっ・・・くっ・・・!」

魔力の塊が読む謡真を飲み込んだ瞬間、謡真は魔力の塊を、つまり魔力を自分の体に取り込み始めた。

「量が・・・・・・多い・・・・・・!」

元々人間の体には多かろうが少なかろうが霊力は存在する。

謡真の場合はてゐとの出会いがきっかけで霊力が爆発的に増幅したわけだが、きっかけさえあればどうにかなるのかもしれない。

謡真は閃光結界を自分の持つ霊力ギリギリ使い果たさないように調節して張っていた。

それは魔力を自身に取り込み、つまり封印しようと考えた。

当然、人間の持つ力とは根本的に違うので、取り込み過ぎれば死んでしまう。

叶斗の場合は邪竜と合わさった段階で既に魔力に適合し、魔力をある程度は使えるようになった。

しかし謡真は違う。つまり、魔力の塊=今まで叶斗の操った妖怪の魔力の合計という量を取り込めばあっさりと死んでしまう。

さらに意識を持っている魔力なので、下手にすれば自分が叶斗2号になってしまう可能性もあった。

月読命をわざわざ峰打ちで気絶させたのは、もしもの時に自分をもう1度殺してもらうためでもあった。

「くっ・・・・・・!暴れるな・・・・・・!鎮まれ・・・・・・!」

いくら謡真でも一人で魔力に適合なんて出来るわけがない。

「うおおおおお!!!」

謡真の体から、紫色の何かが飛び散った。

「・・・・・・・・・はぁ・・・はぁ・・・」

間もなく倒れてしまう。

飛び散った紫色の何かは閃光結界に阻まれ、一瞬で消失する。

「・・・・・・・・・・・・駄目・・・・・・だ・・・」

もはや体を動かす事さえ出来ない。だが・・・・・・

「でも・・・・・・終わった・・・・・・」

「俺は・・・・・・勝ったんだ・・・・・・」

不思議と、笑えた。

「・・・・・・俺の・・・・・・役目は・・・・・・・・・」

「果たした・・・・・・よな・・・・・・」

足音が聞こえる。どれくらいの人数なのかは全くわからない。

ドゴンという音が聞こえた。結界を壊せるのなんてフランぐらいだろう。

とうとう何も見えなくなった。魔力に神経まで蝕まれ始めたのが分かる。

「お兄ちゃん!起きて!起きてよぉ!死んじゃやだ!」

「謡真さん!嫌です!嫌です嫌です嫌です!死ぬなんて!」

何か聞こえる気がするが、それも分からない。

そもそも幻聴なのかもしれない。


謡真の五感は仕事を終えた。友矢は祭壇で月読命の刀を拾い、強く握りながら泣いていた。

友矢が突如消えた事を心配し駆けつけてきたレミリアやパチュリーも言葉を発さなかった。



「情けないな。それでよく助けに来たもんだ」

そう、彼が来るまでは。

「本当、尊敬するよ。ここまでやるなんてさ」

真面目な顔でそう話した男は、誰に言う訳でもなく名乗った。

「・・・秋風紅夜。聞こえてるかい?藤堂君」

「聞こえている訳ないか・・・」


「さて、さっさと連れていきますかね・・・」

周りの誰もが状況を把握出来ないまま、紅夜と名乗った男は謡真をつれて何処かへ消えた。








────それから2週間が過ぎた。

「・・・・・・・・・」

「ここにいたんですね」

「・・・・・・・・・アテナ」

「起きたと思ったらすぐに居なくなったって師匠に聞きましたよ」

「・・・・・・・・・・・そうか」

「あんなになっていたのになんとかするなんて、魔界ってそんなに凄いんですか?」

「・・・・・・俺も何か見たわけじゃないからな。詳しくは分かんねぇ」

「突然永遠亭のベッドにいたって聞きましたし、やっぱり魔界の神様って凄いんですねぇ」

「置いてあった手紙だろ?秋風が俺を連れてったんだろ?じゃあなんで『神綺』って書いてあったんだ?」

「んー・・・・・・それは私にも全く。師匠ですら分からないみたいですし」

「気にすることでもないのかな・・・」

「いいじゃないですか!こうして今も生きてるんですから!」

「・・・・・・・・・そうだな」

「そういえば、謡真さんってこれから何処か行くところあるんですか?」

「・・・・・・無いよ。とりあえず暫くは野宿かな」

「あの・・・・・・もしよければなんですけどぅ・・・」

「ん?何?」

「師匠もいいって言ってくれてるんで・・・・・・永遠亭に住みませんか・・・?」

「・・・マジ?いいの?」

「部屋も余ってるみたいですし・・・・・・何より私が近くにいたいっていうか・・・・・・」

「余ってるまでしか聞こえなかったんだけど」

「なんでもないです!」

「じゃ、お言葉に甘えようかな。あの手紙読みたいし」

「そうですね!じゃ早速永遠亭に帰りましょう!」

「待って、先帰ってて。すぐ追いつくから」

「え?あ、はい。分かりました・・・」


何故かトボトボと歩いてアテナは帰っている。


「・・・・・・遊佐、結羽。いるんだろ」

「・・・バレてた?」

「だから言ったのよ。バレてるって」

「お前らはこれからどうするんだよ」

「えー?いきなりそれ聞く?」

「当たり前でしょ遊佐。それくらいはわかるわよ」

「前も言ったけどさ、魔界で俺はどうにかなったみたいなんだけど・・・」

「代償に半人半妖になった、でしょ?」

「そう。もう俺は元の世界には帰れない。年取るスピード的にもな」

「知ってるよ!決まってるじゃん!私はここに残るよ!」

「当たり前。私も残らせてもらうわ」

「いや、お前らは普通に帰れるんだぞ?いいのか?」

「いいの!謡真が残るならのーこーるー!」

「・・・まあ、遊佐も残るし、私も残ると決めたから。博麗神社に住み込んでいいって言われたし」

「そうか・・・ふふっ」

「なんで笑ったのー!」

「いやいや、いい友達持ったなーって!」

「2歳年下の女の子に言う事かしら?変態よ、それ」

「誤解を招く言い方はおやめ下さい」

「謡真ってロリコン?これからあだ名はロリコンだね!」

「あ、それいいわね、私もそうさせてもらうわ」

「おいおい・・・・・・最初のバカより数段ひでぇぜ・・・・・・」


青空の下、三人の笑い声は、今日も響いている。

何事もなかったかのように、元の世界にいたように・・・

これが、謡真の本当に守りたかったものなのだろう。

この後謡真の周りにはたくさんの事が起きるが・・・・・・


それはまた、別のお話・・・・・・・・・



────東方真遊結 〜ReLife of Prodigy.

きっと謡真たちはこれからも変わらず過ごすんでしょうね・・・。

次はどんな話になるんだろうな。

続編、ありますから。

見てくださいね!

それではまた別の機会に・・・・・・・・・

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