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繋げろ思い

「クラエッ!」

「うわっ!」

叶斗の右腕が突如倍以上に伸び、頭を掠めていった。

「なんでもありかよ・・・このラスボス・・・」

「ハァァアアア!」

その間にも月読命は叶斗に斬り掛かる。

しかし・・・

「いっ・・・」

刀は弾かれ、月読命の手から刀がこぼれ落ちる。

「マズハオマエカラダァ!ツクヨミィィィ!!!」

「くうっ・・・『限界時計(オーバークロック)』!」

瞬間、世界は色を失い、音を無くし、活動を止めた。

しかし先ほど謡真を助けるためにかなり長い時間停止を行っていたため、持ったのは数秒のみだった。

それでも月読命のスピードは叶斗から数メートルもの距離を置く事に成功。さらにこぼした刀も拾いきることが出来た。

そして世界は活動を開始し、色が戻った。

「・・・ムゥ?ドウイウコトダ?ヤツラハドコヘキエタ!!」

「月読命。大丈夫か?」

「だ、大丈夫じゃないかも・・・」

「俺にもあの合体は出来ないのか・・・?」

「まだボクが出てきてからの時間が少なくてさ・・・幻想郷(ここ)に適応できてないんだ・・・」

「・・・そうか」

「ごめんね謡真・・・役にたたなくて」

「・・・決めた」

「え?」

「仮に俺が死んだ時にさ、月読命はどうなるの?」

「えっと・・・媒体である刀が無くならない限りはボクは死なないよ?」

「・・・・・・そっか」

「待って謡真どういう・・・ッ!・・・・・・」

「せっかく出てきて貰ったのにな・・・ごめん」

「ダメ・・・謡真は・・・・・・なんで・・・峰打ちなん・・・・・・か・・・」

「叶斗!俺はここだ!」

「ン?フフフ・・・オトナシクソノママカクレテイレバシナナカッタモノヲ!」

「月読命。お前は俺だ。紛れもないこの藤堂謡真(オレ)紋章(エンブレム)なんだ」

「・・・・・・・・・」

「もう聞こえてないと思うけどさ・・・」

「俺の代わりに、あいつらの紋章(エンブレム)になってさ、あいつらを見守ってやってくれよ・・・」

「サァテ・・・・・・ドウシテヤロウカ・・・!?」

「叶斗・・・お前がわざわざ祭壇まで作ったのは、お前が奪った魔力を貯めておいて一気に爆発させる事の・・・」

「キメタ・・・・・・ヤツザキダ!!!」

「景気付け、つまり・・・」

「シネェェェ!!!ヨウマァァァァ!!!」

「こういうことだろ!?」

叶斗の攻撃は謡真の残像を通り、手応えなく空を切る。

謡真は素早く魔法陣を刀で描き、叫んだ。

「・・・・・・『閃光結界』!!!」

すると祭壇の周りは薄黄色の幕のようなもので覆われ、完全に遮断された。

「見つけたぜ・・・最後の鍵!届けぇッ!」

謡真は左手に持っていた月読命の刀を思い切り・・・

「ヤメロォォォォォォ!!!!」

祭壇の中央。大きな壺の置かれた場所へと投げた。

叶斗は左手を伸ばすが・・・・・・

「届かねぇよ・・・・・・」

謡真の残像が光で作られており、少しだが視界を奪った。

叶斗は距離感を失い、投じられた刀には届かなかった。

「お前は魔力を意識とともに奪った。それはお前の計算の上でだろう」

刀は深く深く突き刺さり、壺を大破させた。

「魔力と共に意識も溜め込み、憎しみを使って魔力にこの世界を滅ぼさせようとした」

「ア、アア・・・」

「閃光結界は霊力しか通さない。霊力に対しては全くの無力。だけどな、魔力は絶対に通せないんだ」

叶斗は周りを見るが、月読命の姿はない。

「もう外だよ・・・・・・月読命は、さ」

「叶斗・・・これがお前の最期だ」

謡真は叶斗から目を背け、自分が遊佐、結羽と登ってきた道を見る。

後ろでは壺から開放された魔力が謡真の読み通り意識を形成する。

「ウゴァァォォァァ!!!」

「お前は俺を憎んだけど・・・お前は憎しみに殺されるんだ」

「そ、そんな・・・」

いつの間にか叶斗は元に戻っており、既に目からは感情を感じ取れないほどの曇りが見える。

「ある偉人は言った・・・『天才とは、99%の努力と、1%の閃きから生まれる』ってさ」

「お前は努力したよ。どんなに悪いことでもな」

「お前は閃けなかった。邪竜に頼って強くなろうとした。それもある種の閃きだが・・・お前自身の力じゃない」

魔力の塊は憎しみを叶斗に向け、ゆっくりと叶斗に近づく。

「俺は閃いたよ。これを終わらせる方法」

叶斗は逃げようとせず、全く抵抗せずに魔力の塊を見ていた。

「さよなら。龍々谷叶斗。地獄で・・・・・・」

後ろで起きたバクッという大きな音で察する。

「・・・・・・」

「グルルルルル・・・・・・」

「叶斗を喰ったら、叶斗の意識も、そりゃ出るわな」

「グルルルルル・・・・・・」

「・・・駄目だ。我慢出来ねぇ・・・」

謡真の目から涙が零れた。

「遊佐・・・結羽・・・友矢・・・・・・」

「月読命・・・・・・」

「ありがとう・・・・・・」

「アテナ・・・・・・アテナス・フェイ・・・」

謡真は泣きながらも笑い、上を向いた。

「・・・・・・大好き・・・・・・だよ・・・・・・」

謡真は右手を上に掲げ、見える太陽を握った。

そして、魔力の塊は大きく口を開けた。

「本当にありがとう・・・本当にごめん・・・・・・」





「さよなら────」

魔力の塊の大きな口は、閉じていた。

次回、いよいよ東方真遊結、最終回+エピローグとなります!

今まで見ていただき、本当にありがとうございました!

是非前作から続けてみてもらいたいです・・・・・・

最後も、是非読んで下さい!

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