8話
ただいま、俺の仮拠点。
ポーション屋に聞いたら魔法の取得で作れるらしい。
薬草と聖水を入れるための丸瓶と、魔力の清水を買ってきた。
清らかな水の上位互換が聖なる水なんだとか。
とりあえず材料を瓶に入れて混ぜ混ぜしてって作業を何十回と繰り返せばスキルを取得できるって言ってた。
てことで瓶に薬草と魔力の清水を入れて、ガッシャガッシャ振ってみること十数秒。
【―――スキル 調合を取得しました。】
え、早い。
謎の声と一緒にシュン、と光が出て瓶の中身が変わった。
薬草が無くなって淡い新緑色の透明な液体が出来た。
これなんだろ。
【―――<女神の息吹>傷を癒し、異常状態を解除できる回復薬。効果が上昇するにつれて僅かな光を放つようになります。】
ナイスタイミング、謎の声。
異常状態解除か。
よしケラン、これ飲んでみろ。
・・・ケランの口ってどこにあんの?
俺の疑問をよそに、1つにまとまったケランはコップに注いだ回復薬の中にポチャンと飛び込んだ。
じわーりじわーりと液体が減っていき、全部無くなった頃には。
なんとケランが微妙に薄緑色になっていた。
いや、毛が緑になったんじゃなくて、発光色が緑っぽくなっただけなんだけど。
なんか猫を水に落としちゃったくらい申し訳ない気分になるわ。
拭こうと思って持ち上げたら濡れてないし、ふわふわしてるし。
これ大丈夫かな。
【―――聖獣ケランに異常はありません。ケランが回復薬によりスキル 治癒を取得しました。】
あ?
薬飲ませるとスキル取得するの?
じゃぁこの色はスキルの色?
・・・俺は温かいのがいいんだ、治癒はいいから温かくなってくれ。
ぽわん、と手の中のケランが浮き、光が元の白っぽい色に戻った。
心を読むなんてお前は天才か。
えーっと、金貨はいっぱいあるから明日色々買いに行こう。
まず装備だよな。
炎鳥装備消えちゃったしな、それにいつまでもこんな格好じゃ防御力が心配だし。
やっぱかっちょいい装備欲しいよな。
防御力の高いのも欲しいけどかっこいいの欲しい。
あとは弓とか必要だよな。
狩りが出来るようにならないと多分レベル上がらないだろうしさ。
なにより燻製肉作れるようになりたい。
魔獣の燻製はまだ沢山あるんだけどさ、あれすっげぇ美味いんだよ。
自分で作れば安上がりだし売ればお金になる。
お金貯めて弱体魔法外すための回復薬開発して魔法書の解読を進める。
うん、これなら解読も上手くいけるかもな。