5話
早朝から俺は一人で朝市に出かけていた。
一人、と言うか一人と一匹だな。
朝市は想像以上に賑わっている。
もっと正確に言うなら人の波がうねって騒々しさ倍増だ。
所謂冒険者って感じから兵士みたいな格好、平民みたいの等いろんな人が片手に食べ物を持って屋台を冷かしている。
すっげぇうまそうな匂いがしてて俺の腹がやばい。
とか言いつつ既に片手に柔らかいパンに肉を挟んだものを持ち、それをもぐもぐとやりながら屋台を覗いていく。
野菜や生肉やパンなどが多いが、冒険に使えそうなアイテムもいっぱい売っていた。
ただ、何に使うかよく分からないから薬草などは見た目を覚えるだけにしておいた。
下手に買って嵩張ってもしょうがないしな。
食い物ばかり買い食いしていた俺だが、ちゃんと冒険に必要な物はしっかり買っている。
普通のナイフ2本、魔鉱石のナイフが1本、竜鱗のネックレス、魔獣の燻製肉、炎鳥の羽で作られた毛布、同じく炎鳥の羽で作られた装備1式。
何でそんなに沢山買えたか気になるだろう?
実はな、道端に落ちてる綺麗な石に光の加護を掛けたものを屋台で売ったら、金貨がどっさり入った袋を貰ったんだ。
旅のお守りとして凄く重宝されるって話だから、また綺麗な石を見つけたら魔法を掛けて売っておこう。
ナイフを買ったのは薬草採取とか魚捌いたりとか色々するにはちゃんとしたナイフを持っているといい、って冒険者のおっちゃんに教えられたからだ。
そのおっちゃんは綺麗な石もといお守りを欲しがってたから、全力で魔法を掛けた石をあげた。
そしたらさっきの助言とナイトメアの蹄から作られたバングルをくれた。
真っ黒くて凄くかっこいい。
魔力を上昇させてくれるらしいけど、謎の声曰く弱体化のせいで効果がないらしい。
残念だ。
魔鉱石のナイフと竜鱗のネックレスはかっこいいから買った。
後悔などしていない。
魔獣の燻製肉は燻製の中で一番美味しかったから買い占めた。
ウエストポーチが際限なく入るから店の人も喜んでいっぱい売ってくれたよ。
あんなに美味いのに買い占めても金貨がほとんど減らなかった。
買う人少ないのかな。
そして一番高かくてかっこよかった装備は身につけたらシュン、と言って消えてしまった。
何が起きたのか全く理解できなくて呆然としていたら、店主が慌てまくって謝ってきた。
こういった品物は、よく偽物が出回るらしく店主も俺も引っかかってしまったらしい。
お金を返そうとしてくる店主を押しとどめ―――そんなことしたら店が潰れると思うから―――宥めておいた。
落ち着いた店主は店の奥に飾ってあった半透明の真紅の剣をくれた。
装備一式の値段の大体半分くらいらしいけど、かっこいいから買ってしまった。
ちなみにお金を払うときにもサービスだと言う店主と金はしっかり払いたい俺とで騒動があった。
結局近くで見ていた冒険者が半分払えば良いだろ、と言ったのでそうした。
・・・なんでその話が短いのかって?
だってその後部屋で二度寝したからよく覚えてないんだよ。
とにかく、その店主―――ドルトスと握手を交わして俺は部屋に帰ったんだ。
朝は暗いうちから起きて朝市に行くといいことあるぜ。
そういえば謎の声がなんか言っていた気もするけど、周囲が煩すぎて何も聞いてなかったわ。
まぁ、どうせ弱体化してるから効果が半減しますよ~とかそんな感じだろう。
見てろよ、いつか必ず魔法書を解読して弱体化を解除するからな!
【―――レジェンド装備を適応しました。
スキル 魔焔鳥の爪を取得しました。
スキル 魔焔鳥の炎を取得しました。
セット効果により特殊スキル 蘇魂を取得しました。
セット効果により称号 魔物の主の効果が上昇します。
セット効果により炎属性を取得しました。
スキル 叡智がLv2になりました。】