26話
無いものは無いでしょうがない。
俺の属性が炎だから炎の槍でも作ってみるか。
「えー・・・المشتعلة الرمح」
ボッと炎が宙に舞って、1mほどの大きさの槍が現れた。
真っ赤で炎のエフェクトも相まってすげぇかっこいい。
これ家に飾りたい。
燃えそうだけど明かり代わりにしたいな。
というかランタンみたく家のオブジェにしたいよな。
今度燃えないようなもの作ってみないと。
まぁそれは後でいいとして。
これを敵の所まで飛ばしたい。
左手側の奥の方に1体いるからそっちに向かって手を振ってみる。
・・・なにも起きない。
まあな、これで何か起きる訳ないよな。
多分なにか魔法詠唱あるだろこれ。
位置指定って言う魔法ならあるけど・・・。
詠唱が書いてない。
説明に『敵の位置を明確に思い描いて、魔法がどう流れてどこに作用するのかまで思考しなければならない』みたいなことが書いてあるだけ。
2、3種類の字でそれは難しいだの誤爆するだの色々書かれてるし。
でもこれ、マッピングと周囲探知を使えばいけそう。
ていうか敵の方向に投げりゃいいんじゃねぇのか?
幸い槍も熱くなさそうだし、ものは試しで。
空中でぴたりと停止していた槍を握り、左のデスクーリアーのほうに向ける。
後ろに引いて――全力で投げ飛ばす!
ぶぉん!という音と共に木々の向こうに飛んでいった槍は、しっかり俺の周囲探知に反応している。
そして勢いよく敵の傍を通り過ぎた。
・・・あれ、刺さらない?
―――ドォォンッ
「うわぁっ!?」
爆発するのかよ!
森、森が燃える!!
ななな、ナーリアさんヘルプっ!
『―――火はもう消しましたわ。槍以外どこも燃えておりません。』
さすがナーリアさん、お仕事が早い。
爆発地点に行ってみると色々と悲惨なことになっていた。
まずデスクーリアー。
身体から赤い宝石みたいなのが飛び出してる。
多分至近距離で槍の爆発を受けちまったんだろうなぁ・・・。
次に周りの樹。
こっちも拳大から小指くらいの大きさの赤い宝石が刺さっていた。
ティルさん曰く樹の栄養になるからそのままでいいらしい。
これ炎の槍だったものだぞ、大丈夫かよ。
それと周りの草。
なんか全体的に赤黒い。
樹の根元とかもところどころ赤黒い。
多分槍と血とかな気がする。
これも栄養になるとかで放置。
絶対食人草とかになる気しかしない。
しかし、これ強いな。
半径5m圏内が赤くなってしまったけどデスクーリアー狩りに丁度いいかもしれない。
家の周りに置いておいて、踏んだら爆発するようにしよう。
・・・栄養になるみたいだし大丈夫だろう!
久しぶりの投稿になってしまいました。
大分お仕事が落ち着いてきたので徐々に更新回数を戻していきます。
それと話が遅々として進まないので何日後などの表記でじゃんじゃん進めて威光と思います。