25話
いつの間にかかっこよくなっていた従魔たちに若干嫉妬を覚えつつ、更に森の奥へと進む。
だいぶマッピングとか周囲探知をし続けたお陰で、生き物の位置とか良く分かるようになってきたな。
これで効率よく狩りができるようになればいいんだけどなぁ。
なかなかそうもいかないし。
大体、俺遠距離攻撃なんて持っていないし。
【―――ギィ様が使われていた、魔槍を使用すればよろしいかと。】
あー。
そういえばそんなの貰ってたな。
魔槍生成だっけ?
適当にやってみればできるかな。
「ま、魔槍生成。」
なんにも起きないぞ。
・・・いや、待てよ。
なんかそれっぽい魔法あった気がする。
バラララ、と魔法書を捲ると、やっぱりあった。
属性魔槍という項目に光槍とか色々載っていた。
黒槍は詠唱が書いてないんだけど・・・あ、解読できなかったって書いてある。
ま、今回は闇属性相手だし光槍でいいはず。
「تسليط بيرس」
バシュゥッ!
「ふわぉ!?」
目の前の地面が一瞬で焼け焦げた。
これ槍じゃねぇよ、光線じゃねぇか!
しかもケランが使ってたやつだし。
説明説明・・・あった。
え~なになに?
『誤解されやすいのが光槍と黒槍の性質である。形を形成するのが難しく、光の一族は魔槍を扱うことができない程だと言う。その点闇の一族は魔槍を手足のように扱うから凄いものだ。これらを操るコツとしては一瞬で圧縮してさっさと敵に放つこと。どちらも圧縮させると非常に高威力となり扱いを誤ると最悪死に至る。死亡の主な原因は高圧魔力の逆流や魔槍の暴発などである。光槍の類似に光線となるものが存在するがこれは光の一族がよく使う魔法であり、正式な魔槍ではない。私は一度だけ本物の光槍を見たことがあるが、神々しさのあまりに胸を打たれるほどだった。だが姉はあの戦い以来一度も光槍を使ったことはなかった。なぜなら、あれは闇の一族が使っていいものではないからだ。―――ここまで視れた君はなかなかにすばらしい人材なんだろうな。お礼といっては難だが、これを詠唱してみて欲しい。最高の結果を君に送ろう。』
・・・空白に文字が浮き上がってきているのか。
藍色の僅かに光を帯びた文字が綺麗に空白に収まってる。
これ浮かび上がった文字は手記か何かかな。
俺が読めるなら誰でも読めそうなもんだけどな。
で?
これ詠めばいいのか?
「んーと、إلى السحر تحليل」
シュン、と久しぶりに光が散った。
なになに、ティルさん今の何ですか。
【―――解析というスキルですが、魔法の解析が可能な魔法のようです。ギィ様の血縁・・・確か妹様が魔族用に作られた魔法です。鑑定は光の一族が開発したとか。】
古の一族パネェな。
何はともあれ、便利なものをありがとう。
光槍を作る魔法とかが欲しかったんだけどね。