24話
体力も魔力もばっちしなので再度狩りに出かけることにした。
進化までレベルがあと9もあるからデスクーリアーをせっせと倒さないと。
暗い淀みとかを適当に切ったりしていれば何個かは奴らに当たりそうだけどな。
もちろん強くなるまで属性強化は使わないよ。
危ないし。
柔らかな光に包まれた森をうろうろとしながらこの森の住人たちを眺める。
皆隠れて俺を見ているようだが、敵対しているわけではなさそうなので放っておく。
それにしてもなんか皆白っぽいんだよなぁ。
比較的俺の近くにいる大きい蜘蛛も黒というかくすんだ灰色みたいな色をしてる。
お前らそんな色でよく生きてきたな。
デスクーリアーに喰われちゃうぞ?
ちょいちょい怪我してる者が見えたのでついでに治療しておくことにした。
俺、この森の居候だから出来る限り手助けしないと怒られそうだ。
探知系統に引っ掛かる全ての生物に均等に魔力を注いでいく。
アラウ曰く強い者の魔力はそれだけでバフ効果が生まれるらしい。
俺の場合だと再生の種族とか呼ばれる分類だから治癒能力の上昇とかなんだって。
ちょっとでも役に立てるといいな。
【―――ディルカ様、ニアンとケランが帰還しました。】
おお、ちょうどいいや。
鑑定してどのくらい能力増えたか見せてもらおっか。
森の奥からゆったりと歩いてきたのは、半透明の金の角を持った白銀の牡鹿と金色の眼の漆黒の狼だった。
何お前ら、すっげぇかっこいいじゃねぇかよ。
うらやましくなんかないからな!?
確かニアンが鹿だったっけ。
ニアンの足元にケランが寄り添っているのがなんとも微笑ましい。
ケランの頭がちょうど俺の頭と同じ位置にあるけど。
「二人ともお疲れ。久しぶりだしちょっと鑑定させてくれないか?」
【―――是非に、との回答です。】
皆が皆喋れるわけじゃないのか。
レベル上がったら皆で話ししような。
鑑定っとな。
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ケラン Lv13
主人:ディルカ
種族:ズオラトリ
区分:聖獣
属性:光
固有スキル:『治癒能力Lv8』
通常スキル:
『灯火Lv11』『治癒Lv12』『ダッシュLv9』
『頭突きLv5』『キックLv4』『警戒心Lv7』
『視覚上昇Lv3』『周囲感知Lv6』『聴力上昇Lv6』
『瞬発力Lv3』『危機感知Lv5』『速度上昇Lv2』
『マッピングLv4』
称号:
『祝福を受けし者Lv――(付与者:ディルカ)』
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ニアン Lv15
主人:ディルカ
種族:不明
区分:厄獣
属性:闇
固有スキル:『再生能力Lv2』
通常スキル:
『星明LvMAX』『吸収LvMAX』『捕食Lv2』
『ダッシュLv10』『瞬発力Lv8』『警戒心Lv7』
『視覚上昇Lv3』『周囲感知Lv6』『嗅覚上昇Lv9』
『聴力上昇Lv3』『危機感知Lv6』『速度上昇Lv5』
『マッピングLv2』
称号:
『祝福を受けし者Lv――(付与者:ディルカ)』
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・・・お前ら俺いなくても大丈夫だよな、絶対。
それにしても鹿と狼か。
ニアンが治療担当でケランが戦闘担当ってことだろうけど。
なんでニアンから経験値が来たんだ。
あと俺はお前たちに祝福を送った覚えはないぞ。
【―――ケランがニアンに経験値を贈った結果、ニアンがそのままディルカ様に贈呈したそうです。ちなみに祝福は気に入っている者に対して付与されることもあります。】
なるほどなるほど。
確かに俺こいつらのことなんだかんだ愛着あるし。
ケセランパセランのままでも良かったんだけどなぁ。
「ニアン、お前はケランの気遣い受け取ってやれよ。お前の方がレベル低いからニアンが経験値くれたんだろう?」
そう言ってやると、ニアンがケランの方を向いて首を傾げた。
多分『そうなの?』って言ってるんだろ。
ケランはニアンをちらりと見上げるとこくりとうなずいた。
多分『やっと気づいたのか』とか言ってそう。
それからケランは俺の方を向いて頭を下げ、森の奥へ去って行ってしまった。
これは多分『それでは失礼いたします』みたいな感じだろう。
ニアンも同じようにしてケランの後を追いかけて森に消えていった。
何だよお前ら、かっこよすぎだろ。
最近狼の夢を良く見ます。
転生シリーズの世界ではないのですがそのうち書きたいです。
ただ、魔王側近とかだと有名どころがガツガツ被るので書きにくいです。
なのでまた魔王になるとかそんなのになっちゃいそうです。
あと男装騎士と王女のお話も書きたいですね。
そんな感じで書きたいものが多すぎて悶々としていますが、このお話を完結させてから考えます。
多分他を書きたいがためにこのお話がちょっと短くなる可能性も否めません。
そのときはおまけとか色々書きますので許してください。




