22話
次に見つけたのはひょろ長いデスクーリアーだった。
妙にスタイルの良いそいつは、長い腕を揺らしてのそのそと移動していた。
足音を立てないようにそぉっと走り出す。
バレて反撃されたら嫌だからな。
と思いつつ全速力までスピードが乗ったので、試しにデスクーリアーの前に躍り出てみた。
理由?
どんな反応するか見たかったんだ!
デスクーリアーの真正面に飛び出すと、奴は動きを止めてこっちを見上げてきた。
「は?」とでも思ってそうななんとも人間じみた間抜けな顔に、容赦なく蹴りをかましてやる。
バゴッという音がして見事に吹っ飛んでいったデスクーリアー。
あれ、反撃も防御もしないの?
なんとなく釈然としないながらも、俺は次の獲物を探して森の奥へと潜っていった。
後ろの方で黒い人影が起き上がったことに気がつかないまま。
***
3体目だか4体目だか分からない頭部を破壊した所で、俺はようやく人間の姿に戻った。
誰だキックが楽だとか思った奴。
すげー大変じゃねぇか。
あとデスクーリアーってめっちゃくちゃ足早いんだな。
避けられた挙句追っかけまわされた時にはマジで死ぬかと思った。
でもあいつが途中でずっこけてから、気がついたら居なかったから助かったけど。
人型って言うと変な感じするけど、やっぱりこっちの方が落ち着く。
ポシェットの中から焔蝕剣を引っ張り出して鞘から出しておく。
いやだってさ、いちいち鞘から出すのって面倒じゃない?
しかも血が付いたまんま入れたら鞘汚れるし。
ってことで今度は剣持ったまま森の中を走り回ります。
完全に不審者だよなこれ。
まぁ大丈夫だろう。
だっておまわりさんいないし。
・・・あ。
『ギュ?――――ギュァァァァァッ!?』
経験値発見!
しかも多分さっきずっこけた奴だと思う。
鼻らしきとこから血が出てるし。
俺の顔を見るなり逃げ出したそいつを全力疾走で追いかける。
やっぱ鳥の姿に比べると若干遅いんだな。
それでもあれから疾走のレベル上がったし追いつけなくもない。
「まてこらぁぁぁぁぁ!!」
『ギュルァァァァっ』
剣を逆手に持って逃げるデスクーリアーを追っかける。
よくもさっきは俺を追い掛け回してくれたなこの野郎。
全力で相手させてもらうからな!
鳥の姿だったらキックの射程圏内に当たる範囲まで追い付いた。
まだまだ逃げるデスクーリアーをしっかりと見据えたまま、剣をしっかり持ち直す。
「هنا اللهب قوة!」
炎が増した剣を、勢いをそのままに思いっきり振り下ろす。
ぐぉん!と迸った半月型の炎が一瞬でデスクーリアーを消し飛ばしたのを最後に、俺の意識がとんだ。
【―――魔力枯渇により生体機能が低下しました。これより魔力回復および増幅処置を――】
会社が繁忙期の真っ只中です。
私の想像も繁忙期なのでメモもできずに悶々とする毎日です。
想像したことをメモってくれるアイテム欲しい・・・。




