18話
ということで、いつもお世話になっている叡智さんに名前をつけることにしました。
ミカエルとかかっこいいよね。
でも叡智と言えばソフィアだよな。
だからといって捻らないのもなぁ。
あ、そうだ。
叡智さんなりたいものとかある?
【―――なりたいもの、ですか。】
・・・しゃ、しゃべったっ!
最近喋り方が人間みたいになってきたとは思ったけど!
普通に喋ってくれるなんて思ってなかったし。
【―――・・・わたくし、は。】
一人称、私なのか。
【―――私は、鳥になりとうございます。】
鳥?
なんでまた。
人間とかじゃないんだな。
【―――私はあの人のように空を飛んでみたかったのです。】
なるほどね。
叡智さん、もしかして人間だったとかそんな感じなのかな。
でもまぁ。
叡智さん、いい名前浮かんだよ。
【―――名を私に?】
うんうん。
あっ、もしかして名前あったりするの?
【―――シーファと、そうギィ様に呼ばれていた頃はあります。ギィ様と離れてからは名を呼ばれたことはありません。】
ギィ様って、さっき言ってたあの人のこと?
【―――いいえ。アラウと名乗っていた、あの少女です。】
・・・なんだって?
どっちが本名なのさ。
【―――アラウ=ギィ=クリムゾンが彼女の真名です。アラウが名前、クリムゾンは彼女の目の色、ギィは王族が必ず真名に入れる称号です。】
とりあえず凄いんだな。
でも思い入れがあるならその名前も合わせてさ。
ティル=シーファってどう?
前に魔法書を見てたら知識の女神ってとこにティルってあったからさ。
意味も全てを知る者だからちょうどいいと思ったんだけど。
【―――ティル=シーファ・・・主よ、感謝いたします。】
お、おお、大丈夫か、声震えて・・・。
―――叡智の女神シーファ。新たな焔帝と共に、世界の均衡を守りなさい。
ん?
どちら様?
【―――創世神の双子の娘であり、この世界を作った姉神アルディナ様。闇の一族を作り出した方です。】
叡智、じゃないティルは色々とやばい人と知り合いなんだな・・・。
あ、焔帝って何。
【―――このまま変異進化し続けた場合、ディルカ様の傾向から称号 焔帝を取得すると思われるので、恐らくそのことだと思われます。】
ティルにもよく分からないことってあるんだな。
そうそう、様いらないからね。
それと。
何がなんだか、俺、全く理解出来てないんだけど大丈夫なのかな。
説明回、みたいな感じになりました。
叡智さんに名前が付きましたが、それよりも主人公が置いていかれています。
ごめんね主人公、多分そのうちまた説明入るよきっと。




