12話
この鳥の姿でいいと思ったこと。
その一、飛べる。
その二、濡れても染みない。
その三、すぐ蒸発する。
その四。
すっげぇ足が速い。
***
ひゃっほぉぉぉぉぉっい!
「ひゅっぴぃぃぃぃぃっ!」
声に出すと変な声になるけど、気にしない。
だって俺は今最高に気分がいいから。
何が楽しいって、鳥の姿だとめっちゃくちゃ足が速いんだよ。
しかもな。
いつもと違う速度で走ったら木にぶつかりそうなもんなのに、ぶつからねぇんだよ。
なんていうかね、木の位置とか地面の位置とかが瞬間的というか本能的に分かるっていう感じ。
はっきり分からないけどマッピングのせいなのかなぁ。
何はともあれアンカーナ素晴らしい。
【―――スキル ダッシュのレベルが最大になりました。】
おっ、マジか。
じゃぁ今度は飛ぶ練習を―――
【―――条件を満たした為派生スキルを取得しました。
スキル 疾走を取得しました。
スキル ダッシュのレベル上限が開放されました。
レベルが13になりました。
従魔から経験値が贈呈されました。
レベルが15になりました。
レベル上限に達したため、進化が可能です。】
ちょっ、ちょっとついていけてないんだけど。
まぁいいや、ちょうど家に着いたし、とりあえず進化しとこう。
叡智さん、お願いします。
あ、通常進化いりません。
【変異進化:赤飛蝶
ローレラー
ペルキュエ
ノイルケ
不死鳥】
・・・赤飛蝶ってどっかで聞いたことあるんだけど。
もしかしてしなくても矢の羽根についてるやつな気がする。
叡智さん、ローレラーとペルキュエとノイルケの説明お願いします。
【―――ローレラー:小型魔鳥の中で最も足の早い下級魔鳥。
足が太く、兄弟種の中で最も握力が強い。
スキル 俊足とキックのレベル上限が解放される。
攻撃力が上昇する。
ペルキュエ:小型魔鳥の中で最も飛行速度の速い下級魔鳥。
スキル 飛行とのレベル上限が開放される。
スキル 技巧飛行を取得する。
攻撃力が上昇する。
ノイルケ:小型魔鳥の中で唯一夜に活動する下級魔鳥。
スキル 滑空のレベル上限が開放される。
スキル 暗視を取得する。
攻撃力が上昇する。】
まさか三つとも同種から派生したのか?
どれもこれも微妙だよなぁ・・・。
とはいえ狩られる側の赤飛鳥にはなりたくないし。
かと言って不死鳥になったら進化先制限されそう、というかどん詰まりになりそうだし。
足の速さか。
でも派生スキル出たし、これはレベル上げていけばどうにかなりそうだよな。
ていうか小型魔鳥の中ではって意味だしさ。
飛行速度も同じだよな。
多分飛行のレベルを最大にしたら技巧飛行出てくるんだろ。
しかしなぜ曲芸飛行じゃないのか。
消去法で行くとノイルケか。
まぁ、夜活動出来るってことは活動範囲が広がるってことだし、これでいいか。
ちなみにレベル上限は?
【―――アンカーナの種族効果により、レベル上限が10下がります。
ノイルケに進化した場合、レベル上限は30になります。】
・・・マジか。
俺、アンカーナに進化しておいてよかったわ。
【―――通常進化をしますか?】
しません、やめてください。
ノイルケに進化するんで変異進化にしてください。
【―――ノイルケに進化します。】
家じゃないけど、まぁ、世界樹の母の根元だからな。
別に襲われはしないだろう。
ではおやすみ。
主人公がフラグを立てましたね。
ということで次回から夜戦、とまでは行きませんが敵とエンカウントし始めます。
戦闘シーンとかはさらっと流してしまうかもしれませんが、いつまでも従魔の経験値に頼ってばかりではいられませんから。
さくさく戦ってさくさくレベルを上げてもらいます。
一番最初にエンカウントするのは例のあの子です。
3.11 その4吹っ飛ばしてその5になっていたので訂正しました。
思わず二度見した。