7話
太陽は・・・まだ真上じゃねぇな。
だったら寝床のまわりをどうにかしようか。
床もふかふかにしたいけど、まずは天井作らねぇと雨でびっしょびしょになっちまうし。
蔓と木の枝とでっかい葉っぱが必要か。
でもあんまり葉っぱで覆うと逆に目立つよな。
周りに同化する素材でも探そう。
***
燻製を齧りつつ探索すること多分1時間くらい。
蔓と木の枝と風の息吹がいっぱい集まってきた所で、レイディナの樹の近くに小さな泉を発見した。
これで水を探し回る必要がなくなったぜ。
・・・実は発見するまで忘れてたんだけどな。
泉は15歩くらいで一周できるというかなり小さいものだった。
ただ湧き続けているので涸れる心配はなさそうだ。
川が流れている形跡もないから、もしかしたら湧いた量と同じ量が地面に浸みてるのかな。
掬って飲んでみるとほわっと空気が膨張した気がした。
え、何!?
叡智さんこの泉になんか効果あんの?
俺変なの飲んでないよね。
【―――魔力の泉:魔力の清水を湧き出す泉。魔力を回復させる効果があり、純度が高いとレベルが上がる場合もある。総じて飲み続けると魔力の上限が徐々に上がっていくが、欲を抱くと翌日には涸れてしまう。】
へー、魔力上がるのか。
でもまぁ、魔法使ってても魔力無くなった事ないし、普通に飲み水として使わせてもらおうかな。
周りの枯草とかは一応退かしとこう。
いくら湧水とはいえ腐ったら飲めないし。
毎日使わせてもらうから綺麗にさせてもらおう。
枯葉や腐りかけた葉枝を取り除き、浮いていた葉っぱも綺麗にした後。
水面が何やら不自然に揺れ始めた。
なんですか長髪の白装束の女の人なんて出ないで下さいよお願いしますよ木の枝ぶつけんぞこの野郎。
【―――魔力の泉がお礼に防水膜をくれるそうです。】
あ、そうなの?
防水膜ってことは屋根に使えんじゃん!
ありがとう魔力の泉。
お礼に後で名前考えとくわ。
ゆらりゆらりと揺れていた水面が収まると、透明な膜のようなものがある、気がする。
試しに水面を突いてみると確かにぽよんぽよんとした感触が返ってきた。
端っこがどこか分からないので皺を寄せて摘みあげて回収する。
水が流れ落ちているような、プールの底に移った水面の光のような、そんな不思議な模様がうっすらと入っている。
これ普通に足りなくないか?
【―――屋根の上に乗っけると端まで広がって床の辺りまで垂れて来るそうです。拡張する時は気にせずに屋根を作ってしまえば勝手に広がるそうですよ。】
おお、優秀な代物をGETしてしまった。
これからここ使う時にはちゃんと掃除して綺麗にしてあげよう。
次来る時までに名前考えとくから、待っててくれ。
こうして俺は、防水膜を手に意気揚々と帰宅した。
3月になったらタイトルを変更しようと思います。
検索かけたら似たようなタイトルいっぱいだったのでちょっと申し訳なく思い。
新タイトルの発表はタイトル更新の前日に活動報告でいたします。




