3話
悲報再び。
俺のニアンが厄獣だった。
叡智さん、これについてどう思いますか。
【―――厄獣:災厄を齎す魔獣の中でもっとも被害が少ないとされる魔獣。その大抵が子供や力の弱い魔獣である。進化していくと災厄獣となり、稀に禍殃獣にまで進化する個体もある。】
つまりやばいよってことですね、分かりました。
でもな、黒いだけで悪そうな見た目じゃないんだよな。
ニアン、お前何に進化するつもりなんだ?
・・・進化?
えっ、マジか進化あるのか!!
よっしゃ、たった今俺の将来の目標決まったぞ。
俺ドラゴンになってやるからな!
【―――現在、進化先に竜種はありません。
スキル 好奇心を取得しました。
レベルが4から5になりました。】
はい、ごめんなさい。
鳥はドラゴンにはなれませんね。
あとスキルありがとう。
どっちにしろ進化するならレベルを上げなきゃいけないんだよな。
常時発動できるスキルは発動しながら探索するか。
とりあえず、鑑定とマッピングと集中と、周囲感知と視力聴力と、えー、警戒心と影足と。
・・・まぁいいや、とりあえずこれだけ発動しておこう。
多少の頭痛は無視だ。
太い木の枝はだいぶ集まったけど細い木の枝が足りなさそうだな。
それに木の葉と寝床に敷くふわふわしたものないかな。
あ、蔓あった、これもらおう。
大木から垂れ下がった蔓をいくつか引きずり下ろし、ぐるりと丸めてポシェットに押し込む。
上を見回すと結構な数の蔓が垂れているのが見える。
なので手が届く物を片っ端から回収していく。
なんでかって?
寝床だけじゃなくて家を作りたいんだ!
何本目かの蔓を丸めてポシェットに入れ終わり、木の枝や地面をよく見ながら葉っぱを集めていく。
この葉っぱで蔓の間を埋めるんだ。
そうすれば寒くないだろうし、寝床を椀型にすれば多少ふかふかするかもしれないし。
袋がないのでポシェットに無造作に放り込みながら周囲を見回す。
・・・なんだあのふわふわした白いの。
【―――風の息吹:ふわふわとした綿毛。希少ではあるが鳥の巣などで多く見られ、吸収する魔力に応じて成長していく。非常に甘く、これを食べて成長する種族も多い。】
ふかふかベッド確定しました。
これいっぱい持ってこう。
もちろんちょっと残していくよ。
魔力があれば成長するらしいしね。




