2話
気がついたら夜だった。
周りは真っ暗、だけどレイディナの樹が発光しているから怖いってほどでもない。
鑑定の力やべぇな。
・・・これって周りの物も鑑定できるのか?
【―――大木】
あっはい。
じゃぁこれは?
【―――木の枝】
これは?
【―――木の葉】
こっちは?
【―――???の魂】
ほぉほぉ・・・ほぉ?
なんだって?
これなに?
【―――???の魂】
魂!?
ぽいっと投げそうになった物を持ち直し、まじまじと見てみる。
親指の長さくらいで、半透明丸いクロムグリーンの石。
動かすと中にきらりきらりと光るものが見える。
・・・これって、俺のピアスと色が違うだけじゃないか?
ウエストポーチを漁り、少し削られた黒い塊を出す。
これ何。
【―――デスクーリアーの魂】
あいつデスクーリアーって言ったのか。
こっちの緑色のやつ名前わからねぇな。
分からないっていえば、俺の名前消えてたよな。
叡智さん、どうにかできないの?
【―――自分に対する名付けは無効です。】
あ、やっぱりダメなんだな。
でも名前ないって言うのはちょっとなぁ・・・。
【―――スキル 干渉を獲得しました。名付けが有効になります。】
・・・さすが叡智さん。
でも俺スキル取れるようなこと何もしてないけど大丈夫なのか。
まぁいいか。
名前・・・神埼剣人ってのはなぁ、他の勇者たちにすぐバレちゃうだろうし。
炎の復讐者!
って嘘だからね!?
叡智さんまだ名付けしないでね!?
―――よし、俺の名前は守られた。
【―――روحه في الحقيقة اسم كتابة آلهة،】
ちょぉぉぉっとまてぇぇぇぇ!
まって、叡智さん待って!
まさか俺に名前付けちゃった!?
炎の復讐者とか付けたのっ?
【―――鑑定しますか?】
するする!
いや名前のところだけ。
他いらない、頭痛くなりたくないから。
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ディルカ Lv4
種族:魔焔鳥
区分:魔獣
属性:炎
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お・・・おおお!
叡智さんさすが!
かっこいい名前付けてくれたぜ!
これなら勇者たちにバレないし魔物でも違和感ないな。
ありがとうな、叡智さん。
そうだ、試しにニアンを鑑定してみよう。
主人の所がちゃんと変わってるか確認しないとな。
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ニアン Lv7
主人:ディルカ
種族:不明
区分:厄獣
属性:闇
スキル:
『星明Lv3』
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おー、ちゃんと名前入ってる。
しかも意外とレベル上がってるんだな。
でもさ、一つ訊いてもいいかい?
お前、なんで区分が厄獣なの!?
詠唱にルビを振るので20分もかかってしまったのは内緒。




