1話
とは言ったものの、街はおろか建物も人っ子一人すらいない。
世界樹の母とはいえここで独りいるのは寂しいだろうな。
・・・いや、今は俺がいるじゃないか。
よっし、決めた。
俺今からここに住む。
***
世界樹の母―――レイディナの樹と呼ぼうか、天を支えているかのような巨大な樹冠とマラソンが出来そうなほど太い幹をしたこの樹。
神聖そうだし傷をつけるのはちょっと憚れる。
なので、ひとまず一番低いところに垂れている枝に寝床を作ろうかと思う。
大木がたくさん並んだ森を枝を集めながら探索する。
マッピングをもう一度取得したいから道を覚えながらレイディナの樹の周りを移動しているんだけど。
なんていうか太い枝がいっぱい落ちてるのに、木には折れた跡がないんだよな。
世界樹の近くだから傷が治るのかもしれないよな。
木の実もいっぱい生ってるから食料には困らな―――。
【―――スキル マッピングのレベルが2になりました。
スキル 集中のレベルが2になりました。
スキル 周囲感知のレベルが2になりました。
レベルが1から3になりました。】
え?
スキル生きてんの!?
あとめっちゃレベル上がるじゃねぇか!
じゃぁ鑑定してみる?
ケラン・・・よしよし、生きてたか。
じぃっとケランを眺めてみる。
顔とか足とかはないな。
毛は長めだけど、発行してるから根元が見えないな。
【―――スキル 鑑定のレベルが3になりました。
生物を鑑定可能になりました。】
レベルによって出来るもの変わってくるのか。
じゃぁ、ケランのレベルとか能力って分かるってことか。
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ケラン Lv9
主人:???
種族:不明
区分:聖獣
属性:光
スキル:
『灯火Lv9』『治癒Lv1』
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おおっ。
地味にレベル上がってんだな。
でもさ、主人がなんで読めないんだ?
召還したの俺なんだけど・・・もしかして。
叡智さん、俺自身鑑定できない?
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??? Lv3
種族:魔焔鳥
区分:魔獣
属性:炎
固有スキル:
『叡智Lv3』『古代語理解Lv2』『スルースキルLv1』
種族スキル:
『姿変えLv――』『蘇魂Lv――』
特殊スキル:
『鑑定Lv2』『マッピングLv2』『影足Lv1』『潜影Lv1』
能力スキル:
『忍耐力Lv2』『不屈の精神Lv――』『集中Lv2』『周囲感知Lv2』
『聴力上昇Lv1』『視覚上昇Lv1』『腕力上昇Lv1』『命中Lv1』
『打撃上昇Lv1』『瞬発力Lv1』『ダッシュLv1』『思考Lv1』
通常スキル:
『パルクールLv2』『採取Lv1』『調合Lv1』『警戒心Lv1』
『食欲Lv1』『口笛Lv1』『指笛Lv1』
称号:
『魔物の主Lv2』『影人Lv1』『狩人Lv1』『探求者Lv1』
『蘇りし者Lv――』
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いっ、いてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
頭がっ!
頭痛で頭割れるっ。
じょ、情報多い・・・!
【―――スキル 鑑定のレベルが4になりました。
スキル 集中のレベルが5になりました。
スキル 忍耐力のレベルが5になりました。
スキル 思考のレベルが3になりました。
スキル 苦痛耐性を取得しました。
称号 探求者の効果によりレベルが3から4になりました。】
叡智さん、容赦ねぇっす。
一気に押し寄せた情報による頭痛に被せるように響く叡智の声に、一瞬で俺の視界はブラックアウトした。
自分の情報は鑑定しちゃだめだ。
レベル上がるけど危ないわ。
ステータス閲覧、これ書くのも面倒ですが実際低レベルでこんなの見たら頭痛どころじゃすまないような気がするんですよね。
ちなみにレベルがほいほい上がったのはそれだけキツイということです。
あとは最初の主人公が変だっただけです。




