19話
人生初のダンジョン。
森とは反対側の遺跡らしき所なんだけど、遠足みたいにわくわくする。
多分わくわくしてるの、俺だけなんだけど。
亮と昌は武器を手にゴソゴソ沸いてくるアンデットとかヘドロみたいのを倒しながら道を開けてくれてる。
美緒は二人に加護を掛けながら取りこぼしを魔法でつぶしてる。
ちなみに俺は目的地まで魔力温存のために何もしなくていいって言われている。
申し訳ないとは思うけど、ありがたくそうさせてもらってる。
それよりね、後ろから見ててホント思う事がある。
皆強くね?
なんだよあれ、2mくらいあるアンデッドの頭がボールみたいに飛んでくんだけど。
しかも昌のランス、ごつい鎧ごと中身を粉砕して貫通してる。
怖すぎんだろ。
あんなでかいのをなんで軽々振り回せるんだ?
腕ムキムキじゃないのにさ。
一番やばいって思うのが美緒の魔法。
普通に「炎よ!」って言うだけで敵が大炎上。
炎が消えた後に残るのは丸焦げの何かだけ。
この子可愛い見た目してヤバイわ。
怒らしちゃいけないやつだ。
そうこうしている間に遺跡の地下に行けるらしい階段を下り始めた。
だいぶ遺跡の奥に来たからこれは迷いそうだな。
さっきから道を覚えようとはしてるんだけど、マッピングスキルとかあんのかな。
あるならそろそろ来るよね、叡智さん?
【―――スキル マッピングを取得しました。】
さっすが。
分かってらっしゃるわ。
ここら辺からでも記憶出来るかな。
【―――弱体化のため、記憶範囲は50mとなっています。範囲外に外れたマップから消去します。】
マジかよ。
ここでも弱体化の影響が出てくるのか・・・。
でもまぁ、使ってればレベル上がるだろ。
そういえばフロア二つ分くらい降りてきたな。
同じ階段だからフロアで迷うことはなさそうだけど。
あ、敵がアンデットじゃない。
なんていうんだろ。
人間、ではない。
叡智さん、あれなんすか。
【―――鑑定結果:ゴーレム】
・・・・・・だけ!?
え、レベルとか能力とかないんですか!
【―――レベル不足により、鑑定不可能です。】
あっはい。
ごめんなさい。
「剣人く~ん、こっちだよ~。」
「今行きます!」
こんなところではぐれたら帰れる気がしない。
はぐれないようにしないと。
待ってくれてた3人の所に駆け寄ると、2mはありそうなでっかい扉が見えた。
両開き、観音開き、っていうのかな。
古びてる感じが凄くする。
ここに入るのか。




