17話
素材集めのために、やってきました森の中。
ちょうど美味い鳥、じゃない夜星鳥が居たので新しい魔法を試してみることにした。
悪く思わないでくれ、皆で美味しく食べるからさ。
魔法書をぺらりぺらりと捲る。
で、夜星鳥との距離を見る。
・・・10mくらい、なのかな、多分。
「えー、سبيرز الجليد」
ピキピキピキ、と音を立てて空中に氷の槍が出来上がっていく。
大体1mくらい。
これ、俺が想像したまんまに生成されるんだな。
なんていうかでかい爪楊枝じゃんか。
しかも飛んでいかないのか、何だよもう。
飛ばす魔法、飛ばす魔法・・・。
「あったあった。んーとねー、يطير?・・・あ。」
巨大な爪楊枝、もとい氷の槍がひゅ~んと弧を描いて夜星鳥の方に飛んでいった。
もちろん夜星鳥には刺さらずただ夜星鳥が超高速でどこかに走り去ってしまった。
逃げた方向に真っ直ぐ行けばどっかに居るらしいのでそちらに向かう。
真っ直ぐ飛ぶんじゃないのか。
飛ぶんじゃないならなんだろう。
突き刺さる、とか?
あ、いたいた。
「سبيرز الجليد」
ピキピキピキ、と槍が生成されていく。
今度は先端が刃物みたいにしてみた。
「―――――― بيرس」
ばすん!とすごい音がして夜星鳥に槍が突き刺さった。
と言うか串刺しになっちゃった、ごめん。
ドルトスに渡された防水の袋に夜星鳥を入れる。
確か氷竜の胃袋とか言ってたっけかな。
冷凍保存してくれるらしい、超優れもの。
次の獲物も――――――夜星鳥見っけ。
ぺらぺらと魔法書を捲る。
「ライトニングボルト。・・・あ、やっぱダメか。البرق الرمح」
見た目が完全に稲妻だが、帯電している槍ができた。
これ触っちゃいけないやつだ。
「بيرس」
閃光が奔ったかと思うと、体に開いた穴から煙を上げながら夜星鳥がぱたっと倒れた。
見てみると、蒸し鳥みたいになってた。
何これ怖い。
何はともあれ2羽目Get。
次は剣使ってみたいな。
焔蝕剣だっけか、なんか飛ばせるらしいんだよね。
と言うわけで次の獲物、夜星鳥。
すっげぇいっぱい居るんだよこいつら。
分からないながらも剣を構えてみる。
「هنا اللهب قوة」
刃の中から炎が漏れ出してきた。
これ大丈夫か?
暴走とかしないよな。
とりあえず暴走する前に、振る!
ボウッ!と熱風を顔に浴びたかと思うと、三日月型の赤い炎が夜星鳥の首を消し飛ばしたのが見えた。
文字通り、消し飛んだ。
これ、一番ヤバイ武器な気がしてきたぞ?