14話
今日も今日とてレベリング。
・・・そう、俺は今、レベリングをしている。
なぜかと言うと。
「剣人、お前レベル低すぎやしないか?」
そうシドスに言われたからだ。
上がり難いものだと思っていた俺は商人兄弟の話を聞いて愕然とした。
だって、子供でも一日でLv3になるらしい。
俺の場合、一日に1レベ上がるか上がらないか。
これは異様なことらしい。
現に他の勇者たちは既にLv30行っていたとシドスが言っていた。
一桁違うじゃねぇか!
そんなわけで、俺は商人兄弟の助言に従って森に来ていた。
まずは狩り、採取を出来るだけ多くこなす。
一般の人々はそうすることでほいほいレベルが上がる。
・・・が、俺は上がらなかった。
次にスキルや魔法など魔力を使うものを発動させ続ける。
戦えない聖職者や治療師はこれでレベルが上がるらしい。
しかしこれも効果がなかった。
なので、俺は一つ思いついた事をやってみることにした。
***
【―――スキル 口笛を取得しました。
スキル 指笛を取得しました。
スキル 瞬発力を取得しました。
スキル ダッシュを取得しました。
称号 探求者を取得しました。
スキル取得時、経験値ボーナスが追加されます。
称号取得によりスキル 鑑定のレベルが2になりました。】
思いついたこと。
それは出来るだけ多くのスキルを取得すること。
レベルが上がらないのであれば他の物で力を補わなければならない。
だからスキルを大量に取得することにした。
いつか俺の弱体化を解除することのできるスキルが現れるかもしれない。
しかも、よくスキルが取れる。
楽しすぎる。
そういえば、魔物召喚久しぶりにやってみるか。
ケラン一人じゃ可哀想だしな。
もしかしたらスキル貰えるかもしれないし。
「استدعاء شيطان」
・・・だけじゃ何も起こらない、んだよな。
ケランは光だし、闇のやつが欲しい。
「ركود الظلام」
【―――レベルが5になりました。】
ゆら、と、まるでそこだけ見えなくなったかのような錯覚が起きた。
瞬きをして見直すと、浮いていたケランの隣に同じ大きさの黒いケセランパセランが浮いている。
淀みとか言いながら若干碧く発光してんぞこいつ。
しかもふよふよと浮遊しながらケランとつつきあっている気がする。
まぁ、楽しそうならいいか。
名前は・・・ニアンでいいな。
「اسمك الحقيقيニアン」
よしよし、これでいいな。
レベルも1つ上がったし。
もうそろそろ日も暮れるだろうし、部屋に戻って寝るか。
あと大体6話です。
なにがとは言いませんが。




