表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新世紀の人類  作者: 宅配業者
【前編】
6/24

2-2

 1時間ほどトレーニングをしてシャワーを浴びたところで呼び鈴が鳴る。

 誰だろうと思いながらドアを開けると樹里だった。


「やあ、孝ちゃん、お隣さんの本間樹里だ。よろしく頼む。」


 俺の部屋の鍵は持っているはずなのにわざわざ呼び鈴を鳴らすというのは、どうしてもお隣さんごっこがしたいらしい。


「そうか。まあ、あがれよ。」

「何っ!?ちょっと挨拶に来ただけの隣人をいきなり部屋にあげるというのか君は!?」

「うるせえよ。」


 いつもは黙ってあがってくる癖に今日は何だ。


「あ、これお土産。」


 そう言って手渡されたものは、小さな箱に入ったトマト。


「お前これ大家さんにもらったやつだろ。」

「ではお言葉に甘えてあがらせてもらおう。」


 話を聞きやしねえ。


 ともかく、ソファに座って話しをすることとなる。


「で?何がどうしたんだ?」

「簡単な話だ。私が、引っ越してきた。」

「それは知ってる。その前だ。何で引越しなんか。」


 こいつの前家はアパートだったが、悪い家じゃなかったはずだ。探すのを手伝ったから間違いない。


「いやー、それがさー。前の家追い出されちゃって。」

「追い出されたって……なんでまた。」

「それでむかついたからアパート燃やしてやったわ。」

「いや、そうじゃなくて……おい今なんて言った?」

「やっちゃった。」

「アパートを?」

「燃やした。」

「アホか!!」


 ついさっき大家さんに聞いた話が脳裏をよぎる。「どうも近くのマンションで火事があったみたいですよ。岩崎さんも気をつけてくださいね。」

 とにかく今からでも様子を見に行かないといけない。

 俺は玄関へ向かったが、そこを樹里に呼び止められる。


「いやちょ、ちょっと待って!冗談よ、冗談。」

「……冗談?」

「そう、冗談。決まってるでしょ。いくら私でもアパートもやしたりはしないって。」

「いや、お前ならやりかねん。」


 冗談になってないんだよ。本当か嘘か分からないし、つまらないし。


「ちょっとはやろうかと思ったがな。まあなんとか我慢した。ほめていいぞ。」

「アホか。」


 ふーっと大きくため息をつく。

 そこでいつものように電話が鳴った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ