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『世界征服はちゅ〜るのあとで。〜転生に失敗した魔王(黒猫)はちゅ〜るに屈する〜』  作者: 今日も今日とて黒猫さん


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第5話:『猫カフェの支配者、エキゾチックな罠』

1. 新たなる拠地の影

「近頃、我がSNSのタイムラインに不穏な画像が流れてくる……。この街に、我をも凌ぐ『癒やしの魔力』を放つ拠点が築かれたようだ」


クロは、さくらの机に置かれたタブレットを操作しながら、苦々しく呟いた。


画面に映っているのは、先日オープンしたばかりの猫カフェ『パンデモニウム』。

そこには不穏なキャッチコピーが並んでいた。


『究極のブサかわ!』『鼻ペチャ王子に会える店』


「ヴァルザー様! まさか、我ら以外の魔族がこの地を先行投資していたと!?」


横で尻尾を激しく振るゼノン(ポメラニアン)が、ワンワンと鼻息を荒くする。


「ああ、間違いない。この、見る者を不安にさせつつも目が離せなくなる……この独特の『ブサ』の波動。覚えがあるぞ」



2. 鼻ペチャ王子の野望

二匹(一匹と一玉)は、偵察のために『パンデモニウム』へと潜入した。


ガラス張りの店内、特等席のシルクのクッションの上に鎮座していたのは……。

顔の真ん中にパーツがギュッと集まり、鼻が完全に埋没した「エキゾチックショートヘア」であった。


「フフフ……誰かと思えば、先代の闇の魔王、ヴァルザー父上ではありませんか」


「ベルゼ……! 第四王子のベルゼか! 貴様、その顔……。転生の衝撃で、正面から壁にでも激突したのか?」


ベルゼと呼ばれたその猫は、半開きの口から少しだけ舌を出しながら、不敵に笑った。


「失礼な。これは人間界では選ばれし者のみが持つ高貴な姿。私はこの店を拠点に、人間たちから『入店料』という名の軍資金と、『貢ぎ物』という名の労働力を提供させているのです。」


「SNSで『黒いたわし』扱いされている貴方とは格が違うのですよ」



3. 仁義なき「可愛さ」バトル

「おのれ、若造が! 我が真のカリスマを見せてくれる!」


クロは店の客である女子大生の前に立ち、第3話で鍛えた「邪気眼ポーズ」を披露した。


「見よ! この鋭い眼光! 闇に溶ける漆黒の……」


「きゃあ! あの黒猫ちゃん、必死にこっち見てて可愛い〜!」

「でも見て、こっちのベルゼちゃんの寝顔! 鼻がなくて呼吸の音が『スピースピー』って言ってる! 尊い……!」


客の視線は、一瞬でベルゼの「無防備なブサ寝顔」へと吸い寄せられた。


「な、なにィ……!? 我が研鑽を積んだポージングが、あのような『だらしない寝顔』に敗北したというのか……ッ!」


ゼノンも「我が主の加勢を!」とポメラニアン特有のステップを踏むが、「あ、あの白い子、犬じゃない? なんで猫カフェに?」と店員に不審な目で見られ、あえなく入り口まで押し戻された。



4. 聖女のブラッシング

そこへ、偶然立ち寄ったさくらが現れた。


「あ、クロちゃん! なんでこんなところにいるの?……って、わあぁ! 何この子! 顔が潰れてる! ぶちゃいく! 最高に可愛い!」


さくらはベルゼを抱き上げると、カバンから愛用の「高級スリッカーブラシ」を取り出した。


「鼻ペチャ王子か何だか知らんが、その娘を甘く見るな! 彼女は数々の魔族を堕落させてきた……」


クロの忠告も虚しく、ベルゼはさくらの超絶ブラッシング技術の前に、白目を剥いてとろけ始めた。


「……あ、あふぅ。……んん、そこ……そこが良いのです……。魔界の再興など……もう……どうでも……ゴロゴロゴロ……」


第四王子のプライドは、一瞬で塵となった。



5. 敗者なき同盟

数分後。


そこには、さくらの膝の上をベルゼに奪われ、隣でふてくされるクロと、さくらからおこぼれのおやつを貰って満足げなゼノンの姿があった。


「ベルゼよ。……この際だ、貴様の店と我がSNSを連携させようではないか。名付けて『闇のモフモフ連合』だ」


「……良いでしょう。父上のSNSの拡散力と、私の店舗での集金力。これがあれば、この街のちゅ〜る市場を独占できる……スピースピー」


遠くの席で、一般客を装ってコーヒーを飲んでいた勇者アレク(犬)が、新聞を読みながら(のフリをして)深く溜息をついた。


(また一人、有能な魔族が「女子高生のなでなで」によって陥落したか。この世界の平和は、案外彼女の腕にかかっているのかもしれん……)


こうして、猫カフェという名の拠点を手に入れたクロ様。


世界征服への野望は、もはや「ちゅ〜るの安定供給」へとすり替わりつつあった。




【次回予告】

魔界から、ついに本物の「刺客」が放たれた。

命を狙いに来た処刑人ガミジン。だが、奴の前に現れたのは、感情を持たぬ鋼鉄の円盤だった。

「吸われる……魂が吸い込まれるぅぅ!!」

処刑人のプライド vs 現代家電ルンバ。

――勝負の行方はいかに!?

次回:『魔界の刺客と、円盤型の魔導兵器』

お楽しみに!

ふん、最後まで読み進めた貴様を、我が軍の『読者フォロワー』に任命してやろう。

貴様の端末の下にある【★評価】と【ブックマーク】のボタンを押すが良い。

それは点数ではない。我が今夜、侍女さくらから「ちゅ〜る」を献上させるための『信仰心ポイント』だ!

★を五つ捧げ、我が覇道に貢献せよ。

決して、おやつが欲しいから媚びているわけではないぞ! クカカカ!

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