表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『世界征服はちゅ〜るのあとで。〜転生に失敗した魔王(黒猫)はちゅ〜るに屈する〜』  作者: 今日も今日とて黒猫さん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/27

第4話:『忠義の騎士は、白くて丸い』

1. 白い来訪者

「ふむ、今日のフォロワーの伸びは緩やかだな。やはり定期的に『あざとい動画』を投下せねばならんか……」


クロが縁側でスマホの画面(さくらの置き忘れ)を肉球で操作していた、その時。


庭の生垣を突き破り、真っ白でふわふわした「毛玉」が猛スピードで転がり込んできた。


「ハァッ、ハァッ……! 見つけた……ついに見つけたぞ! 我が魂の主、ヴァルザー様ぁーッ!!」


「……ぬおっ!? 何だ、この動く綿菓子は!」


クロが飛び上がると、その白い物体は二本足で立ち上がり(のつもり)、激しく尻尾を振った。


その振動で全身の毛が揺れ、もはや生き物というよりは、激しく振動するモップである。


「お忘れですか! 魔界騎士団長、ゼノンにございます! この屈辱的な『ポメラニアン』という肉体に転生してもなお、我が忠誠心は微塵も揺らぎませぬ!」



2. 暑苦しい忠誠心

「ゼノンか! 貴様、その……なんだ、その殺傷能力の欠片もなさそうな姿は。まるで雲ではないか」


「それを言うならヴァルザー様! 先日のネット動画、拝見いたしましたぞ! テレビ台の下で震えていらしたあのお姿……騎士団長ゼノン、不甲斐なさに血涙を流しました! 」


「すぐにあの放送局を焼き払いに行きましょう!」


キャンキャン! と高い声で吠え立てるゼノンに、クロは耳を伏せて辟易とする。


「待て、落ち着けゼノン。あれは……そう、人類を油断させるための高度な心理戦だ」


「おおっ! さすがは我が主! 敢えて情けない姿を晒し、全人類の母性本能を掌握して、精神的に支配する……『覇王(可愛い)』の極意ですね!」


「……まあ、概ねそうだ。だから勝手に放送局を焼くな。我がフォロワーが減るだろうが」



3. 聖なる供物クッキーの衝撃

そこへ、学校からさくらが帰宅した。


「ただいまー。……あれ? 何この白いワンちゃん! 迷子? どこの子!? 超かわいい〜〜!!」


さくらはカバンを放り出すと、ゼノン……もとい「ポメ」を抱き上げた。


「ぐっ、離せ人間! 我は高潔なる魔界騎士……貴様のような下等生物に抱かれるなど、死に勝る――」


「よしよし、いい子だねぇ。お腹空いてるのかな? これ食べる?」


さくらが差し出したのは、犬用ミルククッキーだった。


鼻先をくすぐる、芳醇なミルクとバターの香り。ゼノンの理性が、ポメラニアンの野生(食欲)によって激しく侵食される。


「ふん、毒見……毒見が必要だ。我が主を害さぬよう、この私が……はむっ」


サクサク、という軽快な音。

次の瞬間、ゼノンの瞳から大粒の涙が溢れ出した。


「な、なんという慈悲深い甘さ……! ヴァルザー様、この娘、もしや天界の聖女か何かですか!? このような至高の霊薬を惜しげもなく与えるとは……ッ!」


「……クッキーだ。ただのクッキーだぞ、ゼノン」



4. 騎士の新たな任務

数分後。

そこには、さくらの「お座り! お手!」という指示に従い、完璧なキレで前足を出しているゼノンの姿があった。


「よし、お利口さん! クロちゃんとお友達になれそうだね」


さくらに頭を撫で回され、ゼノンは「ハッハッハッ」と舌を出しながら、全力で尻尾を振っている。


(……こいつも、ダメだ。一瞬で堕ちおった)


クロが呆れていると、庭の向こうからゴールデンレトリバーのアレク(勇者)が散歩で通りかかった。


アレクは、さくらに懐きまくっているゼノンを一瞥し、深い溜息をついた。


『……ヴァルザーよ。お前のところの騎士も、結局「おやつ」の魔力には勝てなかったようだな』


「……黙れアレクサンダー。貴様、後でゼノンに噛まれても知らんぞ」


こうして、魔王の拠地には「暑苦しいほど忠実な(おやつに弱い)騎士」が加わった。


世界征服への道のりは、ますます賑やか(カオス)になっていく。




【次回予告】

我が覇道に立ちはだかる、新たなる「癒やし」の拠点。

そこに鎮座していたのは、顔のパーツが中心に集まりすぎた「鼻ペチャ」の魔族だった。

「……ベルゼ! 第四王子のベルゼか! 貴様、その顔……壁にでも激突したのか?」

親子(?)の再会が、血で血を洗う「ブサかわ」バトルを巻き起こす!

次回:『猫カフェの支配者、エキゾチックな罠』

お楽しみに!

ふん、最後まで読み進めた貴様を、我が軍の『読者フォロワー』に任命してやろう。

貴様の端末の下にある【★評価】と【ブックマーク】のボタンを押すが良い。

それは点数ではない。我が今夜、侍女さくらから「ちゅ〜る」を献上させるための『信仰心ポイント』だ!

★を五つ捧げ、我が覇道に貢献せよ。

決して、おやつが欲しいから媚びているわけではないぞ! クカカカ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ