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『世界征服はちゅ〜るのあとで。〜転生に失敗した魔王(黒猫)はちゅ〜るに屈する〜』  作者: 今日も今日とて黒猫さん


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第2部 第1話:『一日警察署長、黒猫クロ様の受難』

1. 平和への苛立ち

魔界の門を(SNSの力で)閉じてから数ヶ月。

さくらの家には、今日も穏やかな時間が流れていた。


だが――。

キャットタワーの頂上では、黒猫のクロが不機嫌そうに尻尾をパタパタと振っている。


「ぬるい……。ぬるすぎるぞ、この現世うつしよは!」


クロは、かつて魔界を統べた闇の王、ヴァルザー。

その瞳には、隠しきれない野心が……。


「我は闇の王だぞ? 悪のカリスマだぞ? それが今や、さくらの登校を見送ったあとは、録画された『岩合光昭の世界ネコ歩き』を鑑賞するだけの日々……」


がっくりと肩を落とし、クロは嘆く。


「このままでは我の牙が、ささみジュレの柔らかさに慣れきってしまう!」


「ヴァルザー様。そう仰りつつ、昨夜はさくら様の脱ぎ捨てた靴下を狩って遊んでおられたではありませんか」


ツッコミを入れたのは、水槽のUVライトで鱗を温めていたガミジンだ。

自慢の龍鱗――実態はニホントカゲのテカテカした鱗を輝かせ、冷静に事実を指摘する。


「あれは……! 敵の移動手段を封じるための高等な演習だ!」


クロが顔を真っ赤にして言い返した、その時。

居間のテレビから、不穏な臨時ニュースが流れた。


『最近、この地域で「高級猫缶の置き配」を狙った卑劣な盗難事件が多発しています。犯人は極めて足が速く――』


「……ほう。我が領地で、我が食料を掠め取る不届き者がいるというのか」


クロの目が、鋭く邪神の光を宿した。



2. 将軍、現る

そこへ、さくらが興奮した様子で帰宅した。

その手には、青い小さな制服と、金色の紋章が入った帽子が握られている。


「クロちゃん! 朗報だよ! SNSでの活躍が認められて、市の警察署から『一日警察署長』の依頼が来ちゃった!」


「な……署長!? つまり、この街の兵権を我に委ねるということか! クカカカ!」


翌日。

警察署の広場には、凛々しく(?)青い制服に身を包んだクロの姿があった。


だが、その前に一頭の巨大なシェパードが歩み寄ってくる。


『……ヴァルザーか。貴様のような軟弱な猫が署長とは、この街の治安も地に堕ちたものだ』


「ぬおっ!? この、胸焼けがするほど堅苦しいオーラ……」


クロは毛を逆立てた。

目の前にいるのは、魔界軍第三軍団長、鉄血の将軍ガミエル。


『今は「ポチ」という名で、この国の法と秩序に命を懸けている。ヴァルザー、遊びは我のパトロールを邪魔せぬ程度にするのだな』


「おのれポチ……! 将軍の分際で!」



3. 邪神の包囲網

「ゼノンよ、ベルゼよ! 奴より先に犯人を捕らえ、我らの力を見せつけるぞ!」


クロの号令が飛ぶ。

犯人は、近所の空き家に逃げ込んだ「魔界の野犬(チワワに転生)」だった。


ポチが正面から「動くな! 警察犬だ!」と威嚇する。

だが、クロは真っ向勝負などしない。


SNSを駆使し、近隣のフォロワー猫たちに指示を飛ばす。

「各員、退路を断て!」


さらに、ベルゼの「最強のブサかわ視線」で犯人が怯んだ隙に、ゼノンが強烈な体当たりを食らわせた。


仕上げは、クロが空き家の塀から舞い降りる。


「チェックメイトだ。……魔王の鉄槌(肉球パンチ)!!」


「ふぎゃっ!?」


空を切る鋭い(?)一撃。

犯人のチワワは、あまりの恐怖と――肉球の予想外の柔らかさに戦意を喪失し、その場にへたり込んだ。



4. 伝説の始まり

事件は見事に解決した。

ポチは少しだけ耳を下げ、クロに歩み寄る。


『……ヴァルザー。認めよう。貴様の「群れ」を操る力、確かに新たな時代の兵法だ』


「フン。将軍よ、貴様も我が軍門に下るなら、特製ガムを手配してやらんこともないぞ」


その夜。

さくらのSNSには、パトカーの上で署長帽を被るクロの写真がアップされた。

それは瞬く間に拡散され、「いいね」の嵐を巻き起こす。


帰宅したクロの前には、ご褒美の「極上金缶」が献上されていた。


「ふにゃ〜ん(署長業務も疲れるが、報酬が良いなら続けてやらんこともない)」


魔王軍の地域貢献……もとい、新たな支配が、ここから幕を開けるのだった。




【次回予告】

さくらの家の向かいにオープンした白猫カフェ『サンクチュアリ』。

そこにいたのは、かつて魔界で我を幾度となく苦しめた、あの忌々しき『聖女』であった!

『あらヴァルザー、健康のためにちゅ〜るは没収です。今日からオーガニックな小魚を食べなさい』

魔王の快楽主義 vs 聖女の禁欲主義。街の猫たちの胃袋を賭けた、仁義なき代理戦争が勃発する!

次回:『聖女の誘惑、白猫カフェはちゅ〜る禁止!?』

お楽しみに!

ふん、最後まで読み進めた貴様を、我が軍の『読者フォロワー』に任命してやろう。

貴様の端末の下にある【★評価】と【ブックマーク】のボタンを押すが良い。

それは点数ではない。我が今夜、侍女さくらから「ちゅ〜る」を献上させるための『信仰心ポイント』だ!

★を五つ捧げ、我が覇道に貢献せよ。

決して、おやつが欲しいから媚びているわけではないぞ! クカカカ!

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