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女勇者は普通に生きたい  作者: 脇汗ルージュ
5/14

強さ

あれから二ヶ月が経過しようとしていた頃。

王都の街並みを歩くアリシアは、どこか不思議な気持ちを抱えていた。自由に歩き、思いのままに買い物をして、街の風景を楽しむことができる日常。これが、彼女にとっては初めての経験だ。


「アリシア、こっちだ!」と、ガルドの明るい声が聞こえ、アリシアは振り向いた。仲間たちが待っている。


ガルド、レイヴン、シリル、そしてミナ。賑やかなメンバーが揃っていると、なんだか心強さを感じる。自分だけではないんだと、少しだけ安心できる瞬間だ。


「今日は、ちょっとした戦いを見せてやろうと思ってな」と、ガルドが胸を張って言った。


「戦い?」とアリシアが不安げに聞き返すと、レイヴンが少し微笑んで言った。


「まあ、見てるだけだから心配するな。お前も戦闘を見たほうがいい。少しでも学んでおけよ」


「戦うんだ…」と、アリシアは少しドキドキしながら答えた。


「じゃあ、行こうぜ!」とシリルが元気に前に出ると、みんなもそれに続く。



街を出て少し歩くと、開けた広場に到着した。人目もあまりなく、静かな場所だ。


「よし、じゃあまずは俺が手本を見せる!」と、ガルドが元気よく言った。


「お前の強さを見せてもらおうか?」とレイヴンが冷静に応じると、ガルドはにっこりと笑った。


「もちろんだ!お前らの力も見せてもらうぜ!」


まず最初に戦うのは、ガルドだ。彼は得意の盾を構え、戦いの準備を整える。


「行くぞ!」と声をかけ、ガルドが力強く一歩踏み込む。その迫力に、アリシアは思わず息を呑んだ。


「…本気だ」と、アリシアは心の中でつぶやく。



次に、レイヴンが戦いに加わる。彼は双剣を取り出すと、すぐに攻撃態勢を取った。まるで風のように素早く、誰の目にも捉えられない速さで動き回る。


「すごい…!」と、アリシアはその圧倒的なスピードに驚き、思わず声を出してしまった。


レイヴンは冷静に、攻撃を次々と繰り出し、ガルドの盾に対して攻撃を加えた。ガルドはその攻撃を盾で受け流し、まったく動じない。


「強いな…」と、アリシアは改めて実感した。どの技も、無駄がない。



「こっちはあたしに任せなさいよ!」と、ミナが元気よく言って前に出ると、光り輝く魔法の杖を振るい、魔法を発動させた。ミナの杖から放たれた光が空を切り、周囲に明るい光を放つ。


「むさいわねー。力任せに戦うだけじゃ面白くないのよ!」と、ミナはガルドにからかいながらも、その力を見せつけた。


その様子を見たアリシアは、思わず驚いた。ミナは戦闘だけでなく、そのキャラクターからしても全く予想外だった。



最後に、シリルが登場。彼は冷静な目で周囲を見渡し、そして魔法を詠唱し始めた。


「氷の精霊よ、我が力を貸し給え!」と、シリルが呟くと、その手のひらに氷の精霊が現れ、周囲を凍らせていった。まるで時間が止まったかのように、周囲が凍りついていく。


アリシアは、その冷徹で美しい魔法の力に圧倒されていた。


「みんな…すごい」アリシアは改めて仲間たちの実力に驚き、感心した。



その戦闘を見ながら、アリシアはふと考えた。


「私、ここにいていいんだろうか…?」と。自分だけ隠し事をしていて、心の中で一瞬不安を感じた。けれど、それでも彼らと一緒にいることができるのは、心強かった。


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