第7話:「幽霊裁判、開廷!」
前例がなければ、作ればよいではないか!
これ、お気に入りなんですけど、
なかなかねーー
前例がないことってハードル高すぎますよね。。
本日もよろしくお願いいたします
市長が動き出す!?
「松本ォォォ!!お前ら、ついに市長が動いたぞ!!」
役所の木下が息を切らしながら商店街へ駆け込んできた。
「えっ?市長が?」
「そうや!市の広報にも発表された!『違法建築の疑いがあるため、空中商店街の調査を行う』ってな!!」
「マジか!?ついに市が動くんか!」
松本は驚きとワクワクが入り混じった表情になった。
「しかもや!もしこの件が完全な違法建築と認定されたら……即刻撤去になる!!」
「そ、それはアカン!!」
「せやから、お前らの立場はどんどん悪くなっとるんや!ええ加減に――」
「ちょっと待て。」
突然、静かに響く声。
その場にいた全員が振り向いた。
そこには――。
江戸時代の装束を着た幽霊役人・お奉行様が、扇子を広げながら立っていた。
「ならば、拙者が市長と直々に談判しようぞ。」
「……おいおい、本気で言うとるんか?」
「もちろんじゃ。」
お奉行様はニヤリと笑う。
「この件、江戸の法に基づき、裁判で決着をつける!」
「裁判!?いやいや、お前幽霊やろ!?」
松本は頭を抱えた。
「どうやって裁判すんねん!」
「簡単なことじゃ。『幽霊裁判』を開廷するのじゃ!」
幽霊裁判とは何ぞや!?
「お奉行様、幽霊裁判って何やねん……?」
松本が頭をかきながら聞く。
「フッ……この商店街の未来を決める戦いに、拙者が加わる時が来たのじゃ!」
お奉行様はドヤ顔で説明を始めた。
「幽霊裁判とは、幽霊による幽霊のための裁判じゃ!」
「いや、それ人間には関係ないやん!」
「いやいや、よく聞くがよい!」
お奉行様は扇子をバシンと閉じた。
「江戸時代の法律は、今もなおこの土地に宿っておる!その法を拠り所にすれば、我らが裁判を開廷する資格は十分にある!」
「……つまり、ワイらが江戸時代の法律を盾にして、市と戦うっちゅうことか?」
「その通りじゃ!」
松本はニヤリと笑った。
「おもろいやんけ。」
「しかしなぁ……そんなもん、市長が受け入れるわけ――」
「それが、そうでもないんだよなぁ……」
喫茶店「リーガル・カフェ」の法律マニア・河合さちえが、コーヒーをすすりながら口を開いた。
「ちょっと調べたんだけど、市長って結構ユーモア好きなのよね。」
「は?」
「つまり……市長に『幽霊裁判』を公式に認めさせることができれば、裁判が成立する可能性があるってことよ!」
「……マジか!?」
「まぁ、ダメ元でやってみれば?」
「おおぉぉぉ!!」
松本は興奮して拳を握る。
「ほな、幽霊裁判を開廷や!!」
前代未聞の「幽霊裁判」開廷!
数日後――。
市役所の特別会議室。
「さて……始めるとしようか。」
市長の前に、松本たちが勢揃いしていた。
そして、そこに幽霊役人・お奉行様が登場!
「これより!『幽霊裁判』を開廷する!」
「……ほんまにやるんか。」
木下は完全に呆れていた。
「まぁまぁ、市長も興味を持ってるし、ちょっと見てみましょうよ。」
さちえがニヤリと笑う。
市長は興味津々な顔で腕を組んでいた。
「ふむ、面白そうだな……では、話を聞こうか。」
こうして、前代未聞の「幽霊裁判」が始まった――!
お奉行様VS役所、白熱の攻防!
「まず申し上げる!この空中商店街は、江戸時代の法の下にあり、合法である!!」
お奉行様が堂々と主張する。
「異議あり!!」
木下が即座に反論した。
「そもそも江戸時代の法律なんて、現代で適用されるはずがない!!」
「フッ……では聞こう!」
お奉行様はニヤリと笑う。
「そもそも現代の法律において、『幽霊による裁判』を禁止する条文はあるのか?」
「は?」
木下は一瞬、沈黙した。
「な、ないけど……そんな前例がないだけや!」
「前例がなければ、作ればよいではないか!」
「ぐぬぬ……!」
会場がざわつく。
そして、市長がクスリと笑った。
「面白いな……これは、なかなか良い戦いになりそうだ。」
松本はニヤリと笑う。
「せやろ?ほな、ここからワイらの反撃開始や!」
「ふむ……では、この幽霊裁判、正式に続行してもよいぞ!」
「えぇぇぇぇ!!??」
木下の叫びが響き渡る。
こうして――。
幽霊裁判、本格的に開廷!!
次回予告:第8話「未来都市宣言!?」
幽霊裁判が正式に始まった松本たち!
しかし、そこに未来人・清水元太郎が現れ、新たな爆弾発言をする!?
「この商店街は、未来で『都市』と認定されている……!」
「えぇぇぇぇ!?ワイら、都市になんの!??」
次回、まさかの「空中商店街=未来都市」説が浮上!?
「空中商店街の奇跡」、次回もお楽しみに!!