第1話:「空に浮かぶ商店街?!」
初めて投稿します。
アイデアはいっぱい出てくるのですが、文章にするのはむつかしいですね。
楽しんで作ってみたのですがどうでしょう?
よろしくお願いいたします。
大阪の下町にある商店街 「日暮アーケード」。
かつては活気あふれる場所だったが、今やシャッターが閉まった店ばかり。細々と営業を続けるのは、長年この地で商売をしてきた数軒の老舗だけだ。
そんな商店街の一角にある 「松本屋酒店」 の店主、松本太一 は、今日も昼間から暇を持て余し、酒をちびちびと飲んでいた。
「いやぁ、マジでこのままやと、商店街が終わってしまうなぁ……」
カウンターの向こうで、店の片隅に座る喫茶店の店主 河合さちえ が呆れたように言う。
「今さら気づいたの? うちの『リーガル・カフェ』だって、弁護士時代の貯金で何とかやってるようなもんよ」
「せやな……。何かええアイデアないもんか……」
松本は店の外に目を向けた。人通りの少ない商店街。ここに新しい風を吹き込むにはどうすればいいのか。
ふと、視線を上げると、そこには古びた アーケードの屋根 があった。
「……あの上、使えへんかな?」
「は?」
さちえが怪訝な顔をするが、松本の中で突拍子もないアイデアが生まれつつあった。
商店街の屋根の上?
数日後。
松本はハシゴを持ち出し、アーケードの屋根へと登ってみた。
「おぉ……意外と広い!」
屋根の上は意外にも頑丈で、しっかりした骨組みが残っていた。何より、下の商店街を見下ろすと、そこに もう一つの街が作れそうな気がした のだ。
「ここに商店を並べたら……『空中商店街』になるんちゃうか?」
「何を言うとんねん、お前は!」
突然聞こえた声に振り返ると、向かいの八百屋の 藤田親方 が呆れ顔で下から見上げていた。
「アーケードの上に商店街? そんなん無理に決まっとるやろ!」
「なんでや? 使えるスペースがあるなら、活用せんともったいないやん!」
「法律的にアウトや!」
「ほな、セーフにしたらええやん!」
この適当な発言に、周囲の店主たちは一斉にズッコケた。
「ほんま、こいつは昔から思いつきだけで生きとるな……」
「でもまあ……ちょっとおもろいかもしれんぞ?」
最初は馬鹿にしていた商店街の連中も、松本の勢いに呆れながらも、少しずつ 「面白いかもしれない」 と思い始める。
屋根の上の謎の老人
翌日、松本は再びアーケードの上に登ってみた。
しかし、そこには 謎の老人 が座り込んでいた。
「……おぬし、空に街を作るのか?」
「誰や、おっちゃん? 何でこんなとこにおんねん?」
老人は、長い白髪と髭をたくわえ、作業服のようなボロボロの服を着ていた。彼は手にしたノコギリを擦りながら、不敵な笑みを浮かべる。
「わしは ノコギリ仙人。この街の上で、大工として生きてきた者よ」
「仙人?」
「ふふふ……おぬしのアイデア、気に入ったぞ。ならば、わしが手伝ってやろう!」
松本は 得体の知れないこの老人に手を差し出す。
こうして、奇妙なコンビが誕生した――!
次回予告:「法の壁をぶち破れ!」
松本とノコギリ仙人による 空中商店街計画 が始動!
しかし、そこに立ちはだかる 法的な壁……!?
そして、夜の商店街に現れる 幽霊の役人 とは――!?
「空中商店街の奇跡」、次回もお楽しみに!