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臆病者と王子様  作者: stella
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Twitterを始めて一週間、今の冬花の目標は、相互さんとDMで話すことだ。ただでさえ、人と話すことが苦手な冬花は、まだ、まともに誰とも会話をすることが出来ていないのだ。


それに、冬花のフォロー中の欄には、男の人がいない。真奈美にあまり男の人とDMをするなと言われたせいでもあるが、フォローをするなとは言われていない。しかし、SNSに(うと)い冬花は知らない男の人をフォローするという行為に対して、とても恐怖心を抱いているからだ。


今日もいつものように色々なレイヤーさんの投稿を見ていた。その時ふと、目に止まったのが、『はるき』という名前のコスプレイヤーだった。彼には自分と同じぐらいのフォロワーがいた。


その人は、冬花と同じ初心者で、同じ日にTwitterを始めたようだ。はるきとふゆかは似ているのかもしれない。しかし、そのままプロフィールを見ていたら、『(おす)』という記号があり冬花は、とてもびっくりした。男の子のキャラのコスプレしかしてないとは思っていたものの、このレイヤーさんも真奈美のように男装をするのが好きな女の子だと思っていたのだ。


「へぇ〜、男の人なんだ」


つい思ったことを口に出していて、少し焦った。なぜなら、ここは電車の中だからだ。


慌てて辺りを見渡したが、いつもよりも早い電車だったために近くに人はいなかった。ホッと息をついてまた画面に目を落とした。通知が1件来ていた。


『はるきさんからフォローされました』


通知を開くと、一番上にその言葉が見えた。その瞬間、冬花の心臓がドクドクと激しく脈打った。


さっきまで自分が見ていた人だ。すると、また新しい通知を知らせる①がついた。恐る恐る更新してみると、それは彼からのいいねとコメントを知らせるものだった。


嬉しさ半分疑い半分でそのコメントを読んだ。


『すごくクオリティが高いですね!更にエマに惚れました』


彼もエマ推しのようだ。ここだけを見ると、彼とは気が合いそうだ。しかし、怖いことは、怖い。

(フォロー返しするだけなら)

そう考え、冬花ははるきをフォローした。それがもとになり、冬花の人生が変わるとは、このとき彼女は思いもしなかった。

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