青年期 二一歳の冬 三一
勝つのは爽快であるのだが、如何せん燃える城という光景は精神衛生によろしくない。
元が滅びに美学を見出す、腹を斬って内臓を取り出す慣習を持つ国の出だからか分からないが、見ていて悲しくなるのだ。
お前が主犯じゃねーか、と突っ込まれたら、仰る通り過ぎて何も言えないのだが。
「落ちるのは落ちるので怖いが、これもやっぱ慣れねぇなぁ……」
我々は竜艇の側舷に空いた円形窓から、つい先程攻略を終えたヘイルトゥエンの居城が燃えるのを見ていた。
空挺降下は放り出されて終わりではいかん。後方に浸透させた特殊部隊を回収する手段は、既存の騎竜が牽く回船を改装することで充足されている。
落下傘の洗練度合いとは対照的に、この竜艇はジークフリートが愚痴るよう、世辞にも乗り心地がいいとは言えなかった。
船を二艘貼り合わせて造った、奇妙な果実めいた形の竜艇は鋼線で牽引されているだけの木造なので、空気と船体が擦れ合う音が常に鳴り響いていて不気味だ。
しかも、船は落下傘と違って予備なんぞないし、言うまでもなく自力で航行する能力もないので、騎竜が叩き落とされた瞬間に死ぬという、空挺歩兵最大の弱点を解決されていないときた。
敵地に航空艦を降ろすのは危険極まりないのと、こっちの方が効率が良いのは分かるけれど、命を託すのには些か以上に心許ない。
きっとノルマンディーの後方にぶち込まれた米兵達も、こんな気分を味わったのだろうな。我々は対空砲に狙われていないだけマシと思わねば。
それでもせめて、牽引索具がギシギシ軋む音くらいは魔法で遮断してくれないだろうか。設計上の剛性は実用に耐えうると判断されていようが、今にも木っ端微塵になってもおかしくなさそうな音がひたすらに怖い。
空から制御された投身自殺未遂をするのに慣れた剣友会諸氏も、この乗り物は恐れるのだから、やはり体感というのは大事だ。
さて、これの改善要求を上げたならば、乗員の精神安定を慮った改装が行われるのであろうか。
ともあれ、我々はヘイルトゥエン親子の首、そして最大の目的であった〝月明かりの額冠〟を入手して無事に離脱できた。
額冠はあれ以降、ツェツィーリア嬢の頭を居所と決めたように動かない。船内の聖堂に態々保管用の棚を用意して貰ったのだが、暫く活躍の機会はなさそうだ。
そういえば、神代の頃は禊ぎとして、花嫁は一月ばかし誰にも顔を見せず、額冠に通した覆いを外さず過ごすという文化があったと聞く。
今は簡略化されて、お式の直前に纏って夫が捲るだけの簡素なしきたりになったが、月明かりの額冠は製造日的に古い慣習を守っているのだろう。
……とはいえ、冬至の日までは一月もないのだけど、終わったらどうするのか。もしかして誰か開けるまでそのままとか? いや、だとしたら結構困るのだが、そこら辺を夜陰神は如何なさるおつもりであろう。
神職ではない身なので想像もつかないが、心配している間に竜艇は恙なく螺旋軌道で順調に高度を上げ、雲の上に身を隠していた航空艦の発着区画へと滑り込んだ。
橇を履いただけの降着脚が床と擦れ合い、負荷で船体が揺れるのも心に中々クるな。騎竜と乗り手は上手く軟着陸させているようだが、よくよく考えるとここで竜艇が壊れたら、風に煽られてぶっ飛ばされるのは恐怖以外の何者でもない。
早う気密を終わらせてくれ、と焦れるような時間は永遠のような長さに感じられた。
「あー、やっと解放された……」
「でも、結局地面の上じゃないのは変わらないんだよね」
「それなぁ。板の一枚下が空だって実感してから、安心して眠れねーんだけど俺」
「僕もだよ。建築屋はやっぱり大地に足をつけてこそだね」
航空艦怖い組合――ジークフリートを筆頭に、多分私以外全員――が、もっと怖い竜艇から解放されたことに悦びながら、兵員待機室へ引き揚げようとしていると急に声を掛けられた。
「エーリヒ殿」
高い詰め襟をした黒喪の軍人。近衛の一人だ。折り目正しく制服を着込んだ人狼の彼は、毛並みからしてグラウフロック家の血筋だろうか。
「何かございましたか? 竜艇内から送った通信のとおり、此方は上首尾に運びましたが……」
「ウビオルム伯から至急のお呼び出しだ」
はい? と首を傾げる。
今回の実験やら実戦試験やらを含め、基本的にアグリッピナ氏は指示を出せども私の前に姿を現すことはなかった。報告も専ら書面の形で従僕を通して行うか、現場指揮を執っている近衛にしていたので、実は乗り込んでから一度も顔を見ていないのだ。
これは恐らく、貴族が軽々に冒険者の前に顔を出すべきではないという体面や、雲の上の人が近くにいては、地下の者が落ち着かぬだろうという気遣いだろう。
それに、これから催される〝空挺強襲に依る拠点制圧実験〟の成功祝いを堅くし過ぎないため、出席しないとも仰せだった。
まぁ、やる前から成功祝いの準備をして、航空艦の運用要員や我々を労おうという「私の企画なんだから失敗なんてするわけないでしょ」ってな裏が透けて見える催しはさておき、嫌な予感がする。
本来、この後の作戦詳報を提出する期限は明日だし――それでも、かなり〆切りがきっつい――ヘイルトゥエン親子の首実検は艦長とやる予定だ。貴人の首を綺麗に整えて化粧を施し、本人確認をする手順にアグリッピナ氏の出番はない。
つまるところ、内々に話をせねばならない事態に陥ったということか……。
「すぐにと?」
「ああ。特に許すので武装を解かず、そのままに単身でと仰せだ」
うわー……逃げてぇー……。
表情は真面目に繕っているが、内心では反吐を吐きそうな気分で一杯だった。
だって、これから具足を脱いで風呂入ったら、後は祝勝会だけなんだぞ。そこを色々すっ飛ばして上席からの呼び出しなんて、聞いてて気持ちの良い話の訳がないだろう。
お褒めの言葉とかだったら、もっと簡単に手紙とか言伝で飛んで来る。少なくとも我が元雇用主は、私に対して外に見せる必要がある以上の形式的なやりとりなどしない。
直接会ってくれなかったとか、感状を書いてくれなかったとかで臍を曲げるような間柄でもなし。
それに、冒険を一つ終わらせたばかりの私を弄って遊ぶほど暇でもあるまい。
「……承知しました。しばしお待ちを。マルギット!」
「はいはい」
声は恐るべきことに足下から返ってきた。私は薄々察していたので驚きも少ないが、マルギットの隠行を知らない近衛の彼の心臓には、さぞかし悪かっただろう。
なにせ私の陰から、魔法も奇跡も使わない素の技術のみを用い、滲み出すような自然さで現れたのだ。慣れていなければ、そりゃ面食らうだろうよ。
幾ら小さいとは言え、人間の体だけを遮蔽に近衛相手に隠密判定を成功させられるのは、辺境広しといえど、そうはいるまい。
「あとを任せて良いかな。依頼主からのお召しだ」
「あらあら、大変ね……分かりましたわ。此方は此方で引き継いでおきますね」
「ごめん、頼むよ。宴は定刻通りに始めちゃって。音頭はジークフリートに頼めば良いから」
酷い人、とクスクス笑われてしまったが、これは了承の笑いなので後の心配は要るまい。
精々、急に乾杯前の挨拶を振られたジークフリートがワタワタするくらいだろうか。
段取りでは艦長からお褒めの言葉を賜って、私が乾杯の音頭を取る予定だったから、多分何も考えてないだろうな。
陰惨な戦の後なので、精一杯戦った敵手と自分達の勝利を喜ぶ名演説をスカッと打って貰うとしよう。
まぁ、以前似たような状況で司会を投げた時は、何も思いつかなかったらしく二、三言口にしようと失敗したあと「ぶっ、無礼講だぁ!! 呑めぇ!!」と実に冒険者らしい、ノリと勢いでの解決に至ったようだけど。
後で愚痴られるかなぁ。私も思いっきり愚痴りたい気分なんだがなぁ、と思いながら案内役に連れられて――彼は彼で、修行が足りんとブツブツ深刻そうに呟いていたが――アグリッピナ氏の居室へと通された。
「ケーニヒスシュトゥールのエーリヒ。お召しに従い、まかり越してございます、ウビオルム魔導宮中伯」
今回乗船した試験艦アレクサンドリーネには、艦長室の他に一つ立派な貴賓室がある。元々はお披露目の際に皇帝が座乗する予定があったので、それだけのために設えた部屋をアグリッピナ氏は私室に使っているようだ。
実験艦なのもあって全てが無骨かつ簡素な中、ここだけまるで帝都のお屋敷のようなので、体面に金と気を遣わなければいけない人達って大変だなぁと感じ入る。立派な応接用の卓や詰め物たっぷりの長椅子、絵画に観葉植物などが置かれた50㎡はありそう部屋の奥には扉があり、寝室も分けられている贅沢っぷり。
跪いて手を付いている絨毯だって、指が沈むような毛足の長さだ。戦闘艦には明確に不要な設備なのに、かなり金をかけていらっしゃる。
舞踏場を内蔵されるよりマシだが、遠い銀河で共和制と帝政で殺し合っていた人達を思い出すので微妙な気分になるな。
いや、あれだったら帝国が勝つからいいのか。この長椅子に座って、優雅に煙管を燻らせている御仁なら、門閥貴族に吹き荒れた粛正の嵐も軽々乗り越えそうだし。
「ご苦労様。皆、下がっていいわよ」
「しかし閣下、冒険者などとお二人になられるのは……」
「内事よ」
二度言わせるつもりか、なんて意志が籠もった強烈な視線を送られた従僕は、静かに案内役と護衛を連れて下がっていった。
ありゃ駄目だな。多分、船から下りたら解任されて別の配置だ。
アグリッピナ氏は、命令の意図を汲まれないのがお嫌いで遊ばされる。そこら辺、もっと気配りと理解してお仕えせんと首が幾らあっても足りんよ。
聞き返すのはいいし、命じられてから動くのでも妥協してくれる。意思疎通のためのやりとりなら彼女も許容するが、自分の言動に確たる考えも理由なく、ただ定型を護るために疑義を差し挟まれるのを大変不愉快に思うのが我が元雇用主。
側で仕えていたら、何かしら感じるだろうに。あ、今厄介な案件に関わってるなとか、人払いの準備しといた方が良いなとか。
この空気なら、事前に自分も退室して、私を放り込んだ後で正面の護衛と一緒に廊下の奥まで下がるのが模範解答だ。
家宰の選任に苦労させられたのを思い出すなぁ……。
ブルーノ殿はマジ物の掘り出し物で、彼に決まるまで何人が書類段階で弾かれ、そこから更に幾人もが面接で切られている。
そんでもって、最後に数日私の代わりに近侍をやることで選別され、「一応使えるわ」との評価が下ったのが彼だけなのだからえげつない。
普通、俄拵えの伯爵様になろうってんなら、もうちょっとくらい我慢するだろうに。
この調子だとまだ、専属の側仕えが安定しとらんな、これは。
いや、うん、アグリッピナ氏は物理的に〝クビ〟にしてこない分、かなり有情なんだけどね。帝都にいたら粗相を働いた使用人が手打ちにされたなんて噂は、毎日とは言わんけど月に一回か二回は聞いたもんだから。
「楽にしていいわよ」
私もするから、と言わんばかりに彼女は貴族の外面を脱ぎ捨てて、長椅子の上で横になった。何時ものように脇息に上体を持たれかけさせ、心底面倒臭そうな有様が普段通り過ぎて、逆に安心するのは何らかの精神疾患だろうか。
工房だと風呂上がりに全裸で歩いたりする不精者だからなぁ。その印象が強い分、真面にされていると却って違和感が強い。
あれだよ、普段クッソだらしない首元ヨレヨレのTシャツとスウェットのズボンで過ごしてやるヤツが、髪後ろに撫で付けてリクルートスーツ着てきた時の感じ。
誰だテメェって思うより、こっちの方が実にアグリッピナ氏らしくて落ち着く私は、大分末期だなこりゃ。
「煙草を失礼しても」
「特に許すわ、冒険者。ちゃんと手入れして使っているようで関心ね」
「成人祝いで賜った物ですし、愛着の一つも沸きますよ」
なので私も前と変わらず気楽にする。片乳ほっぽり出して本を読んでいる様を拝んだことがある間柄なのだから、何を遠慮することがあろうか。
精々、私が彼女の前で自重するのは、もうクシャミか欠伸、あとは屁くらいのものだ。
下賜された煙管を取りだして、遠慮せず魔法で火を付けて一服目を吸い込んだ瞬間、元雇用主は何の前振りもなく本題を切り出してきた。
しかも、一切の予備動作がない超必だ。
「クリームヒルトⅡとの連絡が途絶えちゃったんだけど、どうしたらいいと思う?」
「ぶぇっほ!?」
煙が変な所に入った。
いや、ちょっと待って、なんて? 本当になんて?
「定時連絡が来ないのよね。今日の夕刻までは、普通に順調そうだったんだけど」
「いやいやいや!? トリーノには普通に入ったんですよね!? あともう、向こうの僧正と手紙のやりとりして、鏡台借りて帰るだけでは!?」
さて、別行動して偃月の鏡台を取りに行った部隊は約30名から成り、一応の指揮をヤンネに任せている。かなり度し難い狂人で、後日談の世界を鼻から吸引しているようなヤツだが、腕は確かだ。
宮廷語で喋れて毒殺にも強く戦闘力もあり、現在育成中の面子ではかなり有望。欠点と言えば言動と容姿が胡乱すぎて、聖職者からのウケは確実に悪いことと、余程奇矯な相手でなければ〈信用〉判定が成功しないことくらいか。
百やって百殺せる自信はあるが、千やったら二回か三回は殺し損ねるかもしれん程度に彼女は優秀だ。同道している配下達も、高らかに称賛できる冒険者斯くあるべしと鍛え抜いている。任務の性質上、新人は多いがそこいらの不逞氏族では怪我人も出るまいと自負していた。
そして、単騎にて長征する実験も兼ねて飛び立ったクリームヒルトⅡは、正式量産型の叩き台だけあって、我々が乗っているアレキサンドリーネより数倍高性能らしい。
この船は騎竜や有翼人に先導されて、低速でおっかなびっくり夜間航行を――ついでに雲より下は危険で飛べないと来た――しているが、新型は単独での航行が可能かつ、騎竜の搭載量こそ少ないが火力は十分と聞く。
ついでの保険に歴戦の近衛が陸戦隊として載っている上、アグリッピナ氏が標を打ち込んだ〈空間遷移〉を通して伝声する無線通信機を積んでいるのだから、普通に観光して帰って来るだろうなと余裕をぶっこいていた。
誰だって安心するだろ。鉄板も鉄板、ド鉄板だぞ。
私がGMなら、展開を巻くために「もう判定良いよ」と次のシーンでさっさと解決させる流れだ。
トリーノは衛星諸国の中でも一際大事にされているし、今の王族はガチガチの親帝国派で――そもそも国王が先帝の大姪だ――宗教だって帝国の神群が完全なる主流。むしろ、不手際があったら困るのは向こうさんなので、前もって丁寧に準備しているはず。
仮に問題があったとしても、トリーノの僧会が鏡台を貸し渋るくらいかな。ヴィリ権僧正がトリーノ聖堂座主に宛てて、絶対に首を縦に振らざるを得ない〝貸し〟を使って一筆書いてくださっているし、アグリッピナ氏も圧力を掛けているので、あって精々小賢しい遅延行為くらいのはず。
何をどうしたら、こっから失敗できるんだよという勢いで計画を固めたでしょ。
というか、貴女が責任者ですよね!? 新型の実験艦を外国にやって、連絡が途絶したのに何で暢気に煙草を燻らせてるんですか!?
「だから悩んでるのよねー。どうしようかなって。連絡は取れないけど、船が落ちてる感じじゃないから。魔導炉の監視術式は生きてるから、そこは確実」
「いやいや、少しは慌ててくださいよ! 連絡が絶たれるなんて、余程でしょう! 多少の魔導妨害で、他ならぬ御身が手ずから作った通信機が邪魔されたりはしませんよね!?」
心外だわ、とでも言いたげに眉を潜められたが、今の発言はアグリッピナ氏が政治に煩わされて、腕が落ちたのではないかなんて煽りではない。
単純に彼女が呼吸と同じ域で使える魔導が妨げられる、ナニカが行われているという指摘。
無論、私なんぞが言うまでもなくお察しでいらっしゃろうが、もうちょっと慌ててくださいませんかね。
そりゃトリーノまでの足に使わせてくれなんて頼んだのは私だけど、船がどうこうなったら困るのは、他ならぬアグリッピナ氏ではないですか。
「かといって、私、ここを離れるとちょっと拙いのよね。この船欠陥だらけだから、何かあった時、現地にいないと収拾つけられなくなるから」
「魔導師が他にも乗っているのでは……?」
「乗ってるけど、船体剛性を魔導で全部補っているなんて狂気の構造だし、勝負は全部一瞬よ? 飛んでる間は世話してないと怖いわ」
そういえば、そうでした。魔導炉は最新型に換装しているそうだが、それでも船体の強度が全部魔法によって維持され、一瞬でも制御下から離れたら自重で崩壊する頭のイカレ度合いはどうしようもあるまい。
「普段だったら、それでも即轟沈、なんてことにならないよう改装はしたんだけど……ほら、アレね」
彼女は自分の頭を指さした。丁度、額冠の宝石飾りが来る場所を。
「……まぁ、言っちゃなんだけど、真作だと思ってなかったから。あんなガチなの抱えてたら、一瞬でも船から目を離したくないのよ」
そして、斯様に不安定な船へ濃厚な神の残り香を漂わせる神器が積まれている。
そりゃー、そうですわね。
魔導と奇跡の食い合わせは最悪だ。神々は航空艦によって信仰が左右されかねないこともあって、中に聖堂を用意させる裏技めいた方法でお目こぼしなさっているが、それでもちょっとした拍子に決定的な破滅が訪れぬとは断言できない。
人類は基本的に愚かなので、誰も想像できないような、全く斬新な馬鹿をやらかす可能性が常にある。
だとしたら、何が起こっても対応できる人間の尻を何処に落ち着けるべきかは、自明であった。
「だから、ちょっと様子見に行ってくれない? 勿論秘密裏に」
天を向き、あーと唸り、下を見つめて首を捻り、腕を組んで悶える。
昔の縁故で無理を聞いて貰っている立場なので、一戦やって疲れていようと、私には首を横に振る権利などなかった…………。
更新に間が空いて申し訳ございません。
9感が私の我が儘……もとい、親愛なる担当氏に上手いこと〈交渉〉技能が通って、ほぼ完全書き下ろしになった都合で手が足りていないのと、Web版と並列して書いていると「……あれ? これ書籍版の設定? Web版の設定?」と自分の頭が縺れてエラいことになってですね。
いやー、遂にやらかしましたね。書籍版読者から「よく、ここまで書き下ろしを加えて整合性を考えられているな」と関心していただいていたのですが、単にWeb版と書籍版の時期が遠かっただけという絡繰りです。
そのせいで、まだ暫くWeb版の更新はのんびりした形になると思いますが、気長にお付き合いいただければ幸甚です。




