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青年期 十八歳の晩春 八九

 背が伸びたなぁ、と思っていたけれど、正座して見上げるとエリザの成長が尚実感できた。


 子供らしい寸詰まり感はすっかり失せ、童女から少女のしなやかさに変わり、これからより美しくなっていくだろう溌剌とした生気に満ちあふれている。


 相も変わらずライゼニッツ卿の仕業だと思われる豪奢で愛らしいローブや装身具の数々はさておき、振る舞いも立派な貴種らしさが身についているのが一目で分かる。


 音を立てぬ足運び、たっぷりと布を使った衣装なのに静かな衣擦れ、姿勢の乱れが一切ない立ち姿。頭頂からつま先まで一本の線がピンと張ったかのような、ケチの付けようがない風格から、どれだけ努力を重ねてきたのかが実感できた。


 お説教を聞くために正座しているのでなければ、どれだけ感動的だったか。


 「兄様は、本当にどうして自分から危難に飛び込まれるのですか。選ぶことなら幾らでもできるじゃありませんか。冒険に憧れるのはよろしいですが、最後に生きて立っていることが勝利であることを理解していただきたいものです」


 正座した――欠けた右足は〝手〟で補っている――私の前を右へ左へ歩きながらお説教してくれるエリザの言葉は、ド正論過ぎて言葉を差し挟む余地すらない。


 アグリッピナ氏から死霊術師を討伐しろと頼まれた依頼にせよ、断る余地はあったし、もっと交渉して彼女に仕事をさせることもできた。


 それどころか、身分的にはやってられるか、と断ってもよかったのだ。


 「たしかにお師匠様は兄様の元雇用主ですが、元ですよ、元。私が師事しているので気を遣ってくださっているのは分かりますし、嬉しいですが、それで兄様が傷ついたら喜ぶに喜べません。今回の一件だって、お師匠様が適当やらかして面倒なことになったのですから、全部自分で尻を拭わせたらよかったのですよ」


 勝算あり、と見込んだからといって、態々この場で最も強大な敵の所へ郎党を率いて突っ込んでいくなんて、何を考えているのですか。そう叱られると、どこまでも言い訳のしようが見つからない。


 「第一、兄様がお師匠を甘やかしすぎたのが間違いなんです。年々適当になっていったじゃないですか。特に一〇歳の頃のことを思い出したら酷かったですよ、兄様が何でもしてくれるからって……女性を駄目にするのも大概にしてください」


 たしかに、ちょっとテンションがおかしなことになっていたのは否定しない。モッテンハイムで散々に苦労させてくれた相手にお礼参りができる上、辺境を救う一助になるからと討伐を決意したのは事実だ。


 かといって、あの人を甘やかした覚えは一切ないのだけれど。私はあくまで我等兄妹の立場を良くするために頑張っただけであって……。


 「あの人が兄様を使うのは、それが一番安上がりで確実だからなんですよ。手間さえ掛ければなんとでもなるんです。配下の杜撰な仕事のせいで魔導炉を奪われたという弱みはありますが、落日派の弱みも握っていたから戦闘魔導師を寄越させるなりして対処は可能でした。返すのが大変な借りを作りたくない、なんて巫山戯た理由で兄様が命を賭ける必要なんてどこにもないのに……」


 尽きることなく妹の可憐な口から溢れてくる私への苦言と、自堕落に過ぎる師匠への愚痴。これは多分、アグリッピナ氏の配下から色々と仕事を頼まれている精神的負荷が相当に溜まっているな。


 私の時はウビオルム伯爵領の関係者から、判断を仰いで差配するよう頼んでくれと話を持ってこられることは多かったが、それが仕事だったから苦に思いはしなかった。むしろ、普通に直答を許されて然るべき身分の方々が、私なんぞを一々通さねばならないことを心苦しく思ったくらいである。


 しかし、エリザは魔導師にならんとする聴講生。自分の勉強も抱えているのだ。


 それも鳴り物入りで魔導宮中伯なんて新設された、立派な地位に就いた新教授が抱える唯一の直弟子とくれば、一つの失敗とて許されぬような立場であっただろう。


 講義や研究会に出て課題を熟し、論文も読んで自分の研究も進め、サロンや夜会に参加して貴族との繋がりを作った上で唯一の弟子として近似の真似事もする。あまつさえ繋ぎ役として伯の配下から愚痴混じりの頼みを聞かされるとあれば、心労は私が背負っていた物に勝るとも劣るまい。


 厄介事は私が引き継ぐまでに大概片付けたし、短慮に走りそうな不忠者は殆どが〝高い所〟に送られたから物理的な危険は減ったろうけど、仕事量自体は壮絶だったはずだ。


 私が暢気に――命のやりとりは数え切れないほどあったが――冒険者をしている間、エリザが抱え込んだ苦労を思うと何も言い返せなかった。


 「だから、兄様はもっと自分を大事にしていいんです。こんな、こんな姿になってまで……」


 不意に一定の間隔で刻まれていた足音が止まる。私の前で止まった彼女は、精一杯聴講生としての体面を保とうとしていたが、それにも限界が来たようだ。表情が歪み、大粒の琥珀のような目が水気を帯びて光を変えている。


 「エリザ」


 「なんですか、兄様。申し開きなんて聞きませんよ。私は……エリザは怒ってます」


 「分かっているよ。でも、ここには私達しかいない。だから、泣いてもいいんだ」


 それが決壊への一押しだったのか、潤んでいた目から涙が零れ、彼女は私の胸に飛び込んできた。


 片手しかない手を背に回し、大きくなったけれど可愛らしい妹の体を全力で抱き留める。


 強く強く体を抱いてくる手に籠もった力は、私が消えてしまわないかと心配する気持ちが形になったようだ。胸板と首元に幼さが薄れて端正になった顔が何度も擦り付けられ、手が形を確かめるように体の諸所へ伸びる。


 「兄様っ……兄様のお馬鹿……! こんなっ、こんな大怪我までして……!! 普通っ……失ったら戻ってこないんですよ……!!」


 「ああ、分かってる。ごめんよ、エリザ。ここまでしなければ勝てなかったんだ」


 本当に強かった。もし、あの動死体が最初から全力で稼働していたら。屍戯卿が元の肉体を諦めて三人とも収まっていたら。私の熟練度が足りていなければ。


 なかったのは手足では済まなかっただろう。


 「だからっ、そんな危ないこと……しなくていいじゃないですか……!! 冒険なんて、殺し合いをしなくたってできますよ……!! 知らないところに行ったり、昔の遺跡を調査したり……色々あるじゃないですか!!」


 「そうだね、エリザ。その通りだ。ごめんね。でも、私が頑張ることで死人が減ると思ったら、どうしても手を抜けなかったんだ」


 コトに脚を踏み込んだのは、下手に逃げればより酷い目に遭うとモッテンハイムで動死体相手に血で血を洗う防衛線を繰り広げる羽目になったからというのもあるけれど、一番は面倒な案件に巻き込んでくれた死霊術師をぶち殺してやろうと思ったから。


 彼等の事情は知ったこっちゃない。縁故のあるモッテンハイムが危難に襲われ、守る筈だった人々や配下が殺された。報復を志すには十分過ぎる理由だ。


 それにアグリッピナ氏から聞かされた、無血帝が描いた企みからして引き籠もっていたとて平和に終わるはずがないのだ。


 国境線に新たな要塞群を築き、魔力波長によって人の移動を探知する技術まで導入する実験を行うとあれば、会戦によって土豪側が蹴散らされてもマルスハイムは混乱に巻き込まれ続ける。


 散逸して野盗化した土豪や混乱を良しとして他国から送り込まれる工作員。


 何より、シュマイツァー卿が会戦によって討ち取られなかったなら、領内に動死体が放たれることになるのだ。ここで一気に潰しておかなかったら、我々は更なる混迷に巻き込まれ、より大勢の死者を出す危険性があった。


 洒落にならんぞ。普通の物資護衛だと思って剣友会の誰ぞかが出かけていったら、街道の影から四つ足の巨大動死体が出て来たなんてことになったら。


 私なりに考えてやったことだ。アグリッピナ氏が面倒だと思いながらも魔導炉の制御権を相争いながら、刺客を送り込んで誅殺することが叶わなかったシュマイツァー卿が簡単に殺されるとも思いがたい。


 彼女としては千載一遇の機会であったが故、私を放り込んだのだろう。


 そして、私もヤツを殺しておきたかった。利害が一致し、勝ち目があると踏んだからやった。


 万が一、全力の陣容で向かってこられれば屍戯卿を討つことは能わなかっただろうからな。あの巨大な動死体が一機、不調の状態で手負いにさせられたからこその戦果。もしも四つ足の巨大動死体が数機随伴するような状況であれば、勝ち目は万一にもなかっただろう。


 だから反省はするけれど、後悔はしていないんだ。ごめんね、エリザ。


 「兄様にっ……両手で、抱きしめて欲しかった……! いつも、いつも撫でてくれるのは右手だったじゃないですか……!!」


 「ああ、ごめんね。だけど、すぐにくっつくさ。エリザの兄様は強いんだ。簡単に死んだりしないよ」


 「でもっ、でもっ……絶対なんてないんですよ!! あのお師匠でさえ、死ぬような目に遭ったことがあるんです……だから、兄様だって……」


 なにそれくわしく、と思わず言いそうになったが黙っておいた。


 そりゃまぁあ、アグリッピナ氏だってぶっ壊れだが、他にもぶっ壊れた性能を持つ人間は帝国にもいるしな。ライゼニッツ閥が一強ではなく、五大閥の一画に収まっている時点でライゼニッツ卿、ひいてはアグリッピナ氏をぶち殺せる力量を持った教授と同格が最低でも四人いるのだ。


 如何に皇帝陛下の寵愛が篤く、宮中伯という要職に就いていようが徹頭徹尾順風満帆で安心安全という訳にもいかなんだろう。事実、シュマイツァー卿との小競り合いでは処理能力の七割を喰われていたというのだ。彼女が差配する、帝国の今後を占う事業に嫉妬して壮大な陰謀を仕掛けられることなど計上不能な数に及んでいるはず。


 それでも涼しい顔をしていたが、エリザからすると危ないと思うことがあったようだ。殺しても死ななそうな人が危険な目に遭っていれば――あの人のことだから、どうせ見せかけだろうけど――それより弱い兄に不安を覚えても仕方ない。


 「大丈夫だ。私は死なないよ。エリザが一人前になるまで、一体どうして暢気に死んでいられるというのさ。何にしがみついたって生き残って、お祝いを渡すまで死んでいられる訳がないだろう?」


 「いやです……エリザが教授になっても、おばあさんになっても兄様も元気でいてくれないといやです……ずっとずっと、元気で健康でいてくれないと……!!」


 「ああ、約束するよ、エリザのために兄様は死なないから」


 何て安易で守れるかも分からない約束をするものかと自嘲してしまうが、可愛い妹のためなら強がりの一つや二つ安い物さ。


 定命なんて、何の弾みで死ぬかも分からない。それこそ、今日の内に風呂場で石鹸でも踏んでスッ転んで死ぬかもしれないけれど。


 だが、約束することで意識を強くする。心躍る冒険だって、終わった後にキャラ紙を没収されては意味がないのだ。ああ、良かった良かったと帰路に行きつけの飯屋によって、ちょっと酒でも飲みながら思い出話や、残った悔いを振り返られるからこそ冒険は輝くのである。


 あちゃー……と頭を抱えながらの反省会じゃ不完全燃焼だ。


 だから、私はちゃんと生きて帰ってくる。


 そして、願わくは今度はちゃんと、エリザを両手で抱きしめてあげたい。


 「約束ですよ……絶対に。兄様は元気でいなきゃいけません。約束を破ったら酷いですから」


 自分でもどうなるか分かりません、という脅しは滅茶苦茶に効いた。


 今後、もっと気を付けると約束すると、エリザは鼻をぐすぐず鳴らしながら正座を解くことを許してくれた。


 「もう……兄様に会えて、休暇も貰えたのに最初にするのがお説教なんて。兄様は酷いです」


 「ああ、私が悪かったよエリザ。そろそろ機嫌を直してくれ」


 手巾を取りだして涙を拭ってやると、エリザは漸く怒りを収めてくれたのか、冷めたお茶を入れ直して改まった。


 そして、懐から箱を一つ取りだして此方に寄越してくる。


 「兄様は忘れっぽいから、これをあげます」


 「これは?」


 「開けてみてください」


 促されるままに開けてみると、中には一つの耳飾りが収まっていた。


 ピアスだ。真珠を一つだけあしらった簡素なピアスだが、大ぶりな真珠を抱き留める金具には保護術式がかけられており、真珠本体には奇跡が籠もっているではないか。


 「お揃いなんです」


 エリザがはにかみつつ髪を掻き上げて右耳を見せてくれた。そこには揃いのピアスが煌めいており、俄に記憶を呼び起こす。


 「それは……」


 「昔、兄様が贈ってくれた真珠です。覚えておいでですか?」


 忘れるはずがない。昔、お祭りで据え物斬りをやった報酬でエリザに贈った真珠じゃないか。宝石商が並べているそれを見入った彼女に格好良いところを見せたかったからこそ、私はローレン氏の誘いに乗って武器商がやっていた怪しい催し物に挑んだのだから。


 「勿論覚えているよ。大事に持っていてくれたんだね」


 「それこそ当たり前じゃないですか。嬉しくて嬉しくて、寂しい時はこれを見て兄様を思い出していたんですよ? この宝石も嬉しかったですけど、本当に幸せな思い出の一つなんですから蔑ろにするなんてあり得ません」


 心外だとばかりに耳飾りを撫でるエリザ。今も首元で輝いている仔猫目色の藍玉と違って、真珠には魔法が込めづらいらしく装飾品に使っていなかったけれど、こんな贈り物を考えてくれていただなんて。


 「同じ大きさの真珠を頑張って探したんです。台座はミカに作って貰いました。それと奇跡も……お願いしてセスに」


 「そうなのかい!?」


 「はい。兄様が行ってしまわれてからも、親交は続いていました。贈り物にしたいからとお願いしたら、二人とも快く手助けしてくれました」


 真珠は夜陰神が姿を隠してしまった眷属を悼んで溢した涙が形を結んだ物、という神話があるため夜陰神の僧であるセス嬢には馴染みが深い宝石だっただろう。逸話から死者を悼む宝石でもあるが、同時に遺された者の長寿や健康を願う意味も込められていた。


 彼女が請願した奇跡が宿っているなら、これを身に付けていれば風邪の心配は要らなくなるだろうし、ミカが加工した金属が台座なら破損の心配も要らなそうだ。


 「昔から、マルギットだけ狡いと思っていたんです」


 じっと注がれる視線は、今も私の左耳を飾っている桜貝の耳飾りに。無二の相方である彼女が歯で開けた穴に収まって、片時も外さぬお守りを彼女は羨んでいたのか。


 「本当は私が一人前になった時に贈りたいなと準備していたんですけど……危ないことばっかりする兄様には、早く必要かと思うのでお渡しします。つけて……くださいますか?」


 「勿論。こんなに嬉しい送り物は初めてだよ」


 台座の真珠を撫でて、ここ暫くで一番の笑顔が自然と浮かんだ。


 私は本当に世界一幸せな兄だ。私のために師匠が余計なちょっかいをかけられないよう強くなるべく努力するだけじゃなくて、こんなに心強いお守りをくれるなんて。


 「……ありがとう、エリザ。もう一つ、耳に穴を開けないとな」


 左耳にもう一つピアス穴をこさえることになるとは。想像もしてなかったが、正しく望外の喜びだ。癒者に腕を接いで貰う時、ついでに頼んで針を借りるとしよう。


 「もう、一つ空いてるから交換でもいいんですよ?」


 「え? いや、そういう訳にはいかないさ。もう十年近く付けてるんだし、これもないと落ち着かないよ」


 そう応えると、私の喜びに感応してか大変ご機嫌そうだったエリザの表情が曇ってしまう。とはいえ、桜貝の耳飾りも大事なお守りだから、外そうとは思えない。


 「でも、直ぐに付けて欲しいです」


 「えぇ? ちゃんと新しい穴を開けて貰ってから付けるよ。それじゃ駄目なのかい?」


 「兄様は相変わらず女心が分かってません……」


 何が!? と困惑するものの、エリザはぷいっと横を向いて理由を離してはくれなかったし、また風もないのに耳飾りがちりりと揺れたではないか。


 急に拗ねてしまったエリザのご機嫌を取るのは大変に難しく、最終的には〝ピアス穴を彼女に開けて貰う〟ことで、やっと曲がった臍を元に戻して貰うことができた…………。












【Tips】宝石の中には魔法が通りづらく、奇跡への適性が高い物も存在する。

長い複線回収だなぁ……(真珠)


報酬フェイズも終わったので、暫くしたら長く続けすぎて悔いが残った本章もシメに入ります。

そして、6巻発売まであと2週間と少しとなりました。

今回は9割5部書き下ろしですので、何卒よろしくお願いいたします。

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[一言] あれ、エリザって妖精の特性で寿命延びてなかったっけ…? この約束だと主人公も長生きしないと… 不老の取得ってどうなってましたっけ… 読み直さねば…
[気になる点] なんで左耳に二つ付けるんだろう?と思って遡ったら、最初にピアス穴を開けた時にTipsがありましたね。 そういう風習?でしたか。
[良い点] 物理的に食欲を刺激されて何とかこらえたあの方の奇跡が! 新しい贈り物が来たのですから、もうソレはいりませんよね? って怖いわー! [気になる点] ~ 万が一、~中略~勝ち目は万一にもなか…
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