青年期 十八歳の晩春 五六
三日という期間は慌ただしくしていると一瞬で過ぎていった。
同時、慎重を期して気を張った行軍というのも同様である。
「予定通りとはいかんな」
「全くで」
人気の失せた荘の中、集会のため切り開かれた中央の空白地にて髭を捻りながら仰るボーベンハウゼン卿に同意した。
ここ数日、見張りという側面もあるのか側に居ることを命じられているのだが、すっかり側仕えめいてしまった。
丁稚の魂百まで、小間使い死ぬまで下僕根性忘れず、という冗談はさておき、私達は途中に立ち寄った荘に滞在しているが、それは補給よりも救援のためという要素が強かった。
フラッハブルグとノルトシュタットの間には馬で五日間という距離があり、当然それだけの広大な敷地の中には他の荘もある。
面倒であったのは、ノルトシュタット方面の荘から避難してきた者達が、我々について一度荘を見に行きたいという要望を出したことである。
最初から近場の荘の者達は故郷の様子を確かめさせると共に食料を取りに行かせる予定ではあったのだが、彼等は向かう方向が同じなので庇護してほしいと言い出したのだ。
何を悠長なと言いたくなることだが、安全な道にただ乗りできるのであればしたいのが人間心理。そして、それを軽視できぬのが現状の支配者階級である。
これが普通の後方地であるのならば「後にしろ」と至極真っ当な叱りと共に置いてくる所であるが、物資も足りず怪我人も多く人もすし詰めの城から主戦力が退去として抜けて行くのは、避難してきた側の民草からすると酷く不安なものだ。
斯様な状況の城塞に不安を残して立ち去るのは大変よろしくない。
謀反というものは、何を弾みにして起こるか分からないものだから。
戦には貢献したが帰ったら城塞に火が放たれていて何も残っていませんでした、なんてことになったら戦功なんぞ一瞬で消し飛ぶからな。不安定な状況だけあって、さしものボーベンハウゼン卿も民意を強く抑え付けることはできなかったらしい。
まぁ、それはそれで同道できなんだ他方面の荘の者達から、なんでアイツらだけ……と嫉妬を買うことになるものの、卿からすると“まだマシ”と判断なされたのだろう。
悋気が強く頼りない指導者と思われるのと、他の荘民同士に多少の隔意が生まれるのであれば指導者としては前者の方が痛いものか。
荷を担ぎ荷車を引いた――穀物庫から物資を引き上げ、城塞に持ち帰るのだ――荘民達を見て、卿が小さな溜息を溢すのに倣って私も小さく頭を振った。
「ああ、よかった、何も持ってかれてねぇ、これでちゃんとしたモンが食えらぁ」
「爺ちゃん! 銭っこも無事だ!」
「くそぉ、家畜が逃げちまってる……どうすりゃえんだか……」
「焼けたんはステフん倅の家と納屋、それと……」
家や倉庫を漁る荘民達に呆れたのではない。
卿は私を通して聞かされたであろうアグリッピナ氏の予想が的中していることに嘆いていらっしゃるのだ。
普通はあり得ないことだ、襲われた荘の財産に手をつけないなんて。
さて、この世界における軍隊の基本は徴兵軍を精鋭の常備軍で補強しつつ運用するものだが、同時に兵站も現地からの徴収に頼る所が多い。
三重帝国の軍人は兵站を重視し専門の輜重隊も編成することは勿論、歩卒にも冒険者と同じく背嚢を担がせて最低限の物資を携行させる。
それでもいざ始まってみれば足りなくなるのが現実だ。
彼のナポレオン皇帝陛下も兵站を軽視しがちと評価されていたが、その実、大陸軍の編成と運用を紐解くに兵站を偏執的なまでに重視していた。
が、彼はそこまでやってロシアの冬将軍と泥濘に兵站をめたくそにされたため、結果的に兵站が拙かったと言われてしまうのだ。
まるで五百kgの重しを持ち上げられなかったヒト種を筋トレが足りてなかったねと誹られるような話だ。
天才の中の天才が大量の天才と秀才かき集めて構築し、更に今より優れた技術を費やした大陸軍で以てしても完璧とは行かなかった兵站が、それより杜撰な中世初期から盛期の戦闘教義で動いている時代で更に完璧とはいく訳もない。
故に我々は行く先々で物資を求める。買い求めるにしろ奪うにしろ、なにがしかの手段で食い物をかき集めて戦う為の腹を満たす。
そうしないのは誰がどう見ても異常すぎるのだ。
「輜重の要らぬ軍隊か。羨ましいが、あまりに悍ましいな」
「仰る通りで。不自然と言わざるを得ません」
こういった無駄知識はTRPGの大規模戦闘でGM時の語りを強化しようとして仕入れたものだが、今生でここまで役立つとは思いもしなかった。
知らなかったら「はえー、なんでやろ」とアホ面晒してることしかできなんだからな。
「こちらは補給地点を知られ、反面敵はどこであっても行軍できる。悪夢でしかない」
「幸いなのは、敵の起動戦力が殆ど残っていないことでしょうね」
いや、自分達の財産が無事だったことを暢気に喜んでいる荘民達が悪いとはいわない。
私達……まぁ、私は小さな一党の指導者なので卿のそれとは比較になるまいが、ともあれ人を率いる立場にある以上は“最悪”を想定し続けねばならないので、敵が持っている力のデタラメさを知れば知るほど頭痛が強まるのだ。
補給能力に乏しい我々は、行軍する以上はどこかしら物資がある荘や街に立ち寄らねばならぬ。川の水や野伏が狩ってくる鹿なんぞで口に糊をできるのは、精々五人前後の小規模な一党までだからな。
必然、移動経路が絞られて移動中の襲撃を仕掛けるのは容易となる。
ただ、今まで妨害らしい妨害を受けなかったのは、敵側にも自由に動ける起動戦力が不足しているからであろう。
随分と焼いたからなぁ。
モッテンハイムでも大量の動死体を破壊し、貴重な重騎兵を含む騎兵隊を殲滅。
フラッハブルグでも動死体の硬直――時期的に私が屍霊術師の動死体を破壊した頃か――により大量の戦力を失ったため、各地で稼働可能な個体は大幅に減少していることだろう。
更に私が目に付いた情報封鎖の騎士を片っ端から捕らえた上、優秀な斥候であるマルギットが活躍し今日までに“おかわり”が二回もあったことも考えれば、如何に敵が強大とはいえ戦力が払底してきてもおかしくはない。
いわゆる選択肢や前段階での準備や戦闘による補正とやらだろう。以前に正しい選択肢を選んだり敵を倒しておくとクライマックスが楽になるというアレだ。
フラッハブルグが戦略的に落とさねばならぬ要衝であるのなら、予備選力をぶち込んで他は手一杯というところだろうか。
だからこそ、私達もこんな悠長なことをしていられるのだが。
「だとしても警戒は欠かせぬ。気を抜いた所で夜討ちをしかけられては敵わん」
「そうですね、それと……」
「天気が崩れそう、か」
揃って天を見上げれば、雲一つないとはい言わないものの天気はよい……のだが、どうやら暫くすればご機嫌が崩れるらしい。
雨の匂いといった、遠方で降った雨によって立ち上る土の匂いのような我々ヒト種でも察知できる感覚ではなく、マルギットや斥候として付いてきた有翼人の証言なので信頼性は高い。
しかし、ボーベンハウゼン卿の配下は中々層が厚い。騎兵の練度が高いのは当然やもしれないが、斥候として有翼人まで抱えているとは。単に飛べるだけではなく、偵察もできる有翼人というのは貴重なのに。
うん、最初に顔を見た時は驚いたけどね。有翼人の斥候兵と聞いて精悍な猛禽種族かと勝手に想像していたら、私の腰元くらいまでしかないちまっとした鳴禽系の女性だったから。小さな嘴と橙色の被毛が可愛らしい駒鳥さんが出てくるとは思ってなかったよ。
「今日はここに留まる他あるまい。夜間に灯火もなく戦える連中と平地で、しかも縦列の横っ腹を突かれたくはない」
「そうですね……念の為、一党を連れて周辺を見回って参ります」
「うむ、頼んだ」
補給、行軍もさることながら、風雲神を初めとする天候に関わる諸神のご機嫌も我々には如何ともし難い。荒天は我々の敵、となると大人しくお怒りが去るのを待つほかないのである。
いやはや全く、ままならんな…………。
【Tips】兵站。軍隊が動くための食料や物資を補給する機関や部署、及び行動のこと。兵を飢えさせるのは指揮官最大の恥、と呼ばれるほどに三重帝国では重視される。
更には守勢を重視した都市計画を実施しているため、各荘や都市の配置は補給線になることも想定して決定されるなど国家的にも重要視される。また有事には“兵站部”が創設され、各地の余剰物資や積み立てた予算の再分配を行うなど、効率的な戦闘活動を補佐する体制が作られている。
師曰く、魔導師を志す者は死と理不尽を伴侶とする覚悟をせねばならない。
まだ幼い頃、田舎から出て来たばかりのミカが最初の授業で言われたのがこれであった。
魔法使いとして一端となり、研究員に昇格する日が近くなった今だからこそ得心のいく警句であるものの、昔日の無垢な子供であったミカは言葉尻のおっかなさにただただ震え上がったものだ。
代官から推挙され、家族の期待を一身に背負って帝都を訪れ、数日とせず才能を見出されて師を得た順調さを掻き消すような言葉はたしかに子供にとっては重すぎただろう。
しかし、それは事実である。
実験の失敗や巡検中の事故、果ては功績を奪い取らんとする卑劣漢や嫉妬に駆られた同輩からの闇討ち。名誉を求めて申し込まれる決闘に運悪く“知ってはならぬこと”を知ったが故の不幸など、貴族の領域に片足を踏み込む人間が死ぬ理由は幾らでもある。
普通に生きていても何で死ぬか分からぬのだ。注意してし過ぎることはない世界に身を置くのだから、常に注意せよと最初に教えるのも師の優しさといえよう。
「ただ、これはちょっと予想外だったなぁ……」
ミカは短くなった紙巻きの煙草を吐き出しつつ、最近になって新調した長杖を操って術式を練った。唾液が染み込んだ煙草の葉が巻き上がり、触媒として散ることで術式を広く拡散させる。
杖の石突きで崩れた瓦礫をつつき、魔力を浸透させて“砲撃”によって崩された城壁の穴を塞がせる。原型を残して脱落した残骸は時が巻き戻るかの如くもとあった位置へ帰って行き、完全に砕けて駄目になった所は石畳が独りでに剥がされて穴を埋める。
手酷く破壊された筈の市壁は、たった一つの術式で新品もかくやといった美しさを取り戻す。
すると歓声が巻き起こり、散っていた兵が即座に戦闘に戻っていった。
「キリがないな……ちょっと煙草の使いすぎか」
賞賛に小さく手を挙げて応えつつ、ミカは自身のぼやきをなかったことにするように新たな煙草を咥えた。
これで本日七回目の城壁補修。言われるがまま竜艇にぶち込まれ、訳も分からぬまま戦地と化した街に連れてこられて五日目のお勤めは、日々激しくなることはあっても楽になることはなかった。
師の言葉にはミカが知っていることは勿論、能力がある者は“こういった状況”にも遠慮なく駆り出されるぞという意味も含まれていたのだ。
魔導師は官僚的な存在であり、その力の絶大さは様々な場面で活躍する。
ミカが志す造成魔導師は新都市の建造、老朽化したインフラの再構築、現代の利便に合致しなくなった都市計画の再考と多岐にわたって実力を発揮するが、同時に籠城戦においても比類なき有用性を見せる。
下手な攻撃魔法を扱える魔導師よりも、敵が多大な能力を払って破壊した防御施設をあっという間に再建する造成魔導師は戦術価値が高い物だ。
だからこそ、上席にあたる教授から命を受け、今正に燃えさかる修羅場へと送り込まれたのだろうが。
そして、彼はその期待に十全に応えていた。
いや、壁を直し城門を補強するという期待以上の働きをしている。
ミカはエーリヒと冒険に出るなら何かの役に立つのではなかろうかと思い立ち、持ち前の勤勉さをいかんなく発揮して戦場で役立つ魔法も習得していた。
今や川に囲まれた都市の唯一となる進撃路、西の大地は雨も降っていないのに殆どが酷い泥濘と化していた。ミカが地盤を緩め、河の水を流し込んで塹壕さえ掘れぬ沼地に変貌させたのだ。
同時に申し訳程度の設備に過ぎなかった市壁の門も拡充されて三重構造へ変貌し、疾うに破られた第一門――最初からあった門――の後ろには新造した第二門と虎口が設けられ、来客を上下左右から熱烈に歓迎する殺し間を作り上げる。
新たに生やされた櫓から放たれる矢と礫が命無き兵卒を押し止め、前に進むことさえ困難となる膝まで埋まる泥の守りは恐ろしく堅い。
そこに都市に詰めていた代官隷下の魔法使いが加勢することで矢を返し、攻撃術式を妨害することで守りはいよいよ以て盤石となる。怖いのは障壁さえ貫いて城壁を破壊する火砲くらいのものだが、それも狙いは正確とはいえず発射間隔も疎らなため決定的な脅威とはならない。
ミカは改めて自分の仕事の出来映えに満足すると共に、手前一人欠けただけで失陥の危険性がある都市の脆弱さを嘆く。
いや、悪いのは都市計画ではない。要害に建つだけあって一方を重点的に守れば守り抜ける都市は堅牢そのものであり、市壁の高さや厚みも十分に帝国の規格に見合ったものである。
相手がそれでも全く足りぬほど強力で数が多いだけの話だ。
「悪い冗談だ。昔は彼が動死体に好かれているのかと思っていたけど、どうやら僕が惹き付けていた可能性もあるな」
万一にも死んではならぬため流れ矢も飛んでこない詰め所へ引き返しつつ、ミカはこの攻勢がいつ頃まで続くのだろうかと倦怠感を煙に混ぜて溜息を吐いた。
彼が派遣されてくる時点で既に攻勢は五日続いており、現時点で十日目に達している。攻囲そのものは一ヶ月も続いているのだが、終わりはまだまだ見えない。
不死者を敵に回すことの面倒さと厄介さをミカは嫌という程知っていた。
尽きぬ体力、怪我を物ともしない頑強さ、痛みも恐怖も知らない精神。
なにより、今回のは完全に破壊しなければ修復されて戻ってくるという最悪のオマケ付きだ。
戦場であるならば、負傷兵は程度によるものの大抵は戦線に復帰できず兵站を圧迫する重しとなり、復帰したとしても万全より劣る戦力でしかない。
だが、この動死体達はどうだ。矢玉をハリネズミの如く浴びようと、煮え湯を受けて疱瘡患者より酷い有様になろうと動き続け、破損が酷かろうが後方に戻れば修復されて帰ってくる。
その上、昼夜を問わず戦い続けるだけの尽きない体力は、人員を入れ替えてどうにかこうにかやりくりしている側にとっては正に悪夢。
人間はどのような種族であっても飯を食い寝なければ万全の働きはできない。人類の最高峰たる長命種でさえ、戦闘によって消耗した後は栄養を取り眠らなければ万全の状態には戻れないのだ。
「僕が来たことで多少士気も取り戻されたけど……それもいつまで保つか」
斯様な状態にあってもまだ都市の士気が折れていないのは、偏に増援がもたらされたからだ。
五隻の竜艇は、敵側が高価極まる――また政治的な意味でも整備を禁じていた――騎竜を持てなかったのをいいことに、十分な広さを持つ都市の目抜き通りに白昼堂々と降下してきた。
そして治療の奇跡を操る僧、少数ながら精鋭の兵、積める限りの医療物資。
極めつけに都市の護りを厚くする造成魔導師志望の聴講生を一人置いていった。
これは都市が見捨てられていない証明だ。籠城に際し、最も重要なのは耐えれば必ず救援がやって来るという希望である。
諦めた空気が立ちこめつつあったフラッハブルグとノルトシュタットの違いがここにある。個人と国家の目線で戦争の目的は異なり、ここに住む大勢の人間にとっては戦の趨勢に関与することなどさして重要でもなく、必要なのは生き残れるかどうかであるから。
どうあれ守手側がやる気に満ちているのはいいことだ。
ただ、ここまで分かっていてもミカの理解が及ばぬ所もあった。
何故、ここまで追い込まれるまで帝国は状況を座視していたのか。
帝国が有する諜報能力の高さは内側にいてもよく分かる。外国の要人を持て成すにあたって好物を全て用意して「お前は丸裸だぞ」と脅す悪辣さは、何も外にだけ向けられる訳ではない。
西方辺境域の担当者が余程無能か暇すぎて昼寝でもしていなければ、この規模の決起などすぐに見つけ出すはず。
だのに戦力の集積も防備の強化も行わず、暫く襲われるがままにしていた意図は何処にあるのか。
「つっ……頭痛が来たか……僕もちょっと休んでおかないと拙いかな」
考えられることは多かったが、脳が上げる酷使への抗議を受け取ってミカは考えを打ち切った。
それに如何に魔法の専門家であったとしても、所詮は何も知らされていない聴講生に過ぎないのだ。要らぬことを考える必要はなく、況してや考えた結果いいことが起こるとも言い難いならば、少しでも休んでおいた方がよっぽど有益だ。
ここに来てからの経験でいうなら、攻勢は日暮れまでたっぷり数刻は続く。そして、小休止とばかりに数刻だけ大人しくなったと思えば、また陽も暮れて戦い辛くなった頃に再開されるのだ。
少しでも体力と魔力を回復させた方がよいと、ミカは燃え尽きつつある煙草の在庫に思いを馳せる。
そして、舌の上に甘い煙を残していく煙草の味を楽しんでいると脳裏に浮かぶ顔。
あの試錬神から篤い篤い寵愛を向けられている友人が、この修羅場に巻き込まれている自分を見たらどんな表情をするだろうかとミカは笑う。
それと同時に、これ程の鉄火場に居るのであれば、彼も来てくれるのではないだろうかとありもしない期待をするのであった…………。
【Tips】教授や研究員にはある程度の自由裁量権が与えられ独自に行動することが許されているが、それでも行政府からの協力要請には従う努力義務があり、より強制力の強い協力命令に対しては抗命の異議申し立てが通らなければ服従しなければならない。
また協力への要請と命令は、時と場合によっては師を飛び越して弟子である聴講生に届けることも合法とされる。
本日2021年6月25日 予定していた通り本作の4巻上が無事発売とありなりました!
改めて数万文字の加筆修正、及び完全新規書き下ろしのヘンダーソンスケール2.0を収録した新刊をよろしくお願いいたします!
またAmazonのKindleで1巻の割引セール、Bookwalker様にてコイン40%還元セールの対象となっております。
1巻未読という方は、此方も数万文字の加筆と新規エピソード、そしてランサネ様の挿絵を是非ご堪能いただきたく存じます。




