第4話【食事】
何度岩に体当たりをしただろうか。
何度も何度も体当たりしてようやく魚を倒すことが出来た。
倒したあとで確認するとダメージも大したこと無かった。
恐らくパニックになっていたせいで脳が勝手に激痛だと判断したのだろう。
もし本当にあいつの攻撃でダメージを受けていたら俺は負けていただろうな。
まだまだ課題が多そうだ。
なんにせよ、勝てたのは嬉しい。今はとにかく腹が減っているので早速食べるとしよう。
見た目はまずそうだが、見た目で判断してはならないと思う。
人もそうだが、ゲテモノほどうまいって何処かで聞いたことがある気がする。
まぁそんなものは食べて見ればわかるか。
いざ、実食。
……と思ったが、鱗が邪魔で食べれない。
食べようと思ったら刺さりやがった。
まず鱗取らないと食べれないな。仕方ない面倒だが鱗を取っていこう。
鱗を取りだして約5分。
皮を剥いだほうがはやいんじゃね?
って思ったから途中から皮を剥いだ。
確実にこっちのがはやいわ。
それからさらに5分後。
皮を剥ぎ終わった。できれば骨も取り除きたいが、魚の姿じゃどうしても取れそうにない。
なので尻尾落として丸呑みにしようと思う。
もう、邪魔な鱗もないのでいけるはずだ
尻尾は噛みちぎればいい。
それからさらに3分後
以外に尻尾が切れず苦戦してしまったが、なんとか切ることが出来た。
尻尾は少し勿体無いが捨てることにした。
魚体格は俺より少し小さいぐらいの大きさなので、体を丸呑みにしたら他のものは入りそうにないからな。
とにかく、腹減った上でさらに動いたので、もう我慢出来ない。
と言う訳で。
いただきます。
今度は、本当に食べることが出来た。
普通に美味しい。
けどちょっと苦しい。やはり、大きすぎたようだ。
にしてもこの岩の穴が急に塞がったのは何故だろうか。
あの大きいボスっぽい奴のやってた尻尾ブレード的なのもよく分からんし。
住処を出てから、分からない事とやるべき課題が一気に増えたな。
分からない事は考えても仕方ないので、取り敢えず今やらなければならない課題を整理していこう。
課題その一。
『圧倒的攻撃能力不足』
今回の戦いで分かったことだな。
倒すまでに時間をかけすぎていた。
当たり前のことだがただ壁にぶつけるだけじゃ時間がかかってしまう。
何か方法を考えなければならない。
課題その二
『速度不足』
これも今回の戦いで分かったことだな。
途中で気づかれた上に速度の差もこちらが少し速い程度だったので敵に有利な位置まで逃げられた。
恐らくあの魚にとって、岩場は確実に獲物を仕留める場所なのだろう。
鱗の強度を上げてなければ確実に負けていた。
速度についてはひたすら泳ぐしかないので、毎日一定距離を一定時間で行けるようにして、一定期間ごとに目標を上げていけばいいだろう。
課題その三
『鱗の強度』
これまた今回の戦いで分かったことだが、どうもまだ足りないらしい。
壁にぶつかって痛くなかったから問題ないと思ったが、それは面による打撃に強い訳で、牙等の尖ったものによる刺突攻撃に強い訳ではない。
つまりこれからは、牙等による刺突に対しての強度を上げなければならない。
これについては尖った岩に体当たりしていけばいいだろう。
課題その四
『空腹による狂化』
自分で言うのもなんだか、魚を追っている時、俺は確実に狂っていた。
どうやって倒すとか、どうやって食べるとか、そのあたりの事を何も考えずにただただ魚を食べることしか頭に無かった。
そんな事になったら危険すぎる。
周りに危険な生物がいても、気にしなかっただろう。
もし、あの時近くにあいつの仲間や俺以上の大きさの奴がいたらと思うと、生きた心地がしない。というか確実にやられてた。
これについては、空腹にならないよう、定期的に魚を食べればいいだろう。
課題その五
『魚による謎現象対策』
大きいボスっぽい奴と今回の奴が起こした謎現象。
ボスっぽい奴は尻尾から、可視性のブレードを飛ばしてたし、今回の奴は岩の隙間をどうにかして埋めていた。
ほぼ真後ろにいた俺が入るより早く岩を塞ぐことは普通に無理だ。
でも、実際に奴はそれをやってのけた。
つまり奴には、普通ではあり得ないことをできるということになる。
それはこの二体に限った事ではないだろうから、それぞれで対策する必要がある。
これはもっと観察した上で戦えば大丈夫だろう。
課題その六
『食料調達』
課題4にてでた課題。
狂化しない程度に狩り続けなければならない。
しかし、俺が今倒せるのは、今回倒した魚ぐらいの大きさの魚だけ。
しかも別種は観察をしなければまともに戦えない。
まぁ、これについてはがちで観察するしかないな。
今考えれるのはこのくらいだろうか。
今日はもう寝るとして、明日から一個ずつやっていこう。
( ゜Д゜)y─┛~~