プロローグ
私、松本楓真は、高校2年生である。
2年生といえば遊べる最後の年ではなかろうか。そんな年に彼女がいないのは問題だ。大問題である。
しかし、今すぐ作れるかといわれればノーとハッキリ言える悲しさが。
何故出来ないか? 出逢いが無いからだろう。共学なのに。不思議だ。
イヤ、わかっているさ、これは自分の問題だ。この内気な性格が悪い。容姿は悪くないと思いたい。眼鏡を掛けていて、前髪も長く、ザ・オタク的風貌でも。身長もやや低くても、体型がやや細くても、顔はちゃんと見てくれれば『可愛い顔だね』と親戚のおばさんも言ってくれたし!
でも学校生活で自分を変えるチャンスはある。それも複数回。
人、其を『夏休みデビュー』と呼ぶ。
まあ、無理なんですけどね、やった人は凄いよ。実際夏休み明けに雰囲気ガラリと変えてる人いたけど何か場違い感ハンパなかったし、影でコソコソ言われるの耐えられないし。
自分に出来そうなのは精々大学デビューだろうか。……高校生活が終わってる。
溜め息しかでない。こんな自分を変えたいのに出来ない。
せめて何か切っ掛けでもあれば。
チャンスを。
彼女が欲しい。
イチャイチャしたい!!