第一章:外へ
短いです
俺たちは3人で外の世界に足を踏み出した。
外は俺たちがよく見たことがある善側の初心者プレイヤーがチラホラ固まっての歓談、露店で品物を物色、ストーリーモードで道を示してくれるNPCの周りに集団がクエストの受注などなど俺たちが見慣れた、変わらない、普通の「ディファレントワールド」の世界がそこにあった。
変わったのは俺たちだけだ。
健吾『・・・見惚れる気持ちはわかるが後にしようぜ』
俺『・・・わりぃ』
健吾の言葉で我に返り、急いでぐるーを召喚しようと慌てる。
召喚するまでの間に近くに居た初期装備の新人プレイヤーたちが俺たちを見ている。
ここは善の町近くなので悪の高レベルプレイヤーは珍しいのだろう。
だが目立つのは避けたいのでさっさと召喚する。
インベントリから取り出したペット収納箱を開くと中から光が溢れ出し目の前で一つに固まり、光が晴れたときグリーが姿を現した。
近くに居た小さなエルフの少女が驚いた顔をしている。
驚いた表情をさせるには表情アイコンを使う必要がある、それをこの速さで出せるのであればちゃんとアイコンの位置などを設定したそこそこやりこんでいるプレイヤーであると推測がつく。
(仕草はかわいいがどうせ中身はおっさんなんだろ?)
夢も希望も無いことを考えながらきちんとぐるーがきちんと召喚できたことを確かめる。
そうしている間に周りのプレイヤーがぐるーを見つめているのを感じるのでさっさと行こうと思いぐるーを叩き、出てきたウィンドウの騎乗するかしないかの「する」というボタンを押す。
ウィンドウが消えるとぐるーがしゃがみ俺が乗りやすいようにしてくれる。
そして俺は翼の付け根の方に足をかけ乗り込む。
俺『ほれ、乗れよ』
大樹『・・・・わかった・・・・よいしょっと』
大樹に後ろに乗るように促すとその巨体に似合わず軽やかに飛び乗る。
そして俺の腰辺りをがっしりつかむ、おそらく俺の力では振りほどけないほどの力が出ているのが痛みでわかる。
だが今はそれを気にしていられる状況ではないので2人がきちんと乗ったところで出発させるため俺が手綱を握る、するとぐるーはすくっと立ち上がる。
(・・・確か空飛ぶ時はこんなことをしていたよな?)
と少し不安になりながら手綱を引くとぐるーはその大きな翼をバサッと羽ばたかせて空中に飛び立った。
そしてある程度の高さになると健吾がまだついてきていないのに気付きおっかなびっくり手綱を引っ張る。
するとぐるーは少しぐらつきながらその場に一時停止した。
あの場から逃げ出したくてさっさと出発したが昔一回だけしか乗馬したことが無いのに無茶をするなと自分を戒める。
大樹は何も言わず空を見上げている。
大樹は高い所が苦手なので下を見ないようにしているようだ。
(一人で移動するときはどうするんだ?)
と思いながら健吾を待っていると
数十秒で健吾は先ほどと同じようにリューサンに抱かれてこちらに寄って来た。
そして下の方に居るプレイヤーたちがこちらを注目している。
彼らも「白」におそらく気付いたのだろう。
そして合流を果たした後に大丈夫かお互いに確認を取り、目的地の方向に向かって慎重に手綱をきる。
健吾は指をさして進行方向を指示している。
こうして俺たちは拠点から離れ空の寒い空気を身に感じながらゴブリン城下町を目指した。




