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吹部と恋と  作者: 神原 憂
2/5

部長と副部長

16時30分に時計の針が動くと同時に、私はこう言う。


「起立!気をつけ!礼!」


「「「おねがいします!!」」」


「今日は先生が居られないので私たちで合奏をします。」


そう言って前に出たのは、私と鈴華だ。


「チューニングは終わらせた?」


「「「はい!」」」


「ん。


じゃあ一回おりてみて。」


ドーーーーーーーーシーーーーーーーー・・・・ドーーーーーーーーー


「・・・グダグダじゃない。ダメ。最初からやり直し。」


そう言ったのは鈴華だ。


普段こそポワーンっとしているが部活となると笑顔など見せたことがない。


彼女も私と同じで絶対音感を持っている。


そのため、442hzで合わせると決めたらそれに合うまでとことんやり尽くす。


だから、このチューニングだけで毎日1時間以上はかかる。


でも、いくら去年先輩方相手だから言えなくてストレス溜まっていたとはいえ、今のしごきは半端ない…


そうこうしているうちにチューニングが終わり、合奏にはいる。


ここからは私の出番だ。


「じゃあ、楓ちゃん。後はお願い。」


部活の時はあの不気味な笑いもなくなるようだ…


「ん。じゃあ、ちょっと通してみようか。」


すると、課題曲と自由曲の演奏が始まる。


2月から練習しているだけあってそれなりに音はあってきている。


まあ、あの鈴華のスパルタな音合わせがあるからだともおもう。


「はい。終わったね。フルートの人自由曲のはじめからやってみて」


「「はい」」


〜♪〜〜♪〜〜


「そこまで。一体何を考えてやってるの?ぴゃーぴゃーぴゃーぴゃー吹いてるだけ?この前注意したところ全然直ってないんですけど。もう一回」


〜♪〜〜〜♪〜


「少し意識すればできることじゃない。ちゃんと考えてね。」


「「はい」」


「あとさ、トランペット!なにそれ全くキレがない。この曲はトランペットすっごい目立つんだから、きちんと吹いて。ばーばーってヘボか。

それに中音!なにその支え方。きちんと支える!低音も!したからきちんと支えること。バカみたいにぺーぺーぺーぺー吹いてなにが楽しいの?・・・・・・」


その後も私の説教?は続く。


一通り言い終わると、私は毎回のように言うことがある。


「はい!これで一通り言いました。さあ!これでどのくらい成長するのか。たのしみだなぁ〜ふふ笑それではみんな元気を出して!はいもう一回!」


「「「はい!!」」」








もう一度先輩たちに聞いてみる。


「言っていることは、正確だと思いますか?」


30人全員挙手。


「では、彼女たちはしっかりしてないけど部長、副部長に向いていると思いますか?」


30人。全員挙手。





















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