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水の理  作者: 古流 望
1章 異世界での独り立ち
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001話 プロローグ

私たちが居る世界と、とてもよく似た世界のお話。

もしかしたら、私たちにもある日突然起こり得るかもしれない、少し不思議なお話。

 始まりは“無”であった。


 全てはそこから始まり、最後に行きつく先もまたそれであった。



 「光あれ」


 もしも造物主が居るのならば、発したであろう御言葉と共に、世界は光に満ちた。

 想像を絶するエネルギーと熱量の塊は、急速な膨張を始める。


 ビックバンとされるその現象は“時空“の生まれた瞬間でもあった。


 物質と反物質が生まれ、重力が生まれて中性子と陽子が生まれる。

 世界の物理法則が良く出来ていることに感心しつつ、やがて重水素が生まれ核融合が起きる。


 核融合から生まれたガスは、重力により互いに引き寄せられていき星となる。

 星には何時からか天と地が生まれ、気の遠くなるような時間を掛けて星は冷めていく。


 この世界に奇跡があるとするならそれであると、科学者は言う。

 天と地の間に生まれたのは「水」であった。


 ほんの僅かにでも何かがずれていれば、生まれなかったであろうその奇跡の液体は、ひとつの星を命溢れるものとした。

 奇跡の星とも、至高の宝石とも言われる星、地球はこうも言われる。


 「水の惑星」


 水は奇跡の体現であり、世界の法則が結実したもの。

 それが事実であることを、その星に生きるものは否応なしに実感する。水がない状態ではどの生物も生きられないからである。

 生きとし生けるもの全て、水のことわりから逃れることは叶わない。


 世界の法則は厳然たる事実として何時の時代、何処の世界にも存在した。

 文明が進み生物が星と星とを行き来する高度な世界にも、見上げるほどに大きな爬虫類が我が物顔に跋扈するジュラシックワールドにも、未だ高い文明を持ち得ず、まるで中世ヨーロッパのような世界にも、全て当然の如く存在した。


 奇跡は続く

 数多あまた生まれた時空の中で、今とはほんの少しだけ何かがずれた世界。位相が誤差程度にずれた世界でもまた奇跡は起きていた。

 そこにもまた水の惑星があり、命を育んでいた。

 違いがあるとすれば、その世界には重力や引力以外にも作用する力があったことだろう。


 そう「魔力」があった。


 この物語は、そんな“少し不思議“な世界に落ちた青年の、剣と魔法の物語。


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