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完全敗北  作者: 葉月茉莉
8/15

お久しぶりです。

完結しますといいながら、申し訳ございません。

今度こそ完結まで。

「好きなだけ食べろ」

 と透から作った料理を差し出されても、一意の心臓はまだどきどきしていて、食事どころではない。



 聞きたいことは、たくさんある。

 さっきの言葉の意味。


 からかっていただけなのか。

 料理を作ってくれた理由も聞きたい。


 明らかに一意は動揺していた。


 その動揺を押し隠すように、一意は野菜炒めをとにかく勢い良く詰め込む。


 一意が食べている間、透は一意から視線を外さない。


 そのため落ち着かず、なんだか食べづらい。


「透は、食べへんの?」


 じっと見詰めてくる透に耐えかねて、尋ねてみても、にっこり微笑まれてはぐらかされた。透のそんな微笑みにますます心臓が煩くなる。


「美味しいか?」

 そう聞かれても。

 正直味なんか分からない。


「うん」

 それでも、一意はごまかすように勢い良く頷いた。


 そう答えるだけで精一杯だ。


「そうか。良かった」

 一意に美味しいと言われて、透は安心したように笑った。


 その笑顔にどきっとする。


 これ以上、ここに居たら心臓がもたないかも知れない。


 一意は、箸を置いた。



「もうあかん」

「何が?」

「俺の……、心臓が、壊れそうや」

「なんで?」

「透の所為や。お前が……からかうから」

「からかうって?」

「さっきから、その……、」


 言葉にしようとして、一意は言い淀む。

 恥ずかしすぎて言葉に出来ない。 


「ん?」

「いや、だから……。やっぱり良いわ。なんでもない」


 気を取り直して、食べ物に集中しようと箸を持った。

 その手を透に掴まれた。


「透?」

「俺が、治してやろうか?」

「何を?」

「決まってるやろ。一意の心臓」


 治す? どうやって?


 確かに透にしか治せないけど。一意の透への恋心は気付かれていないはずだ。


 また、からかわれてるんやろうか? 俺。


 そんなことを考えていると、一意の顎に透の手が添えられた。


 いつの間に移動したのか。

 テーブルの向かいに座っていた透は隣に座っている。


 驚く間もなく。

 ゆっくり上を向かされた。


 そのまま、唇に柔らかいものがあたる。

 気が付けば透にキスされていた。


 驚きに目を瞠る。

 思考が追いつかない一意は、されるがままになっていた。

読んで下さりありがとうございます(。˃ ᵕ ˂ )ƅ

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