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短めです。
「じゃあ、答え教えたから。一日一意のこと好きなようにして良いか?」
言いながら、透は下半身に触れてきた。
「俺の勝ちだろう?」
耳元で囁かれて、下半身を撫で上げられて。
全身が震える。
「や、……待って」
「まだ何かあるんか?」
「やって。その答えがあってるかどうか分からへんやん」
透の勘違いの可能性だってあるし。
そう、まだ負けたと決まったわけじゃない。
「じゃあ、言い方を変えようか? 俺はお前が好きだ。入学式で一目ぼれやった。ジュースの自販機の前で再会したときはチャンスだと思った。好きだ。だから抱きたい。一意は?」
いきなりな展開に、もはや一意の思考は完全にストップしてしまう。
透のことは好きだし。
キスも、それ以上のこともしたいと思っていたのは事実だけれど。
いきなりこの展開にはついていけないのも事実だ。
一意が迷ってる間に、返事がないのを良いことにさっきから続いていた下半身への刺激が激しくなっていく。
「一意?」
俺のことどう思ってる?
耳元で囁かれて。
思わず、
「透が好きや」
そう正直に答えた。
首筋にキスが降りてきた。くすぐったさに身を捩る。
透の気持ちは嬉しいが、やっぱり急な展開に付いていけないのも事実で。
「あかんって」
流されそうになって、抵抗した。
まだ、透と両想いになれたことが、夢のようで。信じられない。頭がごちゃごちゃしてついていかない。
しかし。
「一意。愛してる」
この透の言葉で、あっさり陥落した。