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好の壺・選  作者: 猫舌威
7/10

其の六 博物館


博物館が好きです。

……好きでした。


ここまで現在進行形の『好きなもの』を書いてきましたが、ここに関しては『好きだったもの』と言わなくてはなりませぬ。

再び訪れるには、私自身に目眩&熱中症という、他人のお世話にならざるを得ない障害が立ち塞がったからです……(泣)。遠出はもう、怖い。

なので、好きだったお勧め博物館をご紹介。



歴史系二次創作イベントに年2回ほど東京出張していた頃。ある日ふと、せっかく東京来たんだし時代劇小説の舞台を歩いてみたいと思いました。


時代劇といえば深川。

なんかそう思いました。ビッ◯サイトから行きやすかっただけかもしれませんが(笑)。

この頃はまだ時代劇小説書こうとは思ってません……が、土地の息づかいみたいなものを足で感じたかったのはあります。川の広さや、地図じゃわからない高低差とかね。


深川に行くにあたり目指したのが

●江東区の深川江戸資料館


地区のコミュニティセンター的な役割も持つ小さな博物館です。

地下鉄の清澄白河駅の通路に案内看板がありますので参考にしましょう(あれ見なきゃたどり着けなかった)。口ではあのルート説明できん。


ここは江戸時代の深川佐賀町の一画を、ほぼ原寸大で再現しています。長屋の家族の部屋から、舟宿の猪牙舟と水路、水茶屋のたばこ盆など小道具まで、家に入り手に取って遊べます。

そしてそれらを解説する説明板が一切ありません。知りたいことあったら、解説ボランティアの爺ちゃんたちを自分で捕まえて質問します。


ある時、団体客への『屋台の稲荷寿司売り』の説明を終えた解説爺ちゃんを捕まえました。


「あの、屋台って言ってましたけど、これどうやって運んできたんですか?」


他の天ぷら屋などの屋台は、今の露店と同じく腰の高さの台に商品が並んでますが、稲荷寿司は20センチほどの箱を台座に、ミカン箱くらいの小ささの祠(多分稲荷を掛けてる)。それを地面にじか置きだったからです。


「いい質問ですね」(ニヤリ)「どうやって運んだと思います?」

「(池上彰か。)そのうしろの、舟が停まってるとこにオールが3本あったんですけど、3本って変ですよね。あのうちの1本ですか?」

「当たりです」


爺ちゃんニヤリ。

オールに見せかけた天秤棒があり、台座(寿司の入れ物)と祠(ディスプレイ棚)を棒手振りタイプで運んでくる屋台だったのです。

団体客にはそこまで説明してませんでした。気づく人だけが気づく仕掛け。

爺ちゃんはその後も「もっとありますよ、探して下さ〜い」と私の謎解きに付き合ってくれて、結果20分以上も独占してしまいました。楽しかった!

爺ちゃんたち元気かなあ。


ここの前にある深川めし屋(支店いくつかあり)も好きです。あさりの炊き込みご飯か味噌汁ぶっかけか選べます。

江戸の深川めしとは、あさりの味噌汁をごはんにぶっかけたものを言います。短気な江戸っ子がそうやって食べたのだとか。

私は炊き込み派。猫舌+食べるの遅いため、味噌汁ぶっかけだとふやけてエンドレスねこまんまに……。




●江戸東京博物館


両国の国技館のおとなり。通称『江戸博』。

修学旅行で東京に来るならここがいい!と本気で思います。どでかい!

総武線で行くときは、両国駅の出口に要注意。ホームにある『国技館、江戸博方面出口』の看板を見逃すと、めっちゃ遠回りになります…。正しい出口からだと5分で到着。


圧巻はなんと言っても、原寸大で再現されてる日本橋。ただし長さは二分の一(^^;)この日本橋の左右に、江戸ゾーンと明治東京ゾーンがあります。

長屋のセットあるけど、ここのは入れないんだなあ。

テンション上がったのは、『御家人斬九郎』のED曲で背景に使われてた江戸市中ジオラマがここにあったこと(笑)。


江戸ゾーンは深川江戸資料館の上位互換(笑)。さわれる分だけ私は深川の方が好き(^^;)

明治東京ゾーンには(2019年時点では)、浅草十二階のジオラマや、オリンピックでの水泳の前畑秀子さんへの応援で有名な「頑張れ前畑!」の音声が聴けたりなど、大河『いだてん』関連の展示が充実してました。


売店が好き!かなり品揃えの流動が激しくて、次回買おうと思ってたものが消えてたりもする…。欲しかった書籍けっこうあったのに……手持ちが気になって次こそはと思ってたのに……。

鎖国時代の、オランダ東インド会社の紋章入った絵皿のミニレプリカはお気に入り。買えて良かった!

深川の古地図のレプリカも買ってて、去年たまたま拡げたら、版元の須原屋さん(大河べらぼうの里見浩太朗さんの店)の刻印を発見。驚喜。


マスコット人形ギボちゃん(日本橋の擬宝珠(ぎぼし)の妖精)は、個人的には微妙(笑)。

擬宝珠とは、橋の欄干についてる、ぴちょんくんみたいな形の装飾品。幕府が造ったんだぜ!ていう目印です。


長いこと改修工事してたけど、どれくらい変わったのかな。



●国立科学博物館


上野公園の中にあります。通称『科博』。月曜定休……知らずに行って友人と泣いた(^^;)確か江戸博もだったかな。


あの辺は美術館たくさんありますが、私はこっちが好き。建物そのものが重要文化財……国宝だっけ……?武骨で重厚、華美ではないけどお洒落。明治期のカッコよさが詰まってます。

ここも売店が好き!お土産買うためだけにここに来ます(笑)。

古代生物ぬいの品揃えの多さよ…!!メンダコとダイオウグソクムシの可愛さはここで知りました。

あと日本固有生物手ぬぐいシリーズ(笑)。日本に生息する蝶の手ぬぐい、日本に生息するサンショウウオの手ぬぐい、日本に生息するコウモリのetc

友人に贈ったらお父さんが気に入り、額に入れて飾ったとかなんとか(笑)。


まさか経営難であんなことになるとは……;



●迎賓館


言わずと知れた、ですかね。

海外の賓客を迎えるための、The国宝。博物館ではないけど、ここそのものが美術品です。

どうやって行ったか忘れた……。不審人物に見えないように心がけました(笑)だって皇族のかたが通うあの学校の前を通るんだもの。


息を呑む、としか言えない美しさ。全体は洋館なんだけど、壁の絵が七宝焼だったり、和もほんのり感じます。

残念ながら訪れた日は雨天。前庭にはキッチンカーが4台ほどいて、晴れてたらアフタヌーンティーを頂けるんですが、閉まってました。


友人と「この建物、前庭のど真ん中で見たい!」「でも前庭広すぎて気後れ……」(軽く500メートルトラックくらいの石畳)と正面玄関の前でもだもだしてたら、前庭にいたカッパ着た警備員さんに「遠慮せず来ていいよ」と笑顔でジェスチャーを受け、ならば!と雨にも負けず前庭に飛び出ていって写真撮りまくりました。もちろん全体なんか収まりませんがね!


異世界ものを書いてる人は一度体感を、というエッセイを最近見ましたが、まさにです。


ついでにお勧めは、

●旧岩崎邸庭園

上野にあります。庭園といいつつ邸宅も入れます。

三菱財閥創始者、岩崎弥太郎の長男の邸宅です。大河『龍馬伝』見てたらニヤリとする名前ですね。


ちなみにここの所在地名は、上野池の端。江戸時代はラブホ(出会い茶屋)街として有名だったとこなのですが、不忍池からの道程に名残りまくってます(笑)。

でもまぁ風光明媚なとこでもあるから、こんな豪邸も建ってるんでしょうけど。


迎賓館ほどのチェックはないので気楽。畳の間でお茶も頂けて、和風異世界の令嬢気分を味わえます。

邸宅の中から庭の目立たない建物に抜けられる脱出用地下通路とかありますよ。入れないけど。




江戸東京たてもの園も行ってみたいけど遠かった…。

最後に東京行ったのはコロナの前年。やっと落ち着いて制限なくなったのに。

いや、行けば行けるのは分かってるけど、万が一を考えるとね……。そして私はわりと万が一を引き当てがち。


そしてこの辺りを歩いた体感が、三養堂にもちらっと活かされております。多分。


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