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好の壺・選  作者: 猫舌威
10/10

其の九 江戸時代


はたしてこれを好きな『もの』と言っていいのかどうか(笑)


なんちゃって時代劇小説を書いてるのでお察し頂けてるとは思いますが、江戸時代が好きです。

めっちゃ漠然としてんな。


いや、厳密には、江戸時代を作った狸は嫌い(笑)。西軍びいき(豊臣びいきではない)、石田三成ファンなので。

漫画で読む日本の歴史(全20巻)というのが2種類、計40冊、小学校の図書館にあったやつ読破して、その頃から狸嫌いです。それ読んで好きになったのは平将門、平清盛、石田三成でした。

負け組が好きということではなく、愚直で一本気、誰かのために義を貫く人が好きな感じです。

なので、脅迫と二枚舌で天下取って、死んだら神として祀れとか言う狸は嫌い。


江戸の街でたくましく優しく生きる名もなき人たちにはリスペクトします。


あ、でも江戸時代解説本みたいなので読んだ、『江戸時代すばらしい!現代日本に比べて政治家は有能だし暮らしはエコだし、今の日本人は江戸時代を見倣え!俺は家電なんか買わないぜ!』ていう作家には全く共感しませんけども(笑)。

家電なくても電気は使うだろ。電気ガス水道、食料医療の技術革新……現代の恩恵たっぷり受けといて何を言ってるんだと思う。


江戸の良いとこは良いとは思うが、別に立ち返りたいとは思わない。役人に陰で文句言ったら罪になるから、この作家は江戸時代なら犯罪者だと思うんだよな(笑)。



さておき。

江戸時代といっても長いので、その時々で気質も文化も違います。

ざっくり言うと、初期(作品でいうと大河『葵徳川三代』とか)、中期(『暴れん坊将軍』大河『べらぼう』とか)、後期(『眩』かな?)、幕末(大河『新選組』『篤姫』とか)と分けられます。


中でも私が好きなのは、江戸中〜後期の文化文政期と呼ばれる期間(1800〜1830年くらい)。将軍でいうと11代目(この人ひとりで260年中50年将軍やってる)。

浮世絵や芝居などの町人文化が最も花開いたと言われる時期。滝沢馬琴、十返舎一九、葛飾北斎、歌川国芳、歌川広重、月岡芳年などなどが活躍します。

蔦重の蒔いた種が芽吹いたんだなぁと思うと、べらぼうファンとしては感慨深いです……。


江戸の安定期なのか、文化文政期は時代ものの舞台になりやすい気がします。

その少し前の寛政時代も含むけど、『澪つくし料理帖』『ぬけまいる』『蕎麦屋幻庵』『鼠、江戸を駆ける』などはその期間が舞台。

十返舎一九の『東海道中膝栗毛』が旅行ブームを作ったり、寄席や料亭が人気になったり。庶民にまで節約を押し付ける寛政の改革も終わったし、庶民のフラストレーションが解放された時期なのかも。


リアル江戸へのリスペクトもあるけど、設定としての江戸も好き。

江戸時代はファンタジーなのです。

比較してみましょう。


・絶対的身分制度。

→士農工商ね。


・文武両道が出世の基本。

→武士は剣もお茶も舞も書画も狩りも嗜まなきゃいけないからね。家格が上ならなおさらね。


・絶対的権力の王様、王族がいる。

→徳川ね。


・王族に血筋が繋がる大貴族がいる。

→御三家(水戸、尾張、紀州)、御三卿ね。


・大貴族の下に中小の貴族がいて、各領地を治めている。

→各地の譜代、外様大名家ね。


・みんな大好き辺境伯もいる。

→佐竹家、毛利家とかね(実際明治期に侯爵、公爵になりました)。


・王族に内心は反抗的な貴族もいる。

→島津家、武田家とかね。


・中貴族の娘が王族に嫁ぐこともある。

→篤姫とかね(薩摩藩一般武士から藩主養女を経て将軍の妻になりました)。


・平民の娘が貴族に嫁ぐこともある。

→笠森お仙とかね(笠森稲荷神社近くの茶屋の娘。江戸一の美少女として一躍有名に。旗本に見初められて玉の輿婚しました)。


・貴族より裕福な平民、商人もいる。

→紀伊国屋文左衛門さん(吉原遊廓を貸し切りにした豪商)、庄内の本間さん(東日本の藩がめちゃめちゃ金融通してもらった豪商)とかね。



なのでやろうと思えば、笠森お仙が家定にすりよって篤姫を冤罪で断罪するイベントができる。

まぁ、そのあと完璧にざまあされる絵しか見えないけど。篤姫のバック凄いからな……


宰相(田沼意次さん)の命令で、辺境伯家(佐竹)の姫が反抗的な貴族家(島津)に側室として嫁いで大切にされたりも実際ありました。


吉宗は冷徹なシゴデキで王族の頂点に立った大貴族の四男だし。ライバルは同じ大貴族の尾張の宗春さん(尾張藩主にしてトラブルメーカーだけど領民にめっちゃ人気)。


王族の姫が平民の役者と恋に落ちて、王の寵愛をめぐって泥沼の粛清が起きたりもしたな……(絵島生島事件)。



……とまあ、異世界恋愛とかファンタジーでよく見る展開は、江戸でわりと起きてる。

『財前姿子』を書いたとき、このへん想像して楽しすぎました(笑)。更新停滞してますねすみません……


単に江戸雑学を見たり読んだりするのが好きなんですが、執筆に活きるとなお良いんですけどね。

『三養堂』を書くときは、根底にこれらを意識しながら書きます。ちらちら見え隠れするくらいに文章に挟んだり。



こんな感じで私の『好きなもの』を集めてみました。共感して頂ける事柄がありましたでしょうか。

いま現在、体はともかく心がぐっちゃぐちゃな状態なので、前置きにも書いたように自分で読み返して心を落ち着けてます。いやマジで……。


とりあえず執筆と趣味に没頭できる大正ロマン部屋に住みたいなぁと、部屋の模様替えを計画中です。


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