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賢者の本

作者: 小雨川蛙
掲載日:2025/12/21

 その賢者は本とともに世界へ訪れた。

 何か大きな問題が起きても必ず本を読んで答える。

 完璧な答えを。


 飢饉が解決した。

 疫病が姿を消した。

 戦争が終結をした。


 人々は賢者を讃えたが、賢者になり損ねた連中は懐疑的な視線を彼に向けていた。


「奴が優れているのではなくて本が優れているのでは?」


 そんな考えが賢者になれなかった者達の間では囁かれていた。

 何故ならそれほどまでに賢者は問題解決に対して本に頼っていたからだ。


「まるで辞書を引くように」


 ある時、遂に賢者に嫉妬した連中は賢者を殺して本を奪った。

 果たして本の中身は予想通り数多くの問題の解決策が記されていた。


「これさえあれば誰でも賢者になれる」


 彼らは喜んだがそれだけでは終わらない。

 なにせ、この本を誰が所持するかを決めていなかったのだ。



 そして、現代。

 賢者の本は未だに見つかっていない。

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