第十二話〜鍵の行方〜
「俺は落とし物として届けられてないか聞いてくるな。」
たこきれはそう言うと、どこかに行ってしまった。
「よし、さがそう。」
たこしはそう言うとちびたこの手を引く。
「落としたのはこの辺りであってる?」
たこしはちびたこに尋ねる。
「うん、このあたりだったと思う。」
二人は周りを見渡す。
プールのそこに沈んでいるわけでもなかった。
「ん〜、どこに落としたんだろ。」
ちびたこは記憶をさかのぼるが、遊ぶことに集中していて詳しくは覚えていない。
「プールに沈んでるかなって思ったんだけどな。」
たこしはほかに思い当たる場所がなく、困りはてる。
そこにたこきれが戻って来る。
「鍵は届けられてなかったぞ。」
どうやら落とし物コーナーにもなかったようだ。
「なかったの!?」
ちびたこは驚く。
「もうすこししたらまた行ってみる?」
まだプールが開いて間もない時間帯で、一度も休憩時間を挟んでいないため、次の休憩になったらスタッフさんが落ちてるところを見つけてくれるかもしれないと思ったのだ。
休憩時間になるとプールに入っていた人がみんなプールサイドにあがるので、落ちているものが発見しやすくなる。
次の休憩まで、三人はプールを楽しむことにした。
「流れるプールもう一周しよ!」
ちびたこは流れるプールが気に入ったようだ。
「いいよ。」
「しかたねぇな。もう一周したら、ウォータースライダー行こうぜ!」
たこきれは奥に見えるウォータースライダーに視線を向ける。
「僕もすべる!」
「僕は高いほう〜♪」
二人も乗り気のようだ。
「そうと決まりゃあはやく一周するぜ!」
「そういえばたこきれのロッカーって何番だったっけ。」
ふと、気になったたこしがたこきれに尋ねる。
「えーとな、十九番だったな。たしか。」
たこきれはなんとなく番号を思いだす。
「でもたこきれの腕についてるロッカーの鍵は『十八』だけど。」
「「えっ?」」
たこきれとちびたこはそれを聞いて驚く。
「俺は腕にロッカーの鍵つけてねぇぞ。」
たこきれはそう言うと、ゴーグルのレンズとおでこの間の隙間から鍵を取り出した。
「いや、どこに入れてるの??」
たこしは驚きを隠せない。
「腕につけてたら落とすかなって。」
「それでもゴーグルのところに入れるかな~?」
二人が会話をしていると
「思い出した!!」
と、ちびたこが大きな声を出した。
「どした?」
たこきれが尋ねる。
「僕、鍵落としちゃいそうだったからたこきれの腕につけたんだ!」
「えぇ?」
たこしはまた驚く。
「じゃあ、これがちびたこのか。」
こうして見つかったのロッカーの鍵。
これからは自分の腕につけようと決めたちびたこであった。




