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アッシュウェイトをつけ始めて3時間が立っていた。
今ダットレイは森の中にいる。
アッシュウェイトは喫茶店を出た後に町のスーパーに行って食料を買い込んだあと町のはずれにある森林に足を運んだ。
森に入ってからも特に迷う素振りもなく奥へ奥へと進んでいる。
生徒を監禁した場所に言っているに違いない。ダットレイはそう感づいた。
そのまましばらくついていくと大きな崖に差し掛かったアッシュウェイトは少し曲がって崖に沿って進んで行くと崖の向こう側に繋がる橋が見えてきた。
アッシュウェイトそこで手に持っていたビニール袋を地面に置いてしゃがみこみ橋の支柱の方を確認する。
何をやっているんだ?
何をやっているのかは分からなかったが、しばらくするとアッシュウェイトは再びビニール袋を手に取って橋を渡っていった。
しばらくしてアッシュウェイトが完全に向こう側の茂みに消えたのを確認してからダットレイはその橋を渡ろうと橋の入り口の方へ急ぐ。
早く追いつかなければ、、そう焦って少し早歩きで橋を渡っていく、、、そして橋の中ごろまで来た所でダットレイは気づいた。
向こうの木の陰からアッシュウェイトがこちらを見ていることに、、、ばれた!気づいていたのか
思った瞬間体が浮いた。
その原因を探ろうとして後ろを振り向くと橋の支柱に結ばれていたロープが根こそぎちぎれていた。
しまった、、、やられた!そう思ったときにはダットレイの体は完全に宙に投げ出されていた。
バシャン、、ダットレイの大きな体は崖の間を流れる水面の表面にぶつかってそんな音を立てて、沈んでいった。
ガボコポ、と変な音を口の中から出しながら必死に酸素を求めたがその試みの意味はないらしく川の流れに流されながらダットレイの意識は少しづつ薄められていった。
「ゴホッ!」
次目を開けたときにはそこは海岸のコンクリートブロックの上だった。どうやら海に流れ出たところ漁師が発見してくれたらしい。
「あんた、、大丈夫か!待ってろ今救急者呼ぶけ」
男はダットレイに声をかけてポチポチと携帯のボタンを押した後その画面を耳に押し当てる。彼が一体なにをしゃっべているのかも分からないままダットレイは再び深い眠りに落ちた。
ピーピーピー聞こえてきたのはあの漁師の声ではなく病院の機械的な反響音だった。
ここはどこだ?それを確かめるために首を右に傾けると真っ白い壁と翡翠いろのカーテンが見える。
ああ病院に運ばれたのか、、それで状況を確認したダットレイはゆっくりと真上に首を向けてしばらくボーっとしていた。