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令和転生紀~平敦盛

我が名は、(たいらの)敦盛(あつもり)


一の谷にて、熊谷(くまがい)直実(なおざね)なる武将に会った。最初は、誰でも良いから平家の名のある武将の首を取り、武勲を挙げたかったらしい。


偶然か必然か、私はこの熊谷(くまがい)直実(なおざね)に討ち取られることになる。望み通り、私の首をくれてやったにも関わらず、この熊谷直実は、私を討ち取った後、涙を流していた。


私から見て熊谷は、私の父親ほどの年齢であり、熊谷から見て私は、自分の息子ほどの年齢だったようだ。


いくら平家の名のある武将とはいえ、まだ17と、年端も行かぬ、笛を吹くのが得意の少年を討ち取らねばならなかったことを痛ましく思い、涙を流し、心を痛めていたという。




ところが、次の瞬間だった。


ふと、気がついた。なんと、ついさっき熊谷(くまがい)直実(なおざね)に首を取られたのだ。それなのに、私の首と胴体は、討ち取られる前のまま、つながっているではないか。


ここは、黄泉の国なのか?いや待て、ここはどうやら、一の谷のようだ。しかし、様子が違う。


近くには看板があり、そこにはこう書かれていた。


一の谷古戦場


古戦場だって?ついさっきまで、平家と源氏が戦っていたのだぞ。


あとでわかったことだが、なんとここは、令和という、私の本来生きていた時代よりも、はるか未来の時代であるという。


つまりここは、令和の、未来の時代の一の谷、だから、一の谷古戦場なのだ。


そこに、女が現れる。その女の名字は熊谷といい、あの熊谷直実の末裔(まつえい)だと聞いているという。なんということだ、こんな運命の巡り合わせがあっていいのか?


いや、考えようによっては、もう一度今度は別の人生を生き直せという、神のお告げなのかもしれない。


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