表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/26

ウソ歴史 安徳天皇は生きていた

もしも、安徳天皇が生きていたら。


安徳天皇は、歴代の天皇の中でも最年少で崩御した、なおかつ、戦乱の中で命を落としたということが記録されている唯一の天皇である。


ここからは、若くして命を落とした、さしたる功績も挙げられなかったような人物たちに、救済の手を差しのべる内容。


安徳天皇。平清盛の専横により、わずか3歳で、訳もわからず天皇の位に就かされた。


源氏との戦になって、都から連れていかれた先は、だんのうら、檀ノ浦という所。


一ノ谷、屋島、いろんなところを連れ回され、最後にたどり着いたのは、(だん)(うら)


まわりの大人たちの都合で、無理矢理、名前だけの天皇にさせられ、挙げ句、追い詰められると、海の底に飛び込まされる。


享年、わずか8歳、何のために生まれてきたんだ。


自分の人生、自分の意思で、何にも生きてないじゃないか。


二位尼「さあ、海の底にも、都はあります。」


本当は、海の底の都よりも、自分の人生を生きたかった。


そこで、思いがけないことが起きた。安徳の手を繋いでいた、二位尼の手がほどけ、安徳は海面に向けて上がっていく。


二位尼は、そのまま沈んでいった。


二位尼とは違う、手の感触があった。その手が引っ張り上げるのを感じていた。誰かと思った時、再び意識を失った。




「おーい!浜に少年が打ち上がっているぞ!」


そこには、年の頃は8歳ほど、高貴な身分の者が着るような装束を身にまとった少年が、仰向けになっていた。


安徳は、(だん)(うら)から程近い、浜辺の村の漁師たちによって助けられる。

そして、そこには平家の残党の兵たちや、女官たちも何人か海から助け出されていた。

一度は海に飛び込んだものの、死にきれずに浜辺に打ち上げられたのだという。


ようやく意識を取り戻すと、漁師の村から、さらに山奥の村に来ていた。源氏の手勢が平家の残党を、落武者(おちむしゃ)()りと称して、つけ狙っているのを、村人たちの助けもあり、ここまで逃れてきたのだという。


女官「ああ、ようやく目覚められましたか、(みかど)

何があっても、あなたさまは私たちの(みかど)にございます。」


女官は涙を浮かべながら、安徳天皇の無事な姿を見て喜んだ。


ここは、名も無き山奥の村。村人たちは、よそ者を寄せ付けずに暮らしてきた。

この村の人々以外は、このような村があることすら知らなかった。しかし、そこに安徳天皇と、平家の落武者4~5人と、女官たちが4~5人ほど、足を踏み入れていた。


ここは、どうやら村で一番大きな家で、来客を泊める部屋まである。ここの村長の家のようだ。


しかしそこに、源氏の手勢がやってきた。そして、こう言った。


「おい!ここに平家の者どもが来ていないか?」


村人は答えた。


「いえいえ、そのような者たちは、来ておりません。この村は、よそ者もほとんど立ち入りませんので。」


源氏の手勢は、しばらく探し回るが、見つからない。


「もうよい、行くぞ。」


平家の落武者たちは、このようにして、山奥の村などに身を潜めながら、生き延びた。

そのため、いつしか『平家の落人伝説』として、後に知られるようになる。


安徳天皇が、もし生きていたら、こうなっていたという予想


1 母の建礼(けんれい)門院(もんいん)徳子(とくこ)と再会し、共に平家一門の菩提(ぼだい)(とむら)った。


2 平家の落人たちと共に逃れ、自らが安徳天皇であることは、生涯(しょうがい)明かすことは無く、ひっそりとどこかの農村でスローライフを満喫した。


3 安徳天皇は生きていた!と、京の都でも話題になる。そして、行方不明になっていた宝剣もまた、安徳天皇のその手に。

三種の神器を扱わずに即位した後鳥羽(ごとば)天皇はその座を追われ、そして今度は頼朝(よりとも)らの手によって、安徳天皇が再び即位する。


4 安徳天皇は退位を発表し、安徳上皇となる。

しかし、これは表向きで、平家の侍たちの亡霊たちを召喚し、後白河、後鳥羽、頼朝、皆追放した後に、平清盛や後白河に代わる新たな支配者となる。


いろんな説が考えられる。中には突拍子もない空想もある。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ