『速記士母神』二の書
二の書にいはく。
鬼子母神と呼ばるる鬼の女、
速記の筆を盗みては速記をものし、
千本の速記の筆をもって、
あまたの子を養ふ。
速記の筆を盗まれし人々、
釈迦如来にすがりけり。
如来、これを聞きて、
鬼子母神より速記の筆を一本のみ盗みて隠す。
鬼子母神気が狂ひて探しけるも、
速記の筆いずくにもあらず。
釈迦如来、鬼子母神に、
速記を志す者、速記の筆を盗むは、
風上にも置けぬ振る舞ひなれど、
速記を志す者、もとより性根の悪しき者なしとて、
ザ・黒速記の筆を与え、
鬼子母神を許せば、
鬼子母神、涙を流し、心を入れかえけり。
鬼子母神、速記士となりて、
世の人のために尽くせば、
世の人、鬼子母神と呼べり。
速記の筆は、今ぷれすまんと呼ばるるに同じ。
教訓:ザ・黒って…。