表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/210

第三章―ファルリエムを継ぐ者―#2


「……それで、収納袋だったな」


 そう、問題はマジックバッグである。絶対に取り出す方法があるはずなのだ。でも、一体どうやって取り出せば────いや、取り出し方法を見つければいいのか。


 “ゲーム”で“ステータス画面”を開くみたいに、自分の状況を確認できればいいんだけど────



現況情報(ステータス)】を【抽出(ピックアップ)】───完了

投影魔術式(プロジェクター)】のインストールを開始します───完了───【投影(プロジェクション)】が実行可能になりました

現況情報(ステータス)】を投影します…



「え?」


 もうお馴染みとなった声が響いたかと思うと、私の目の前に、40インチのテレビほどの半透明な画面が現れた。



守護者(ガーディアン):リゼラ

  (マスター)───ルガレド=セス・オ・レーウェンエルダ

  肩書───親衛騎士/Sランカー冒険者

  装備───【誓約の剣】、短剣×2

       礼服一式

       魔玄のショートパンツ、魔玄のサイハイブーツ

       フェイスガード

       【記念のピアス】

       星銀(ステラ・シルバー)のピンブローチ、星銀(ステラ・シルバー)のバレッタ

  年齢───16歳

  性別───女性

  特異性質───忘却障害症

  固有魔力量───SS

  使用可能共有魔力量───SSS

  技能───【***流剣術】【***流弓術】【馬術】

       【魔力操作】【魔力循環】【魔力変換】【測地】

       【我流双剣術】【解体】【採取】【媒染】



 え───本当に、ゲームみたいなステータス画面が現れたんだけど…。

 流派は文字化けしているし、“刀術”という言葉がないからか、剣術になっている。


 情報はまだ続いている。



  固有能力───【(アストラル)(ヴィジョン)】:顕在化(セットアップ)・未

  限定能力───【念話(テレパス)】【把握(グラスプ)

  特殊能力───【案内(ガイダンス)】【最適化(オプティマイズ)】【抽出(ピックアップ)】【顕在化(セットアップ)

         【最新化(アップデート)】【(シンクロ)(ナイゼーション)

         【命名(ネーミング)】【進化(アドバンス)

         【鑑識(ジャッジメント)】【地図製作(マッピング)

         【情報開示(ステータスオープン)

  実行可能魔術───【解析(アナライズ)】【投影(プロジェクション)

  搭載魔導機構───【最上級(ハイエストクラス)魔力炉(マナ・リアクター)

           【最上級(ハイエストクラス)魔術駆動核(マギ・エンジン)



 何だか、突っ込みどころ満載なんだけど…。とりあえず、後で考えることにして、読み進めていく。



書き込み(ダウンロード)済み魔術式(マギ・スキーマ)────

 【遠隔管(リモート・)理魔術式(コントローラー)】【換装魔術式(エクスチェンジャー)】【解析魔術式(アナライザー)

 【投影魔術式(プロジェクター)】【転移魔術式(テレポーター)】【身体強化(フィジカル・)魔術式(ブースター)

 【防衛魔術式(プロテクター)】【重力操(グラビティ・)作魔術式(オペレーター)】……


    

 その後も、“魔術式”──多分、魔術陣と同じ?──の名称が延々と記されている。ええっと…、もしかして、ここに記載された魔術、全部使えるってこと…?


 まだまだ続くようだけど、次のページにはどうやっていけばいいのか。この右隅の矢印に触れればいいのかな?


 指先を矢印に触れさせると、ページが進んだ。魔術式の項目はまだ続いていた。それを飛ばし読みして、ページを進める。


 ようやく、一番知りたい情報へと辿り着く。



所持品

 無限異次元収納庫:主共通───なし

 無限異次元収納庫:リゼラ専用───なし

 無限収納袋:リゼラ───

  大型トランク

  (ジャケット×1、ショートコート×1、インナー×2、

  ショートパンツ×1、ビスチェアーマー×1、

  アームボレロ×1、グローブ×2、ポーチ×1、シャツ×1、

  キュロット×1、靴下×3、キャミソール×3、

  ショーツ×3、タオル×3、

  アクセサリーボックス×1):最適化済

  中型トランク1

  (羽根ペン×3、インク×3種、レターセット×10、

  ダリアレン版植物図鑑、冒険者ギルド監修版魔物図鑑、

  筆記帖×3、大陸略図大小各1、方位計×1、墨果筆×5、

  定規×1、実行済み絶縁状):最適化済

  中型トランク2

  (小型鍋×1、ポット×1、マグカップ×2、フォーク×2、

  スプーン×2、皿×2枚、網×1、調理用ナイフ×2、

  布巾×3、塩×1瓶、胡椒×1瓶、茶葉×1袋、

  ドライフルーツ×1瓶、固焼きパン×5):最適化済

  小型トランク1

  (ロングブーツ×1、ショートブーツ×1):最適化済

  小型トランク2

  (櫛×1、手鏡×1、鋏×1、石鹸×1、空瓶×1、

  布巾×3、包帯×3、傷薬×1缶、

  回復薬×5):最適化済

  麻袋・大中小各3枚:最適化済

  ショートマント×1:最適化済

  ランタン×2、小箱(蝋燭×5):最適化済

  双剣×2セット、短剣×2:最適化済

  弓×1、矢筒(矢×10本)×2:最適化済

  汎用大型ナイフ×2、解体用大型ナイフ×2:最適化済

  内ポケット:着用中コート

  (懐中時計〈冒険者ライセンス〉、鍵束):最適化済

 自室:拠点1

  女性用高級硝子ペン×3、インク×2、

  高級レターセット×30、筆記帳×2、小説×65冊、

  ディアルーカ版草花絵図全6巻、南方旅行記全3巻

  ドレス×18着、ワンピース×33着、

  シュミーズ×24着……



 この後もアクセサリーやら髪飾りやら靴やら化粧品やらの詳細が、延々と続いている。


 何か───使わせてもらうことになったあの部屋にあったものが、すべて書き出されているんだけど。


 一体どうやって認識しているの?


 それにこの“異次元収納庫”って、字面からするとラノベでよくある“アイテムボックス”ってやつですか?────いや、それよりも、この【無限収納袋】に入っている大型トランクを取り出したいんですよ。



遠隔管(リモート・)理魔術式(コントローラー)】のインストールを開始します───完了───【遠隔(リモート・)管理(コントロール)】が実行可能になりました



 ────何か、また魔術を使えるようになったみたいだ。


 ページを戻ると、『実行可能魔術』の欄に【遠隔(リモート・)管理(コントロール)】が増えていた。その文字を指で触れてみる。すると、説明が出てきた。



遠隔(リモート・)管理(コントロール)

 自分の所持品を遠隔で管理する魔術。手元に取り寄せたり、持っている荷物をしまったりすることが出来る。ただし、確実に自分が所有している物か、主と共有している物に限る。



 え───何これ…。アイテムボックスだけじゃなく、部屋に置いてあるものとかも取り寄せることが出来るってこと?…………便利過ぎない?


「…リゼ?」


 いけない────想定外の展開に、レド様をおいてけぼりにしていた。


 私は、レド様にこのモニターもどきがどういうものなのかと、“遠隔(リモート・)管理(コントロール)”という魔術について説明する。


「何と言うか、本当に凄まじい技術だな…。しかし、先程から思っていたのだが、リゼはよく理解できるな。記憶持ちと言っていたが、もしかして、前世は古代魔術帝国で生きていたのか?」

「いえ、前世は、こことは違う世界で生きていました。その世界で、何と言えば良いのか───似たような技術の概念があったんです」


「こことは違う世界…?そんなものがあるのか…?」

「ええ。前世生きていた世界は、こことはかなり違った世界です。魔法や魔術というものはありませんでしたし、魔物や魔獣もいなかったんです」

「そんな世界があるのか……」


「もし、ご興味があるなら、空いた時間にでもお話ししましょうか」

「ああ。ぜひ聞かせてくれ」

「はい。とにかく、この魔術を使ってみますね。────【遠隔(リモート・)管理(コントロール)】」


 複雑に編み上げられた魔術陣───いや、魔術式が、瞬時に足元に広がり、光が迸った。


 すると、頭の中に、自分の所持品が次々と浮かんでくる。


 これだ、この大型トランク!────そう思った瞬間、目の前に見慣れた大型トランクが現れ、ふわりと床に着地した。


「良かった…、取り出せた…」


 私は安堵の溜息を()いた。


「良かったな。それでは、着替えてくるといい」

「でも、そうすると、ご飯が遅くなってしまいませんか?それでなくても、お待たせしているのに」

「大丈夫だから、気にするな」


「…ありがとうございます。急いで着替えてきますね」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ