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生きてることが奇跡なの

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。

でも、当社比、珍しくオチが着いた気が……(*´-`*)


注意事項2

今どきかなりセンシティブな「行方不明」というテーマを扱ってます。

ご不快に思われる事、多々あります。

気をつけて下さい。

苦情はオブラートにぐるぐる巻きでお願いします。

ココア入りのマグカップを貴方に手渡すと、テーブルの向かいに座った。暑いから気をつけて。という注意書きの後に、彼女はちびちびと啜る。辺りには甘い香りがほんのり漂う。

唐突に彼女はテレビを付け、チャンネルを回す。ニュースには行方不明となった女性の名前が記されていた。

「私が今生きているのは運が良かっただけなの」

彼女は苦笑いを一つ浮かべると、すっと此方に視線を寄越す。マグカップを両手で撫でながら、吐息を一つ。過去に思いを馳せるように遠い目をすると、徐に口を開く。

「大人でもこうだもんね」

「?」

疑問符を浮かべる貴方に、指先でココアを飲むように勧める。せっかく準備したのだから、冷めないうちに呑め、という事だろう。貴方は少し顎を引くと、カップの縁に口を付けた。優しい、冷えた心を溶かす様なミルクの味がした。

「子供はもっと凄いよ。あのね、一生懸命作業してると、数分なんてあっという間なの。特に危ない、そうね。包丁持ってる時とか、そんな時まで子供のこと見れる? 私は見れないよ。だから運が良かっただけ」

知っている。そこに綺麗な花があったから、珍しいものを見つけたから、たったそれだけの理由で消える。七つまでは神のもの、なんて言葉があるぐらいだ。すぐにでも……消える。

「今生きてる事が奇跡なの。(たまたま)、私が動き回る時間に母が目を離さなかっただけ。なんなら私は親の目を掻い潜るのを楽しみにしている子供だったから。その偶然に感謝したい」

そんな厄介な子供の過去を語った後、するりと貴方に向き直り、一つだけ瞬きをした。全てを見据えた目。全てを見渡す仏の半眼で囁いた。糖の滴る声だった。

「貴方もそんな考え方を持っていて欲しい。今、生きてる事が奇跡なの。それを全力で誇っていい。でもそれに胡座をかいて、誰かを傷つけるような真似をしてはいけないの」


不意に目が覚める。真上には見慣れない天井。真っ白で、全てを排する無垢な天井。起き上がろうと上体を動かすと、不意に誰かに抱き着かれた。柔らかい肉の感触に息を飲む。

「良かった……本当に。良かった……」

母の声だった。涙混じりの乱れた吐息と声音で面影は大分薄れていたが、それでも母の声だった。私は朦朧とした記憶の中で、ポツリと腕にしがみついた。

「私……」

「覚えてない? ずっと行方不明になってたのよ」

母がテレビの電源を付ける。ニュースを見ると、そこには自分の顔写真が写っていた。

ここから先、本当になんでも許せる方向け。

これまで以上に長いです。寧ろ飛ばすこと推奨です!!


隙あらば自分語りする事をお許し下さい。

自分の世界を越えられない生き方してます。では。


私の幼い頃、本当に親の目を掻い潜って何処かに行くのが好きでした。

何なら追いかけっこ気分で親から離れて遠くに行くような手の掛かる子でした。

そんな私が今生きてるのは、ある意味奇跡です。

24時間、365日、ずっと目を光らせて、子供と手を繋いで一緒に居るのは無理です。無理なんですよ……。

何かに夢中になってたら、目を離す事もあるでしょう。

でもそんな事関係ないんです。好奇心で今を生きているのが子供なので。


私から言わせりゃ、今生きてる人は皆勝ち組です。

逃げたって勝ち組です。修羅場だって勝ち組です。

逃げる事を選択しただけで偉いじゃないですか。

修羅場で戦ってるだけでも偉いじゃないですか。

(出来れば逃げて欲しいですけど!! んな事言ってらんねぇんだよ!! という方もいらっしゃると思うので)

子供しかり大人しかり、生きている人は勝ち残った人ですよ。誇って良いんです。

でもそれで誰かを傷付ける事はやめましょうね……。

言葉って本当に凶器になるので。

世界がもっと身近な人々に優しくなって欲しいなぁと思います。

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