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まだ未定  作者: rei.
第1章
5/15

5.




「え?あれ?」



聞き覚えのある声がする。



「もっしもーし、実花ちゃん?」



ふざけたように言うその声は魅力的で、眠気覚ましにはピッタリだった。ガバッと体を起こす。



「あれ?私・・・」


「もー、また寝ちゃってたよ?」



ふてくされたように口を尖らす響様をジッと見つめる。



「・・・これって夢なんでしょ?」


「んー?」



響様はとぼけたような顔をする。



「夢なら夢でもいいよ・・・私は・・!」





「いや、これは現実だよ?」




「・・・は?」





「いや、だから現実だって」



響様の発言に驚きを隠せない。



「いや、だって、私さっきまで保健室にいて、それでウトウトしてて・・・」


「うん、だからそこから連れてきた。ここに」



何を言っているのかわからない。



「じゃあ証拠に顔の肉つまんでみ?夢の中だったら痛みは感じないって言うじゃん?」



響様に促され、顔の肉を引っ張る。



「いててて・・・」


「ほら、痛みあるでしょ?だからここは・・・」



「それだけじゃ信じられないよ!この前も5時間勉強して、ベッドにダイブして・・・。ここにいる間に意識失くしたら普通に部屋に戻ってて朝だったし・・・。「あー、夢だったんだな。あんな素敵な夢はもう見られないんだな」って諦めてたのに・・それが、こんな・・・」



「夢なら夢だと思っててもいいよ。ただし、今、この場のことは現実。デートも、そして俺が君のことを好きだってことも」



突然の告白にドキッとする。



「サラッと言ったね」


「まぁ、俺クオリティーだな、そこは」



そう言ってクスクスと笑う響様を見て、なぜか肩の力が抜けた。実花も一緒になって笑う。



「やっと笑ってくれた」



響様がこちらを真っ直ぐに見つめてくる。



「実花の笑顔、俺、一番好きなんだよね」



そして天使の微笑みをこちらにくれる。また鼻血が出そうなほど顔が赤くなっているのがわかった。慌てて視線を逸らす。



「は、話を逸らさないでよ」


「ごめんごめん」



響様は机に頬杖をつき、こちらを見る。その姿に見惚れそうになり、首を振った。




「ここは本当に現実なの?」




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