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まだ未定  作者: rei.
第1章
11/15

11.




やっとのことで私たちは注文し、席に着く。



「並ぶ前はそんなに人がいるように見えなかったのにね・・・」


「あぁ、無駄に疲れたな。ごめんな」


「別にいいけど・・・。自販機のジュースでもよかったんじゃない?」



疲れてテーブルの上でだらける。注文したタピオカ入りのミルクティーをジッと見つめた。



「まぁまぁ、そう言わずに。改めて一息つこうではないか」



響様はタピオカ入りのメロンソーダを飲んでいた。あまり聞いたことのない組み合わせだったので、ゲテモノ好きなのかと思ったが、本人はとても美味しそうに飲んでいる。



(まぁ、いいや)



そこはスルーすることにして本題を切り出すことにした。ミルクティーを一口飲み、手を組む。



「それで、ここが異世界ってどういうことなの?」



響様はまた一口メロンソーダを飲むと、「どういうことって・・・どういう意味?」と聞いてきた。



「ここは夢の中とは違うの?」


「うん、ここはれっきとした現実だよ」


「私は今起きている状況ってこと?」


「まぁ、そういうことになるよね」



響様がメロンソーダを飲む。私もまた一口飲んだ。



「じゃあ本当に連れてきたんだ」


「んー・・・まぁ、そうだね」


「なにその間」


「いや、特に深い意味はないよ。まだ飲み終わってないけど行こうか」



響様が席を立ったので、私も席を立つ。はぐらかされた感じもあったが、気にしないようにした。


そのままエスカレーターを上がって、ルンルン気分の響様にひたすらついていく。男性用のものを見るのかと思いきや、立ち寄るのは女性もののショップばかりだった。気になったものを1つ1つ手にとっては私に合わせ吟味する。「これは違うな。これはどうかな」などと独り言も聞こえた。



「さっきから何してるの?」


「いや、実花に似合うのあるかなーと思って」



そう言いながら服をまた合わせる。



「んー、どれも似合ってるんだけどね。ビビッとくるやつには出会わないね」



服を戻し、私の手を引いてしょんぼりした様子で店を出た。



「別に私の服なんていいのに・・・」


「だって、さっきのペンキで汚れてしまっているし。そのワンピースも可愛かったけど、他にも似合うのが絶対–––」



言い終わる前に、また別の店を見つけたのか、スキップをしだした。私はため息をつく。




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