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10~17


 夢 ~遥か遠く飛鳥~


 恋のために醒めない眠りがどうのだとか、それほど一時の感情に流される短絡的なことがあるだろうか。

 放っておけば、恋なんてどうせすぐに醒める。

 それなのに永遠に醒めない眠りだなんて、それほど、それほど恐ろしいことがあるだろうか。

 僕にはゾッとする発想だった。



 忠犬 ~奈良の主はだぁれ?~


 この人は現在だけが見えている状況なのだろう。

 現在だけ、現代だけが見えているのでは、結局永遠を求めてしまうことになる。それなのに、永遠が永遠ではないことにすら、まだ気付く段階にいないように思える。

 それは辛いことだ。

 自覚したとき、どれだけ胸が苦しくなることだろう。



 夢大陸 ~届かない平安を求めて~



 距離 ~背負う鎌倉の夢の夜に~


 それが家のために必ずしも必要なものだったとして、間違えなくそれが求められていると知って、自分でそれを選ぼうとは思えない。

 そもそも家のためだとか、そんなことのために自分を犠牲にしようとは思えない。

 自分が死んだ後に、どう思われていたって関係がないのだから。

 でも、けれどだったら、どうして僕はこうもまで、死後のために何かを遺そうとしているのだろうか。

 何を遺していたところで、そこに何を刻んだところで、僕は何にもならないのに。



 春 ~桜の頃へ交わす想い~


 これが本当ならば、桜という花はどれだけ恐ろしいことだろう。

 花の美しさだとか彩りだとか、そういったよさについては、僕にはさっぱりわかりやしない。

 けれどそう思ったらば、「恐ろしいほどの美しさ」というのもわかるようになるかもしれない。



 愛 ~それは偽りでも~


 勘違いだって死ぬまでしていられるなら幸せなんだろうな。

 偽りだって愛されていることで、一瞬でも死を忘れられるならその間だけでも幸せでいられることだろう。

 僕も少しばかりほしくあった。



 夜酒 ~君の香りに溺れて酔うも酒の所為か~


 忘れられるならその手段はなんだっていいのかもしれないけれど、酒というのはあまり感心しないものであるように感じられる。

 せっかく与えられた時間を、僅かな時間を、気の狂った状態で過ごさなければならないというのは馬鹿らしい。

 勘違いというのと、どこが違うかと言われたら何も言えない。

 けれど酒に酔わされた時間は、また違った過ちであるように思えた。



 守護 ~いつでもあなたの傍で~


 さっきも言ったとおりだ。

 勘違いだって死ぬまでしていられるなら幸せなんだろうな。

 そうなんだけど、それが貴重な時間を消費しなければならないこととして、その勘違いがあるだろうかと考えてしまうのだ。

 僕はそれが怖かった。



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